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霊が見える父親が家に連れ込んだ離婚の原因

この記事の所要時間: 210

高校の頃の友人には、霊が見える父親がいた。

その父親(仮にR氏とする)は、ユネスコホテルの職員をしていた。

年中、全国にあるホテルを飛び回っているらしい。

R氏は毎年夏になると、○○県にあるホテルを訪れることになっていた。

そのホテルは、4階建ての本館と別館があり、その間は渡り廊下でつながっていた。

7年程前にそのホテルに訪れた時、渡り廊下の4階から下にいるR氏を女の子が見ていた。

小学校低学年ぐらいで、どこにでもいそうな普通の女の子。普通と違う所は、彼女は既に死んでいるという事。

R氏には、それがすぐに解った。

「可哀そうにな…成仏するんだよ…」
心の中で手を合わせ、ホテルの職員事務所に歩いていった。

仕事を片付け、常駐の職員と雑談をしていた。

先程の女の子の事を話そうとしたが、見えない人にわざわざ伝えることも無いかと思い直し、そのままホテルを後にする事に。

帰りがけにもう一度渡り廊下を見てみると、まだ4階からこちらを見下ろしていた。

 

次の年も去年と同じように、4階の渡り廊下から女の子はR氏を見ていた。

その次の年も、そのまた次の年も…。

女の子を毎年見かけるようになって5年ほど経った夏、今年も同じ所にいるのだろうと、R氏は渡り廊下を見上げた。女の子は今年もいた。

3階の渡り廊下からR氏を見下ろしている…3階!?

R氏は不思議には思ったが、そんなこともあるのだろうと勝手に納得し、例年どおり仕事をこなしてホテルから移動した。

「で、次の年そのホテルに行ったら、2階からおとうさんを見てるんだ。それが去年の話。今年は目の前にいるのかな?」
と、この話を娘(オレの友人)に聞かせて、R氏はそのホテルに出かけていった。

娘は、父親がこのまま帰ってこないような気がしてならなかった。

 

「ただいま」

父親が帰ってきた。とりあえず無事のようだ。

娘はホッと胸を撫で下ろす。

「おかえりー。どーだった?」

小走りで玄関まで父親を迎えに出た。

しかし、父親の様子がおかしい。

どことなくバツが悪そうに娘に話しかける。

 

「…ついてきた…」

 

父親は声を震わせながら、自分の脇の空中を指差しそう言った。

その日の内に、母親と娘はR氏を一人置いて家を出た。

その後、まもなく離婚。

R氏は、今でも一人でその家に住んでいる…いや二人でか。

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