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残業続きでも超過勤務手当もつかない零細ダークネス企業で上司に疎まれている営業マンが失踪

 2015.08.30     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 242

あれは、およそ3年ほど前です。

僕は、とある会社に営業として勤めていました。

毎日、残業、残業続きでも超過勤務手当もつかない、零細企業でした。

同期に、Mくんという人がいました。

僕より年上でしたが、手が遅く営業センスもなく、朝のミーティングでは毎回、部長につるし上げをくっていました。

根が真面目な人間だけに、相当まいっているようでした。

 

Mくんは、興奮するといつも
「すん、すん、」
と鼻を鳴らす癖があり、それもまた上司に疎まれている理由の一つでした。

僕は、そこそこ口もうまく、それなりに世渡り上手でしたので、Mくんのようにいじめられることもなく、なんとかやっていました。

 

 

ある時、Mくんが会社からいなくなりました。

辞めたとかではなく、失踪したとのことです。

前日に、最後まで残業していたのを見た人がいましたが、その日Mくんは家に帰らず、そのまま行方不明とのことでした。

はじめのうちは、いくらか騒ぎになりましたが、1ヶ月も経つと忙しさもありみなMくんのことなど忘れてしまいました。

その日、僕は一人で残業していました。

明日のクライアントとの打ち合わせにどうしても足りない書類ができてしまい、徹夜覚悟でパソコンとにらめっこしていました。

「トゥルルルルル」

時計の針が、夜中の3時を過ぎたころでしょうか。

机の上の電話機が鳴りました。

「はい?」

僕は、寝ぼけ眼で電話に出ました。

「…」

受話器からは、何も聞こえません。

「もしもし…!」

その時、僕は気付きました。

 

会社の電話は、ビジネスホンで、外線と内線が使えます。

今の呼び出し音は、内線電話の音だったのです。

僕は慌てて立ち上がると、室内を見渡しました。

広い室内で、電気はここしかついておらず、人の気配もありません。

僕は気味が悪くなり、何も言わずに受話器をもどしました。

「トゥルルルルル」

すると、また呼び出し音が鳴りました。

僕はびくびくしながらも、電話のディスプレイを覗いてみました。

 

「302」

 

かけてきているデスクの番号が表示されていました。

Mくんのデスクでした。僕は怖くなり、思わず立ち上がりました。

「すん、すん、」

その時、僕の耳元で、聞いたことのある音が聞こえました。

Mくんの鼻を鳴らす音です。

僕が振り向くと、そこには誰もいません。

疲れているんだ…

そう思い、僕はまた机に向かおうとしました。

明日までに書類を仕上げなければ、契約はおじゃんです。

 

そこにはMくんがいました。

パソコンの画面一杯に広がる、Mくんの顔。

こちらを無表情に見ています。

そして、一言言いました。

「来いよ…」

僕は、悲鳴を上げて会社から逃げ出しました。

そのまま僕は、会社を辞めてしまいました。

風の噂では、従業員が次々と辞め、会社は倒産したそうです。

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