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亡骸になった赤ちゃんを乗せて山道をベビーカーで散策する若い女性

 2015.09.07     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 438

一昨年の夏休みの出来事。

車で、あてのないぶらり一人旅をしていたんだけど、新潟から長野へ向かう途中の山奥で道に迷ってしまった。

まあ高速代を浮かすために、勘のみで見知らぬ峠道を走ってみたんだけど、案の定はまってしまった。

…時間は深夜をまわって人家も全くないし、行けども行けども山を脱出できない!

参ったなと焦りはじめた頃、峠を下る歩行者を発見!

こんな山奥でも住んでる人はいるんだな~と思いながら徐行して近づいてみた。

それは、ベビーカーを押した若い女性だった。

きっと、赤ちゃんが夜泣きでもしたためにこんな時間に散歩してるんだろうな。大変だな~と、ノンキに考えて通り過ぎようとした。

しかし!すれちがい様、アレッ!?と思った。

 

…何かこの女変だな?髪はぼさぼさで、服も泥で汚れている。手足はすりむいたのか、あちこち血がにじんでいる。

何よりこの女、裸足で歩いてる。

…僕は、もしかしたら何か事故とか事件に巻き込まれた可能性があると思い、あわてて車を止めて降り、女性に声をかけた。

「あの…大丈夫ですか?」

しかし、振り向いた彼女を見て僕はゾッとした…

この女に声をかけてしまった事を後悔する事になった。

ベビーカーに乗せた赤ちゃんは、何と死んでいるではないか!

腐った肉の匂い!目玉の部分がぽっかり空洞になっている…素人目に見ても明らかに死んでいた。

この女は!赤んぼの死体を押して歩いてる。

 

「うわッ!」

 

僕はあまりにビックリして、のけぞりひっくり返りそうになった!

だが、よろめく僕の手を彼女がしっかりとつかんだため転ばずにすんだ…が、その後ものすごい腕力でグイィと引っ張り上げられて、彼女と至近距離で目があった。

目の焦点がおかしい…いわゆるイっちゃってる状態…

で、女は僕に顔を近付けて突然叫びだした。

 

『私の赤ちゃん!赤ちゃん!赤ちゃん!赤ちゃん!』

 

…!!

かなりパニックになった僕は女を突き飛ばして、車にダッシュで戻りその場から逃げ出した。

と、まあここまではよくある話というか、ただの基地害な女じゃないか?って事で終わるはずなんだけど更に続きがあるんだよ!

 

何とかガクブルしながら山のふもとの町までたどりついた僕は、一睡もできず朝になると同時に近くの交番へ駆け込んだ。

『死体の赤ちゃんを連れた女が歩いてる』
なんて話信用してもらえないんじゃないか?とも考えたが、僕はありのまま起こった事をお巡りさんに話した。

年配のお巡りさんは、最初ニコニコしながら黙って僕の話を聞いていたが、くわしい話をしている内に真剣な顔つきになり、最後には真っ青な顔色になった。

…しばらくの沈黙の後、お巡りさんは他言無用との約束で「真実」を話してくれた。

その事件の内容を以下にまとめ記します。

 

 

お巡りさんの話。

先月のこと、二週間程長雨が続いて久しぶりに晴れ間が見えた日の事。

その峠は、豪雨が続くと危険防止のため通行止めになる。

たまたま通りかかった地元の人が、ガードレールがなぎたおされているのに気付き、110番通報。

間もなく警察官が到着、約100メートル下の崖下を捜索すると、やはり転落したであろう大破した乗用車を発見。

だが、多少の血痕は確認されたが、乗員の姿は何処にも見当たらなかった。

この年配のお巡りさんももちろん現場に居合わせて、すぐに乗員の捜索が始まった。

 

車のナンバーと持ち物から、事故にあったのは近くに住む若い女性らしいとすぐにわかった。

捜索は続き夕方、他の捜査員が赤ちゃんの死体を発見。

車が転落した際、車外に放り出され即死したらしい。

しかし、この遺体。奇妙だ。首が一度切断された後に、無理矢理ホチキスで縫合した後が見られる。

年配のお巡りさんは怒鳴った。母親は生きてるかもしれん!急いで探せ!と。

どうやら気の動転した母親が、息子の死体を何とか生き返らそうと無理矢理生首と体をくっつけた…

そんな感じだったそうだ。

 

そして、翌日母親の遺体も発見された。

必死の形相で助けを求めて、崖を這い上がる途中で息絶えていたそうだ。

 

 

えっ…?

お巡りさんの話を聞いて僕は震えがとまらなくなった。

じゃあ、昨日見たベビーカーを押す女は…幽霊なのか!?

 

お巡りさんは、幽霊なんて信じないそうだ。

でも、母親の遺体を最初に発見したのは、この年配のお巡りさんだとの事。

あまりの酷い遺体にショックを受けたのか、精神的に不安定で、夜道で女の声とベビーカーをカラカラ押しているような音を聞いたり、部屋で寝ていると女が窓から覗いていたりとすっかりまいってしまったよ。

苦笑いしながら、お巡りさんは語ってくれた。

 

…あれからしばらくの月日が流れ、きっとあのお巡りさんは元気にしている事でしょう。

なぜなら「あの女」は、どうやら今、僕に憑いてきているから。

押し入れの中から一晩中睨まれていたり、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたり…

何故?…

あの時助けを求めてきた女を置いて逃げたから?

それとも…

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