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女癖が悪いのが玉に瑕な先輩と相部屋になった新卒社員が遭遇した女の怨念

 2015.09.11     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 424

今から十年ぐらい前の話。

大学新卒で、東京のある出版社に勤めることになった。

会社の寮は千葉県M市にあり、6畳の部屋が二つのトイレ、キッチン、バス共用の相部屋。

オレは、1年先輩の人と一緒になる。

その先輩は基本的には良い人で、オレにも親切だったが女癖が悪いのが玉に瑕。

とっかえひっかえの複数交際をしていた。

俺が寮に入る前は(彼一人だったので)よく女を連れ込んで同僚の顰蹙を買っていたそうだ

俺が入ってからは収まったものの、実際は内緒で連れ込んでる事もたまにあった。
(寮といってもアパートを会社が買い取って改築した物、管理人等はいない)

「アイツいつか女でえらい目に会うぞ…」

週末の寮での飲み会で、よく酒のつまみにされていた

 

 

そんな先輩にいよいよシャレにならない出来事が起こる。

週末の或る日、先に部屋に帰ったオレは風呂に入っていた。

ドアが開く音が聞こえて、誰かが入ってくる。

湯船でくつろぎながら、オレはその先輩が帰ってきたのかと曇りガラスに目をやった。

しかし、先輩ではなかった。

髪の長い女の人が、スッと横切って行くのがハッキリと見えた。

その時、妙な胸騒ぎがしたのだが
「またか、しょうがない人だな…」

またいつものように女の人を連れ込んだのだ。
そう思った。

風呂から入ったオレは、隣の部屋にハッキリと人の気配を感じながらも、知らぬ振りを決め込んで布団に入った。

 

オレは、その夜はじめての金縛りを経験することになる。

疲れていたオレは、すぐに眠ってしまった。

明け方近くだったと思う。

女の人のうめき声とも泣き声とも区別のつかない異様な声で目を覚ます。
(金縛りの状態だから意識が目覚めただけで体は動かない)

その異様な声は、初め聞きとれない意味不明の音だったが、次第に
「○○!」

「○○!」(先輩の名前)
と聞き取れるようになる。

オレは目を開けられなかった。

恐怖よりも金縛りにパニくって体を動かそうと必死だった。

そのあと、ブラックアウトしたまま朝になって(ホントに)目を覚ます。

 

異様なほど寝汗をかいていた…

体が重たく起き上がるのが辛かったが、すぐに隣の部屋をノックする為に起き上がる。

「○○さん!います!?」

部屋から反応は無い。

玄関を見ると、靴はオレのだけで先輩のは無かった。

もちろん、女性の靴も…

 

『なんだ、先輩帰ってなかったのか?それとも女の人ともめて早く出て行ったのか…』

 

オレは、昨夜の金縛りは単なる疲れがもたらした物だろうと納得しようとした。

しかし、風呂で曇りガラス越しに見た髪の長い女の人が、妙に頭から離れなかった。

気になったので、昼過ぎに二階の先輩と同じ部署の人に話を聞きに行った。

 

「え?○○なら気分が悪くなったって昨日昼頃帰ったぞ…」

オレは、昨日女の人が入ってきたことや、金縛りになったことを話した。

その人は、急に顔をしかめ
「お前聞いていなかったのか…あいつの女の一人が自殺したらしいんだ…オレも詳しくは知らないんだけどな、それでアイツ最近ふさぎこんでいたろ?」

月曜日になっても、先輩は寮に帰らなかった

 

 

とうとう無断欠勤が続いたので、会社側もその先輩の実家などに連絡を入れることになる。

実家の方にも連絡が行っていなかった。

行方不明である。

親は警察に捜査願いを出したとのことだ。

それから一ヶ月ぐらい経ってから、先輩の実家から辞職願いが出された。

先輩は発見されたものの精神を病んでいて、とても復職できる状態ではないとのこと。

 

先輩の両親が、オレの部屋に荷物を取りに来ることになった。

一ヶ月間、オレは怖くて隣の部屋はなるべく近づかないようにしていた。
(寮を管理してる総務課の人が部屋に来てもオレは覗かないようにしてた)

先輩の両親は、衰弱しきっった様子でオレに挨拶に来た。
(オレは総務の人から鍵を預かっていた)

オレは先輩にお世話になった身でもあり、荷物を運ぶのを手伝うことにし、部屋の鍵を開けた。
(部屋は先輩がいなくなったそのままにしておいてある。事件性があった時の為だ)

綺麗好きだった先輩の部屋は、よく整理してあった。

部屋の中央に炬燵があって、二つのコーヒーカップが置いてあった。

一つは飲み干されていて、もう一つはコーヒーが入ったままである。

 

オレは、コーヒーの入ったままのカップのそばに長い髪が落ちているのを見つけた。

あの日の事が鮮明に蘇ってきた。

『オレが見た女の人のモノだ!』

オレは、両親に詳しいことを聞きたかったがそんな雰囲気ではなく、淡々と荷物運びを手伝った。

オレはその後、寮を出て会社もしばらくして辞めた。

先輩がその後どうなったか気になったが、今となっては知るすべも無い。

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