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首狩り峠のとある石に座った代償と真っ黒い犬による神の警告

 2015.09.22     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
首切峠
この記事の所要時間: 859

自慢じゃないが、私は憑かれやすい。

霊感なんかは殆どないので、自覚症状がなくて恐ろしい。

子供の頃はよく行方不明になって、次の日に田んぼの真ん中でケタケタ笑っているのを発見されたとかしょっちゅうでした。

今でも体調悪かった、り気を抜くと寄って来ます。

そんな感じのオカルト話。

 

鳴門の方に用事があって遠出してた日の帰り。

道路情報を聞いてたら、何でも高速の方で事故があって大渋滞との事なので、旧道を通って帰る事にした。

長い距離ながら県道なためか対向車は殆ど無い。

頭上を仰ぐと
『○○峠○○市まで40km』
の標識。

以前立っていた標識には『首狩り峠』と書かれていた道だ。

数年前に市長が
「縁起が悪いから」
と勝手に名前を変えたが、今でも『首狩り峠』の通称で呼ばれている。

なぜそんな不吉な名前かというと昔、戦で負けた落人の集落が峠の頂上あたりにあったらしい。

ある時、残党狩りがやって来て盛大な山狩りを行い、一族郎党皆殺しにして首級を持ち帰ったのだとか確かそんな感じの由来だったと思う。

なんて直球ストライクなネーミング。

元来粘土質で急斜面、『ケ』も悪い土地とあって建物は殆ど立っていない。

 

 

うどん県とみかん県の県境、峠のちょうど一番てっぺん辺り、緩やかなカーブ道の先に自販機とイスがあったので車を停めて一休みする事にした。

いい加減、鬱陶しい森ばっかりの風景に辟易していた頃だ。

まだ午後4時だったが、天頂まで木に覆われだいぶ暗い。

辺りを見回しながら
「ホント木しかないなぁ」
とため息ついてると、どうも背後に視線を感じる。

気のせい気のせいと思ってると、頭上でカラスが一声鳴いた。

体が「ビクッ」となった瞬間、背後に感じる視線が刺すような痛みに変わった

背中の毛がチリチリ焼けるような感覚だ。
(背毛は生えてませんが)

こんな感覚は以前、首なし地蔵蹴り飛ばした時以来だ。

首を90度だけ回し視線を後ろに送ると、道路の向こう側に犬が座っているのが見えた。

真っ黒い犬だ。
真っ赤な目をしている
いや、目じゃない。

「目玉がない」

 

真っ黒な顔面の眼窩はぽっかり空いていて、眼球の代わりに赤い絵の具を浸したような赤さだ。

その眼球の無い目で、私の方をじ~っと見ている。

背中どころか、私の全身神経が警鐘を鳴らしている。

目は真っ赤なくせに、口ん中や舌まで真っ黒なのだ。

犬だけど犬じゃない。

ヤバイいぞ、これは非常にヤバい。

私は見えてない、気づいてない素振りをしつつ車の方へ戻る。

頭上では、カラスどもがギャアギャアうるさく喚いている。

エンジンをかけ一目散に逃げる。ミラーをたたんだまま3km走る。

もしサイドミラーに映ってたらと思うと、気が気でなかったからだ。

 

そんな体験談を自称『視えるけど祓えない』友人に話したところ、臆病者と小馬鹿にされるかなと思ったんですが、以外に興味津々。

実に乗り気になってしまった。

私が
「いや、暫くあっちの方は用事ないし」
と言うと、

短い沈黙の後、
『…うどん』

「は?」

『うどん食いたい』

「はぁ?」

『うどん食いてぇーー!!』

「は!?」

『うどん食いにいくぞ、ハイ決定。』

「ハァ!?」

『来週ね、車は却下。バイクで行きます。』

「…はぁ。」

有無を言わさぬ強引さで決定された。

まぁレポート作成の一環と諦めるしかなかった。ヤレヤレ。

 

 

生協前で集合、明るくなってから出発。フツーのツーリングである。

私の愛車は、エリミネーター400。友人はRZの改造品。

排気量が多くても小回りが利かないので、どんどん離されていく。

例の場所を教えようにも、時速90kmで遠い彼方へかっ飛んでいく友人に教えるすべも無く、行きしはフツーに素通りしていった。

しばらくして、さびれた山村に差し掛かった頃、友人がテールランプで停車を指示する。

農道のガタガタ道を抜けた先にうどん屋があった。

こんな所にもあるもんだなぁと感心したが、友人曰く
『街で大量生産してるようなうどんはクズ、うんこだよ。こういう民家でやってるようなんが一番ウマいんよ、水もウマいしね』

入ると、なるほど普通の民家だ。

私「じゃあキツネうどんお願いします」

友『山菜天ぷらソバ大盛りで』

「お前、【うどん食いてぇー】って言うてたやん。ソバて…」

『まぁウソだからね。』

さいですか…

 

うむ、さすがうどんの国。確かにうまい。

ところで、今日ずっと気になってた事があったので、うどん啜りながら友人に聞いてみた。

何で車じゃなくてバイクで来たのか――って。

すると、ニッコリ笑って
『ホラ、お前がもし取り憑かれても置いて逃げれるしょ』

(;゜;ж;゜; )ブッ

うどん食った後、テキトーに走って、さぁ帰るかーとなった。

まだ秋口、4時になってもだいぶ明るい。

ただ、山ん中入ると樹木に遮られずっと暗くなる。

頂上付近になると、光が全然入らなくなる。

そして、件の休憩所に着く。

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