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水泳大会で競り合った居もしない相手

 2015.09.28     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 249

夏になると思い出す、14年ぐらい前の話です。

うちの町は小学校が4つあって、体育祭やら水泳大会やら鼓笛パレードやらを4校合同でやることが多かった。

その内の町内水泳大会での話。

私は最後の競技、4校対抗50m×4リレーのアンカーだった。

他の学校のアンカーの子に対抗心を燃やしてたり、今年も優勝すれば9年連続優勝だ!とか、もろもろの理由によりガキんちょなりに燃えていた。

 

水泳大会で使用した25mプールは町の中心の小学校(S校)のプールで、全部で6コースあった。

その内、リレーで使ったのは1コースと6コースを除いた2、3、4、5コースだった。

うちの小学校は確か5コースだったと思う。

ひょっとしたら、2コースだったかもしれない。

だが、スタート地点から見て自分の右側が空きコースだったのは確実だ。

リレーが始まり、レースは3番手までうちの小学校とS校がトップ争いをしていた。

そして、そのまま僅差でアンカーへと繋がれた。

水の中へ飛び込み、私は夢中で泳いだ。

S校のアンカーには負けたくなかったし、何より優勝が見えている。だから必死で泳いだ。

25メートル地点でターンする。残り25メートル。

 

そこで私は気がついた。

私の左前方(身体1つ先ぐらい)に泳ぐ人影が見えた事に。

いつの間にか、S校のアンカーにあんなに引き離されてしまった。

私は咄嗟にそう思った。

あれだけ僅差の勝負をしていたのに、私でこんなに引き離されてしまったらシャレにならないし、メンバーにも申し訳がたたないと私はさっきよりも必死で泳いだ。

しかし、差はいっこうに縮まらない。

左前方に見えるバタ足の泡っていうのかな。

それを見ながらアレを追い抜かなきゃと必死で追った。

ラスト5メートルのラインが見えたところで、もうダメだと思った。

どう考えても追い抜けない。私は負けたんだ。

そう思い、壁にタッチしてゴールした私は水から顔を上げ、メンバーに謝った。

「みんな、ごめん…」

 

しかし。

私の目に写ったのは、よくやったと破顔している担任と、抱き合い喜ぶメンバーたち。

訳が分からず、
「何位だったの?」
と聞くと

すぐさま
「優勝したんだよ!」
と返された。

そんなはずはない。だって、私の前を泳いでた人がいたんだから。

そう言おうと左のコースを指差して、私は固まった。

 

指の先のそこは空きコース。

 

そして思い出した。

S校は隣ではなく2コース向こうだった事を。

後に、レースの詳細を先生が教えてくれた。

「25メートルまではS校と互角だった。だけど、ターンしてから急にスピードが上がって、どんどんS校と差が開いていったんだ」
と。

 

母親にこの話をしたら、
「きっとお兄ちゃん(私の兄は死産)かご先祖様が優勝させてくれたんだろう」
と言われた。

でも、私は違うと思ってる。

だって、レース途中でそのコースには泳いでる人はいないって気付いたら、絶対パニクってリレーどころじゃなかったと思うしね。

自分の頭が単純でよかったよ。

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