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滝壺の上の道で消えていった生徒

この記事の所要時間: 141

修学旅行の怖い話。

小学校2年生の修学旅行で、山に登ることになった。

4クラスで一クラス30人くらいだから120人…それに、引率の先生含めると125人ほど。(保健の先生含む)

教師になったばかりの新人の先生、Yさんは一番最後の生徒に付いて、最後尾を歩いていた。

ちょうど半ばほどで
「どろどろどろ…」
と滝の音が聞こえる。

 

滝の上の道を歩いているようだった。

滝の音は凄まじく、周りの音を掻き消すほどだ。

高所が苦手なYさんは、なるべく下を見ないように歩いた。

しかし夏の暑さに、滝から吹き上げる風は心地いい。

ふと、Yさんは気付いた。目の前に歩いている生徒が、前の集団から離れてしまっている。

まぁ、道は一本で迷うことも無いし、その生徒をせかすのも酷だろうと思い、ゆったり歩いていった。

しばらく行くと、上の道が切れて、晴れの空が覗いている。

 

「〇〇ちゃん、ほら、あと少しだぞ。もう少しでてっぺんだ」

山頂に着くと、おかしなことに誰もいない。Yさんは、みんなに置いていかれたのかと思った。

「〇〇ちゃん、みんないないね。はぐれちゃったのかな」

「まだ下にいると思うよ、先生」

Yさんは、〇〇ちゃんの行っていることがよく分からなかった。

「下って?〇〇ちゃん、みんながいる場所知ってるの?」

「うん。滝の下。」

ゆっくりと、〇〇ちゃんがYさんの方へ向く。

「邪魔なんだもん」

Yさんが見た最後の光景は、〇〇ちゃんの無邪気な笑顔だった。

 

翌日、山の中腹で泣いている女の子が発見された。

泥だらけで、泣いていたのだという。

「Y先生が、Y先生が、みんなを滝に突き落としたの」

何を聞いても、それを繰り返すのみだった。

後日、滝壷から123人の遺体が見つかった。

〇〇ちゃんは、今年中学へ入学する。

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