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音はするのに姿は見えない透明な電車に乗車する人々

 2015.10.16     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 245

これは、とある事がキッカケで霊感を得たオレと母の話。

当時の家は社宅の二階だった。

オレと姉、そして母の三人家族。父親は別居していた。

中学卒業を間近にひかえた初春のある日の夜。

受験の圧力からは解放されていたオレは、コタツに入ってダラけながらテレビを視聴。母も一緒。姉は風呂(←いつも風呂入ってる)

時間はハッキリ覚えてないが、終電の時間は過ぎていた。そう終電。

家のベランダから電車の通る高架線までは、目と鼻の先。なので、電車が走っている時間帯は騒音によりテレビや電話は妨害される。

電車の通らなくなるこの時間帯は小さな幸せ。

母と共に、バラエティー番組に夢中になっていた。

 

そんな時、番組の司会者のユーモアたっぷりの司会が途切れた。

電車の音。

母と一瞬顔を合わせる…が、すぐにテレビに向き直る。
(チッ…なんだよ…まだ何か走ってんのかよ…)

終電が終わったはずなのに、何かが走る…そんなことはまぁ珍しくはなかった。

点検やら修理やらで(あと貨物とか?よく知らない)そういう車両がたまに走ることは知っていた。

そして、またコタツで談笑…するはずが、そうならない。

電車の音が終わらない…。
(どんだけ長いのが走ってんだ!?)

非日常的な出来事にさすがに不信に思った。と、同時に母が立ち上がった。

そして、一点を見つめてる。ベランダへ繋がる戸にかかるカーテン。

電車の音の中、オレは嫌な予感がした…

 

カーテンに近づく母
『ちょっ…!待って!!』

オレは母を止め、隣の部屋に木刀を取りに走った。そして、母のもとへ戻った。

母は、今まさにカーテンを開ける瞬間。いつでも母をかばえる形で構えたつもりのオレ。

母は無言でカーテンを開けた。

高架線まで約50メートルほどだろうか…明るい月明かりの下、確かな電車の走行音。…だけど走る電車の姿は見えない。

見えるのは…『人』のみ

一番しっくりくる表現は『透明な電車と、それに乗る人々』

間違いなく人が流れていた。高架線の壁により腰より上しか見えないけど、確かに人。

ただ突っ立ってるような人もいれば、まるで吊革に掴まるような格好の人もいる。

…流れていく人々はすべて、オレと母を見てた様に感じた。

ここでオレ、チビる。

 

オレはしばらく呆然としてた。母もおそらく。

その流れを何人分見送ったか分からないけど、オレと母は結構長い間それを見てた。

『ガチャ!!』

家の中からの不意の音に、オレと母は
『ヒィッ…!!』

ハモった。

姉が風呂の戸を開ける音で我に返った。

…いつ消えたのか、電車の音が聞こえなくなってた。

…人もいない。

母のキョドった顔を見て、オレが見てたモノは幻じゃないと半ば確信。

その後、しばらく母と何か会話したが、細かい内容は忘れた。

 

 

その日以来、終電後の電車の音は一度も聞かないまま、オレ達家族は社宅を引っ越した。

すべて謎だらけ。というより、下手に詮索したくなかったのが本音。

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