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夜釣りがトラウマになるほど世間話をしてくれたツッカケ婆さん

この記事の所要時間: 228

ありがちな怪談話なんだけど、父の友人の話してくれた経験が洒落にならない怖さだった。

その父の友人(仮にAさん)は、夜釣りが好きな人だった。

といっても、素人なんで某海岸線の道路脇のテトラポットが並べてある場所が、お決まりの釣りスポット。

そこは内海になるので、テトラポットの上に立っていても大波は来ないし、すぐ横の道路には電灯が点いていて足元も明るい人家も近くにあって、そこそこ安心感もある。

素人太公望のAさんには、うってつけの場所だったそうだ。

 

その場所で、Aさんがいつもの様に釣りをしていて、夜中の11時を過ぎた頃。

ふっと後ろの電灯に陰がさしたので、釣竿を持ちながら後ろを振り返ると、お婆さんが道路を歩いているところだった。
(電灯の前を通ったので陰ができた)

「何でこんな時間にお婆さんが?」
と不思議に思ったけど、そのまま通り過ぎたので、すぐに忘れて釣りに没頭。

すると、直ぐ後ろに人の気配がして思わず振り返ると、そのお婆さんが真後ろに立っていた!

「幽霊?!」
って一瞬ギョっとしたものの、間近で見ても生きている人間としか見えなかった。

それに、お婆さんも
「釣れますかいの?」
なんて呑気に聞いてくる。

安心して
「いや~なかなかですわww」
みたいな受け答えをしてから
「ほな、お気をつけて」
と、そのお婆さんが道路に戻っていったのを確認してから、また釣りを始めた。

 

すると暫らくして、今度はすぐ斜め前方のテトラポットの上に、そのお婆さんが立っているのを目撃。

「そんなところにいたら、危ないですよ」
と言いかけて、ふと思った。

自分が立っているこの場所まですら、男でしかも滑り止めのついたゴム長を履いて苦労して来たのに、そのお婆さんはスラックスとツッカケみたいな軽装でどうやってあそこまで簡単に行けたんだ?

そんな疑問がわいたし、そのお婆さんを斜め後ろからじっくり見ると、薄明かりの中でも何となく不自然な陰影があるのに気がついたそうだ。

後頭部のラインが変というか、ごっそり削げ落ちていて、凹んでいるように見える。

確かめようと目を凝らしていると、そのお婆さんがふと振り向いてAさんの方を見たので、顔が潰れていて目も鼻も口も無くなっているのがはっきり見えてしまった。

もうAさんは悲鳴を上げて釣り道具も何もかも放り出して、這うようにこけたり転んだりしながら道路に出て、近くに止めてあった自分の車に飛び乗って家まで帰ってきた。

手足が傷だらけで震えが止まらなかったとか。

 

それからは、怖くて夜釣りを止めた…と言っていたが、このAさん普段は嘘どころか冗談もあんまり言わない人だったので、多分実話だと思うけど。

一旦、安心させておいてフェイントで脅かす幽霊って嫌だ…_| ̄|○

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