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夜の海で波乗りしている白い奴が今年も出たかぁ

 2015.10.20     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 252

去年の今頃、先輩と二人で日本海にサーフィンに行った。

一応、フル装備で行ったが、水温が予想外に冷たく、『寒い』と言うより『痛い』だった。

俺と先輩はサーフィンを断念し、カニでも喰いに行こう!と、近くのカニ鍋を出してくれる民宿に泊まる事にした。

風呂で暖まった後、夜の海が見える部屋で酒を飲みながら喰うカニ鍋は最高だった。

二人ともほろ酔いになりかけの頃、先輩が
『おいおい!こんな時間に波乗りしてる奴おるぞ!』
と。

俺は
『んな阿保な!』
と言いながら海を見た。

すると、確かに、海にポツンと白いウェットスーツを着た奴がいる。

しかし、時間はすでに夜の10時を回っている。

 

『あいつ、何してんすかね?』
と俺は言った。

先輩はその『白い奴』をジーっと見つめたまま黙っていた。

俺は
『あいつ寒くないんすかね?っつーか、暗くて波見えんっしょ?』
と言った。

その時、先輩が、その『白い奴』を見ながら
『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアア!』
と気持ち悪い声を出しはじめた。

俺は何のギャグだ?と思い、先輩を見た。

先輩は一点(白い奴)を見つめながら、
『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアア』
と不気味な声を出し続けた。

 

俺は先輩に
『いやいや、何の真似っすか?』
と聞いても返事どころか、その奇声をずっと出し続ける。

俺は訳がわからず、とりあえず先輩の両肩を揺すり、
『ちょっ!先輩!』
と言うと、

先輩は
『ギヒィィィィィィ!』
みないな甲高い声を出し、泡を吹きながらその場に仰向けに倒れた。

俺は急性アルコール中毒かと思い、慌てて誰かを呼ぼうとした、その時、
『キイィー-ーン』
と、凄い高い音と共に頭痛がした。頭の中で鉄琴を叩かれたような。

俺は頭を抱え込み、うずくまった。

その音が段々と高くなってくる。

そして頭の中にその高音と共に、凄く低い男の声で
『おーーーい…おーーーい…』
と聞こえてくる。

 

俺は頭を抱えながら何気に窓の外を見た。

すると、さっきの白い奴が海の上(海面)に立ちながら気持ち悪い動きをしながら、こちらに歩いている。

まるで全身の骨が折れたような、操り人形のような、人間とは思えない動きで少しずつこちらに歩いていた。

俺は本能的に
『ヤバイ!』
と思い、とっさに卓上の食器やコップを壁に蹴りつけた。

『ガシャーン!!』

食器などが割れる音に気付いた民宿の従業員が駆け付けてくれ、それと同時に頭痛が消えた。

先輩は気を失っていた。

 

民宿の従業員はすぐに救急車を手配し、駆け付けた救急隊員に
『食中毒の恐れがある』
と言われ、先輩と一緒に、俺も救急車に担架で搬送された。

救急車の中で隊員に
『何か生の物を食べたか?』
とか色々聞かれ、ありのままの事を答え、海に変な白い奴がいた事も報告した。

すると、三人いた救急隊員は何か気まずそうな雰囲気を出し、しばらく沈黙が続いた。

そして一人が
『…今年も出たかぁ…』
と小さな声で呟いた。

俺は何だか恐くなって、それ以上は聞けなかった。

 

p.s 今では先輩も元気です。

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