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壊れた自転車を捨てた本当の理由

この記事の所要時間: 230

友人(Aとします)の話です。

Aには愛用の自転車がありました。

それを飛ばして学校へと来ていましたが、ある日派手に転倒してぶっ壊れたそうです。

それからと言うもの、しばらくAは早起きして、歩きで登校していました。

(この間、相当愚痴ってました。)

 

それからまた、幾日か経ったある日のことです。

自転車で登校してきたAと、校門で鉢合わせになりました。

Aは新しい自転車に乗っていました。

私は、
「ついにあの自転車捨てたのかw」
と言い、茶化しました。

しかし、Aはちょっと嫌そうな顔で、
「捨てたのは捨てたけど、お前が思ってるような理由じゃない」
と言いました。

気になった私は、詳しく話を聞きました。

 

Aは、自転車が壊れてしまってから数日後に、自分のそれが修理されている事に気付いたそうです。

(なんと彼は、壊れた自転車を家まで持って帰っていた)

それはかなり荒っぽい修理で、
「機械には弱いけど、頑張って直したよ」
というような仕上がりだったらしく、辺りには部品のような物も落ちていました。

無論、Aの知る人物でそれをした者はいません。

では、一体誰が…?

 

A曰くその時、
「もう、かなり嫌な感じがした」
そうです。

それは、夜、自分の自転車置き場から妙な音が聞こえてきた事で、確信へと変わりました。

Aは彼の父親に説明し、2人で恐る恐る見に行ったそうです。

 

そこに居たのは、手が血だらけになった中年の女性でした。

女性は、こちらに気付く様子も無く、Aの自転車を一生懸命直しています。

手の怪我は、慣れない工具を扱ったためだろう、とAは推測していました。

とにかく訳が分からず、
「はあ…?」
と思った2人が近付こうとすると、女性はそれに気付いたようで、

 

「えええええええエーーーーーーっ!?」

 

物凄い驚いたような声を上げ、工具をほっぽり出して、小走りで走っていったそうです。

残されたのは、血が所々に付着した自分の自転車…

不気味すぎて追いかける気にもならなかったそうです。

 

 

その後、Aの父親が調べた所によると、Aの自宅から少し離れた所に、小さな自転車修理屋を経営している夫婦が居たそうです。

夫が亡くなってからは店を閉めたそうですが、その後の妻の行方がわからない。

実家に帰ったのだろうか、いずれにせよ、その2人はとても仲が良かったそうです。

もしかしたら、その彼女ではないか…という事でした。

 

新しい自転車に買い換えてからは、何も起きなくなったそうで、私は安心しました。

「だから捨てたんだよ。俺の気持ちも分かるだろ?」
とAは言いました。

私は、迷い無く頷きました。

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