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鳴らない電車

鳴らない電車
この記事の所要時間: 324

大学2年の4月頃の夜遅く、僕と彼女のRは駅の改札を通り、階段を下りていました。

改札の真上の電光掲示板では、電車が来るまでまだ時間があるようでした。

24時を回っていたので誰もいないだろうと思い、2人でまったりしながら電車を待つつもりでした。

階段はホームの端にあったので、ホーム全体を見渡すことができます。

ホームは人でいっぱいで、朝の通勤ラッシュのようでした。

電車が遅れたのでしょうか。

この時間にもかかわらず、ガヤガヤと賑やかでした。

2人きりで過ごす僕の計画は潰えました。

 

僕たちはホームに下りることもできずに、階段で電車の到着を待っていました。

どっと疲れが出てきました。

その日が一日中忙しかったのもありますが、多分、このホームの難民キャンプのような状態を見てしまったからだと思います。

Rはかなり眠そうでした。

そんな時、ホームが一層騒がしくなりました。

いつの間にか電車が来ていました。

僕はやっと乗れると喜びましたが、すぐに絶望しました。

この電車には僕たちだけでなく、このホームの人たちも乗ることを思い出しました。

電車のドアが開きました。

人がみるみる電車に吸収されていきます。

 

次のにしようかとも思いましたが、これが終電かもしれなかったので、いやいやながら、階段横で一番前に位置する車両の先頭のドアから乗り込みました。

乗る人の数が多過ぎて、僕は電車の正面(運転席側)の窓に流され、Rは見えなくなってしまいました。

僕は潰れる寸前でした。

そして、何でこんなに人いるんだよ!とイライラしながら、僕は窓からそこにいる運転手も見ている景色を見やりました。

何かがおかしいと思ったのはその時でした。

窓の向こうは真っ暗でしたが、電車のライトのお陰で長く伸びる線路や、その横を通る人気のない道路、そして前方に踏切が見えました。

この時間なので近くを車が通ることもなく、また踏切も静まりかえって、ただ静かな満員電車にゴウンゴウンという電車の機械音が響いていました。

僕は訳も分からず焦っていました。

この状況に何か違和感がある、何かが変だ、と。

 

窓の景色を僕はもう一度見回しました。

…そして、気づきました。

僕は人をかきわけ、ホームと反対側のドアまで流されていたRを見つけ出し、大急ぎでドアに向かいました。

R「え?どうしたの?なんで降りるの!?」
と聞こえましたが、答える余裕はありませんでした。

ピィィィィッという発車を告げる笛が鳴ったからです。

僕はRの手を引き、人を押し退けるようにして進みました。

ドアが閉まり始めました。

僕は思い切り腕を伸ばし、なんとか2つのドアの僅かな隙間に滑り込ませました。

それを感知したのか、ドアは再び開きました。

僕たちは転がるようにして電車を出ました。

 

R「なんでいきなり降りたの?」

僕「踏切が鳴ってなかった」

R「え?」

僕「電車がもうすぐ出るってのに遮断機が下りてなかったんだよ。それに…こっち側なら電車は一番後ろが階段に来なきゃいけないだろ?」

僕たちの乗った側のホームは本来なら、階段のすぐ近くには最後尾の車両が来るはずなのです。

しかし、僕たちのいた車両の窓からは、運転席でハンドルを持つ運転手がはっきりと見えました。

電車は本来来るべき方向とは逆の方向から来ていたのです。

 

背後で再びドアが閉まりました。

電車はゆっくりと動き出し、無反応の踏切を通り、速度を上げ、やがて走り去っていきました。

僕と状況を理解したRは、闇に浮かぶ電車のライトを、それが遠くに消えるまで呆然として眺めていました。

一応すぐに改札の駅員に聞いてみましたが、電車が最後にこの駅に来たのは20分以上前だったそうです。

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