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不規則なノイズのような動きをする唇

 2015.11.05     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
不規則なノイズのような動きをする唇
この記事の所要時間: 26

俺のばあちゃんの家はかなりの田舎にある。

というか、島。家から港まで車で6時間、そこから船で2時間かけないと行けない。

それでも、小学生のときとかは楽しみだった。

今ではただ遠いとしか感じなくなってしまったけど、夏と冬、1年に2回は行く。

 

向こうには、2つ年上のイトコの姉ちゃんがいて、よく2人で遊んでいた。

姉ちゃんは泥汚れとか全然気にせずに、森の中で遊んだり川に入ったりと、俺の面倒を見てくれていた。

大体、向こうには一週間ぐらい居た。

 

 

なぜかは忘れたけど、その日は一人で遊んでいた。

今でも、何でその日だけ一人だったのかは覚えていない。

まあいろいろ一人で何かして遊んでいたと思う。

やがて夕方になり、日も落ちかけてくると周りはとても暗くなる。

そろそろ遊ぶのをやめて帰ろうと思ったら、小橋の近くにある電灯の下に姉ちゃんが居た。

後ろを向いて立っていて、電灯にもたれ掛かる様な感じで。

 

『姉ちゃん迎えに来てくれたんだ~』
と思って近づくと、そいつが振り向いた。

そいつのあまりの不気味さに足が一瞬で止まった。

なんつーか…目、鼻、口は福笑いみたいな、とってつけたような薄いパーツで、皮膚が見たことも無いぐらいツルツルだった。

姉ちゃんと似ていたのは髪形だけで、あとは化け物以外の何でもなかった。

 

一番キモかったのは、唇。

ぎゅっと固く結ばれた唇が、ノイズみたいに不規則に折れ曲がりながら動いていた。

「MWMW」←分かりにくいけどこんな感じ。

そこからは考えよりも体が先に動いて、猛ダッシュ。

死に物狂いで、ばあちゃんの家まで走った。

 

家に着くと姉ちゃんが呑気にスイカ食ってた。

今さっきの事を話したら、

「そんなん知らんww」

「今日は隣の家の引っ越し手伝ってた」

「お前だけサボりやがってww」

みたいな事と言われてヘッドロックかけられた。

 

まあ、そんなことはそれ一回だけだったけど、今でも姉ちゃんと会ったら聞いたりする。

「あの日、本当にあの電柱の下には居なかった?」
って。

そのたびに
「知らんww」
って言われるけどね。

 

だって、忘れようにも忘れられないんだよ…あのノイズの唇が特に。

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