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天井裏の祠に祀って封印されし怨霊がいる我が家の秘密

 2015.11.06     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
天井裏の封印
この記事の所要時間: 1043

これは、俺が10年以上前に体験した話。

当時、俺は田舎にある実家に住んでいた。

実家は古くから立つ日本家屋ではあったが、あたり一面に田んぼがあるほどのド田舎という以外は、ごく普通のどこにでもあるような家だ。

大学も卒業したというのに仕事も見つけず、だらだらと過ごす毎日。

親には毎日のように非難を浴びせられていたがじきに呆れられ、殆ど放置された状態になった。

今思うと、人生で一番最低な時期だったと思う。

 

 

ある日、蝉の声を聞きながらいつもの様に縁側でぼーっとしているときだった。

「マサ。」

名前を呼ばれて振り向くと、縁側を隔てたすぐ横の部屋にじいちゃんが立っていた。

よれよれのランニングシャツにらくだ色の腹巻と股引き。

漫画から飛び出したようなまさに「じいちゃん」的な格好をいつもしている。

このじいちゃんは、昔から俺に様々な体験をさせやがった人で、正直只者ではない事はガキの頃から知っていた。

じいちゃんは俺の向かい側に腰掛けた。

 

じ「お前、就職せんのんか?」

俺「するよ、近いうちに。」

じ「はっ、嘘をつけ。一生親のすねかじりになるつもりじゃろうが?」

俺「ばれた?」

じ「おいマサ、この田舎には本当に必要とされとるやつかバカのどっちかしか住んどらん。お前はどっちでもないから遠方へ出て働け。」

俺「なんじゃそらw」

じ「お前の為に言っとるんじゃ。」

その時のじいちゃんの目が異様に怖かった。

話してる声はいつもの優しいじいちゃんなのに、今まで見たことないくらい鋭い目が俺の間抜け面を捕らえた。

その時は、まだじいちゃんの言いたいことがわからなかった。

 

 

その日の夜、夕飯を食べ終わって俺は居間でソファーに腰掛け、アイスクリームを頬ばりながら巨人戦をみていた。

「マサ。」

またじいちゃんが話しかけてきた。相変わらず、昼間と同じ格好をしている。

「何、どうしたの?」

本当は巨人戦に集中したかったが、以前この人に反抗して痛い目を見たので穏やかに返事をした。

「お前に話さんにゃいけん事があるんじゃ。」

そういうとじいちゃんは、よっこらしょと言って俺の横に座り、語りだした。

 

じ「お前にこの家の秘密。教えちゃる。」

俺「家の秘密?」

じ「この家の天井から、お前たまに変な物音がするって言っとったやろ?」

俺「…ん、ああ、まぁ…」

 

俺はこの家に生まれてから、何十回と天井から物音を聞いていた。

ありきたりなんだが、誰かが全力ダッシュして天井のありとあらゆるところを走り回ったり、風鳴りのような低いうめき声を聞いたり…。
(かなりの大音なんでガキの頃はビビッてた)

「オン△※@:ギョウ~…」
とか変なお経みたいな声が聞こえたりしていて、それは当時もまだ続いていた。

でも、遭遇するのはいつも俺一人の時で、両親にこの事を話しても相手にしてくれなかった。

じいちゃんは例外だったが。

 

俺「それがどうかしたん?」

内心ドキドキしながらじいちゃんに尋ねた。

じ「あれなぁ、天井裏に祀っとるんよ。」

俺「…何を?」

じいちゃんは
「あ」
と何かを言いかけて止めた。

じ「あ゛~名前いったらいけんけぇ…」

俺「いや、何それ?ちょっと、俺それだめじゃわ、確実にヤバイじゃん。」

その時、小動物が持つのと同じ鋭い『危険察知スイッチ』がビンビンに反応した。

 

じ「まぁ、こっち来いや。」

じいちゃんの手にはいつの間に持ったのか、懐中電灯が二本握られていた。

じいちゃんは満面の笑みを浮かべている。

すでに俺は冷や汗をかいていた。目的地に運ぶ足は重い。

20年以上住み慣れた家だというのに、半端じゃない心霊スポットに連れて行かれている感覚だった。

心の準備をさせてくれと巨人戦(例の如く30分延長)を見終わってから行動し始めたので、確か時計の針は9時半を回っていたと思う。

両親は、朝早く仕事があるからとすでに寝室で寝息を立てている。

いい気なものだ、息子はこれから死にに行く覚悟でいるというのに。

 

俺達二人は元居た場所から縁側を通り、まっすぐ伸びる廊下を歩いていた。

「ここじゃ。」

じいちゃんは俺の前でピタリと止まり、右側にあった襖を開けた。

ここは俺が小学低学年の頃まで使っていた『遊び部屋』ファミコンしたり戦隊ものの人形を持ち込んだりして遊んでいた非常に懐かしい場所だった。

今は物置と化している。

 

すると、俺はあることに気付いた。

「じいちゃん、……あれ…」

俺が指差す方向には、漆塗りでもされたような真っ黒い二枚の木戸があった。

俺の記憶では当時そんなものはなくて、ただの白い押入れの襖のはずだった。

あまりの異様さに心臓が動きを早める。

「お前がここを使わんようになってすぐ、やり変えた。」

じいちゃんは当たり前の様に言って、震え上がる俺を尻目に木戸に手をかけた。

 

ゴゴ、ズーっ。

という音と共に木戸が開いた、中は真っ暗で何も見えない。俺は急に気分が悪くなってきた。

その事をじいちゃんに訴えたが一言
「そのうち慣れる。」
と言われて無視された。

(じいちゃんは絶対に鬼だと、以前にも増して憎しみを抱いた俺。)

おもむろにじいちゃんは懐中電灯を付け、押入れの天井を照らした。

「マサ、見てみ。」

じいちゃんは俺の腕を掴んで無理矢理中を覗かした。

そこにはまた、不自然に黒く塗られた正方形の扉があった。

 

俺達はその扉から天井裏へと侵入した。

最初はじいちゃんを押し上げて、次に俺がその空間に入った瞬間、先程とは比べ物にならないくらいの吐き気と悪寒に襲われた。

空気が重いなんてもんじゃない。

 

ヤバイ。

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