2ちゃんねるやネットの怖い話・恐怖体験談や都市伝説などをまとめた背筋凍りつく系の恐怖読み物サイト。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

死の臭いを追い求めし者つんつるてん

つんつるてんの怪談
この記事の所要時間: 1348

犬の散歩は、大変だと思う。

早朝や夜遅くに散歩している人をよく見かける。

そのたびに、ついそんなことを考える。

日中は仕事や学校だから、そういう時間帯になってしまうのだとは思うが・・・。

おれも小さいころ、実家で犬を飼っていたが、追いかけられた記憶しかない。

本人はじゃれていたつもりだったのだろうが、おれにはそれが恐怖だった。

 

 

そして中学に上がり、犬にも慣れ始めたころ、飼っていた犬は病死してしまった。

おれの通っている大学は、下宿先から自転車で15分くらいのところにある。いつも近道である川沿いの道を通る。

その日も、実習が長引いて遅くなってしまった。

いつものように川沿いを自転車でこぐ。川沿いの道は、車両が一台やっと通れるくらいの広さ。

両岸とも自転車を除いて一方通行となっている。川といっても上水路といった感じで、幅はせいぜい10Mくらいしかない。

おれは冬の寒さにこごえながら、家路を急いだ。

 

橋にさしかかったとき、人影がみえた。こちらに背を向けてじっと立っている。

犬の散歩中らしく、手づなを引いて、犬が用を足し終えるのを待っている。

「こんな寒い中、大変だな」
と思った。

ふと見ると、その人ズボンの丈が合っていない。スネが丸見えで寒そうだ。

紺のダウンジャケットを着て、ファー付きのフードを頭まで被っている。

その人の横を通り過ぎたときだった。

 

「わん。」

 

犬の声とも、人の声ともとれないような声。むしろ音だったのかもしれない。

少し驚いて、おれは振り向いた。

穴だった。黒い穴が三つ。そいつの顔であろう場所にぽっかりあいている。

穴のような目と、穴のような口・・・。背筋に悪寒が走った。

猛スピードで自転車をこいだ。川沿いをひたすら走り、一つの橋を超え、二つ目の橋を超え・・・何か嫌な予感がした。

振り返ると、追いかけてきている。距離は遠のいたが、そのまま夢中でペダルをこいだ。

アパートに着くころには、そいつはいなくなっていた。

 

次の日、大学の友人に昨晩の出来事を話した。

「そりゃあお前、つんつるてんだよ。」

「つんつるてん?」

妖怪のたぐいかと思ったが、どうも違うらしい。

友人が言うには、ズボンの丈が合わずにスネが丸見えのことを、つんつるてんというらしい。単なる見間違いだ、と軽くあしらわれた。

 

その次の夜だった。そいつはまた現れた。

実習で遅くなり、川沿いを帰っていたとき・・・そいつは同じ場所、同じ格好で立っていた。ズボンの丈が合っていない・・・

「わん」

そいつから逃げるために、思い切りペダルをこいだ。幸いヤツはぼくの自転車についてこれない。

「わん。わん。わん。」

犬のような、人のような。低い男の声。逃げ切るまで止むことはなかった。

そんなことがあってからというもの、おれは川沿いの道を通らなくなった。

 

ある日、前に話した友人といっしょに帰ることになった。

彼も同じアパートで、帰る方向は同じである。

「近道を通ろう」
と言い出し、イヤイヤ川沿いの道を行く羽目になった。

「ここの道、あいつが出るから嫌なんだよ。」

「ああ、例のつんつるてんか。何かされたのか?」

「いや・・・追いかけられただけだけど」

友人が居たせいなのか、一人でないと現れないのか、あいつは姿を現すことはなかった。

 

 

数日後の夜のことだった。

あいつが現れた。飲み会の帰り、少し酔っていて川沿いの道を使ってしまったのだ。

いつもの場所、いつもの服装・・・顔はフードで見えない。ただいつもと違うのは、あいつが自転車に乗っていたこと。

犬を連れて、あいつは橋の向こうからこいできた。

「わん。」

夢中でこいだ。こいだ。でも今度は違う。あいつは自転車に乗っている。

振り向くと、目の前にあいつの顔があった。白い肌、作り物のような肌にぽっかりとあいた穴三つ。

こいでも、こいでも距離は遠のかない。

「わん。わん。わん。」

あいつの連れている犬は、スピードについていけずに引きずられている。

「わん。わん。わん。わん。わん。わん。わん。」

もう酔いなんてとっくに醒めてしまった。

「このまま家に着くと、あいつに居場所がバレる!」

そう思って、とっさに道を曲がり、公園の便所へ逃げ込んだ。

 

洋式便所にカギをかけ、閉じこもると、すぐにあいつがやってきた。ドアの向こうに立っている。

下の隙間から覗くと、丈の合っていないズボン・・・。

「つんつるてんだ。」

あいつは、しばらくその場で動かないでいた。

・・・ドンッ
ドアのたたく音。

・・・ドンッ・・・ドンッ・・・ドンッ
いや、叩くというよりかは、何かをドアにぶつけている。

・・・ドンッ・・・ドンッ・・・ドンッ

寒さと恐怖で限界だった。何時間そうしていただろうか。気づくとあいつはいなくなっていた。

便所を出ると、ドアの外側が凹んでいた。そして血と、犬の毛がこびりついている。

あいつがドアにぶつけていたのは、自分の連れていた犬だったのだろう。

でもドアにぶつけている間、犬の鳴き声は聞こえなかった。

あいつの
「わん。」
という声以外は・・・。

 

しばらく二週間くらい大学を休んだ。その間、友人の部屋で寝泊りした。

おれと友人は同じ医学部生だ。講義と実習で、毎日大学へ通っている。

ある日、友人が言った。
「なあ、そのつんつるてん、なんでお前を追っかけたんだ?」

「知るかよ、そんなこと」

「追いかけられたからには、理由があるだろ?理由が」

おれには見当もつかなかった。あいつが追いかける理由・・・なぜ追いかけられたのか?

「逆に考えてみてさ、そいつに追われたときお前何してたよ?たとえばどんな格好してたかとか。」

思い出しても心当たりがない。ただ・・・

「そういえば、黒いダウンジャケットを着てたな。」

あいつに襲われた日は、思い返すと毎回黒いダウンを着ていた。

「うーん、お前の黒いダウンに何かあるんじゃないか?」

そう考えると、理不尽な話である。黒いダウンを着ていただけで目を付けられ、追いかけられ、とじこもったドアに、連れていた犬を投げつけられる・・・。

しかし、思いつく原因はそれくらいしかなかった。捕まったら、一体どうなっていたのだろう。

それ以来、おれは白いダウンを着るようになった。友人に説得され、大学にも通いだした。

しばらく川沿いの道は止め、遠回りして大通りの街道沿いを行くことにした。

 

 

それから数日がたち、大学は冬季休業に入った。冬休みである。

でもおれは、これから4日間毎日、大学へ通わなければならなかった。

医学部の実習では、週に2回解剖の実習がある。しばらく大学を休んでいた時期があったから、休んだ分の実習を終わらせなければならなかったからだ。

解剖の実習は、決して面白いものではない。3,4時間解剖室にこもってひたすら検体・・・つまりご遺体のスケッチを描くのだ。

ずっと立ちっぱなしで作業をし、先生のダメ出しをくらい、やりなおす・・・その日の分を終わらせた頃には、日が暮れていた。

実習をしに大学へ通って3日目の夜だった。いつものように遠回りして帰る。

明日が実習最後だ。最終日に実習テストをやることになっている。解剖学的な名称を答えさせる問題だ。

おれは明日のテストにそなえ、途中で喫茶店へよって勉強することにした。

駅前の喫茶店に入り、窓際の席へ腰をおろす。イヤホンを取り出し、勉強に集中する・・・。

そうして、一時間たった頃だろうか。

・・・ドンッ

驚いて窓を見た。あいつだ。つんつるてん。あいつが外にいる。

窓越しに穴のあいた目でぼくをじっと見つめていた。

ドンッ・・・ズルズルズル

窓に向かって、あいつは犬を投げつけてきた。犬はミニチュアダックスフンドだろうか、とにかく小型犬だ。

あいつは投げつけた犬の手づなをたぐり寄せ、犬を手元に運んだ。

また・・・
ドンッ・・・ズルズルズルドンッ・・・ズルズルズルドンッ・・・ズルズルズル
また投げつける。手づなをたぐり寄せ、また投げつける。その繰り返し。

こいつは一体、何がしたいんだ!?なぜおれだけ狙ってくる?

ドンッ・・・ズルズルズルドンッ・・・ズルズルズルドンッ・・・ズルズルズル

窓は、だんだんと犬の返り血で赤くなっていった。

あいつは人間だろうか?なにがしたいんだ?

しばらくして、警備員が駆けつけてきた。あいつはもういなくなっていた・・・。

ページ:

1

2

この記事が気に入ったら
いいね!してね♪

怖いコピペの最新情報をお届け致します!
 閲覧回数:985 PV
 評価:12345 4.00 (1 件の評価)
Loading...Loading...
 カテゴリ:都市伝説・ネタ
 タグ: ,  , 
 PR:怖い動画 - 心臓が弱い方も安心の完全無料

関連記事

ピックアップ

他サイトの更新情報

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

検索

アーカイブ

2016年12月
« 11月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

怖いコピペSNS