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【紫の鏡】笑いかける鏡の中の自分と鏡の世界

紫鏡
この記事の所要時間: 647

みなさんは「紫鏡」という言葉をご存じでしょうか。

この言葉を知っている人は、二十歳の誕生日迄に忘れてしまわないと、鏡の世界に引き込まれ死んでしまうと言う話です。

この話の発端となるのは、私が小学3年生の時の担任の先生が住んでいた東京都八王子市にあると聞きました。

 

昔、八王子にはライ病患者の隔離施設が存在し、ライ病患者達が不治の病と供に生活していました。

ライ病とは皮膚病の一種で、肌がただれ、人によってはただれた肌が紫色に見えることから、

「鏡の中に映った自分が紫色に見えた。」らライ病が発生し、死に至るという事が紫鏡の発端だったと聞きます。

 

先生が子供の頃もこの話しは有名で、

「今A君が紫色に見えた。」

「B君だって紫色の服着てるじゃん。」

など、冗談混じりながらも怯えていたそうです。

休み時間ともなれば、小学校で鏡の前に立ち、自分が紫色では無いことを確認するのを面白がってやっていたそうです。

 

ある時、ふとA君が
「今、鏡の中の僕が笑ったよ。」
と言いました。

「A君はいっつも笑ってるじゃん。」

丁度チャイムが鳴ったので、みんな笑いながら教室に向かいましたが、A君だけは青ざめた顔をしていました。

先生は子供ながらに、何か嫌な予感がしたらしく、A君に大丈夫だよと促しました。

 

翌日になると、事態は一転しました。A君が学校に来ていません。

「先生!A君はお休みですか?」

クラスの誰かが聞きました。

すると、先生(子供時代の先生の先生)から

「悲しいお知らせですが、A君は昨夜心臓発作で亡くなりました。A君の為にもお通夜には参加しましょう。」

クラス中が動揺する中、先生はピンと来ました。

 

昼休みにいつものように友達と集まっている時に、言いました。

「昨日、A君さぁ。鏡の自分が笑ったって言ってたよね。何か関係あるのかな?」

周りのみんなは、そんなことある訳がないと怯えながらも強い言葉で否定しました。

自分だって信じたくはありません。

でも、もし・・・

 

お通夜でA君の家に家族で行きました。

みんな黒い服で、カラスの集団のようでした。

花と線香をあげると、先生は
「A君が見たい。おばちゃん、最後にお別れが言いたいからA君を見せてよ。」

しかし、おばさんは幼い息子を失ったショックでか、浮かない顔をしていました。

先生も子供ながらも、それを察知して無理強いはしなかったそうです。

 

お葬式も終わり、クラスの皆も落ち着きを取り戻した頃、先生はA君の家に線香をあげようと言いました。

学校が終わり、友達とA君の家に行った時の事です。

おばさんに、線香をあげに来たと言い、上がらせてもらいました。

そして、皆が線香をあげて帰ろうとした時に、おばさんが
「〇〇君、ちょっといい・・・?」

先生は残り、他の友達は帰宅しました。

A君と一番仲のよかった先生だけが、残るように言われたからです。

 

「実はAが死んだ朝、最初に見つけたのは私なのよ。」

おばさんは続けて言いました。

 

「時間になっても起きてこないから起こしに行ったの。

最初に見た時、Aの体が黄色になっていることに気付いたわ。

横向きになっていたんだけど、触れたら体が冷たいから急いで顔を見たら・・・

言葉では言い現せない程、怯えた表情だったの・・・」

 

先生は、最後まで聞きました。

目は白目をむいていて、舌が飛び出し、腕が間接とは逆に曲がっていたそうです。

お通夜で、見せられなかった理由もそれだったと、おばさんは伝えてくれました。

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