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子を身籠る度にリアルな悪夢を見て妊娠ノイローゼになり堕胎してしまう女性

妊娠ノイローゼに注意
この記事の所要時間: 513

この間、同じ職場のEさんという人が退職していったんです。
彼女は30代後半。色白で華奢でとても綺麗な人でした。

彼女は私と仕事をしている間に一回離婚して、そしてその数ヶ月後に違う男性と再婚をしました。
(なので一回名字が変わった)

私はすごく親しくしていた訳じゃないんですが、彼女が退職する時、昼休みにちょっと呼び止めて。

「そういえば、どうして突然退職することにしたの?再婚した旦那さんが転勤とか?」

「ううん、旦那は転勤はないの。自営業だから・・・」

「あ、もしかして赤ちゃん?おめでた!?」

そうだったら、すぐにお祝いを言おうと明るく言ったのですが。

 

すると、彼女の顔が途端に曇りました。

彼女は前の旦那さんと結婚していた5年間、赤ちゃんが出来なかったようで、もしかして離婚の原因も不妊が原因?と余計な勘ぐりをしていたので

『あ・・・言ったらまずかったのだろうか・・・』と自分の浅はかな発言に後悔したのですが・・・。

「ううん・・・違うの。でもさ・・・よかったら聞いてくれる?」

返事をする前にやんわりと手をひかれて、人の全くこない階段の下まで連れていかれてしまいました。

「今から言うこと誰にも黙ってて。親にも友達にも相談出来なかったの」

 

 

以下、彼女が私の返事や相づちも聞かず、俯いたまま独白した話です。

 

「前の旦那と結婚して・・・5年・・・。実は私2回妊娠したことがあったんだよ・・・。

でもね、2回とも産めなかったの。流産とかじゃなく、経済的な問題じゃなく“産めなかった“の。

妊娠している時に夢を見たの。もーすっごくリアルな夢。それは誰かの視点なの。

私は夢の中で暗い道を歩いているの。

そうすると前方に女性が歩いているのが見えて、私はそれにむかって突進していくの。

ドン!と音がしそうなすごい衝撃が起きて、気づくと女性が倒れているの。

自分の手が震えているのがわかって、見ると、血まみれの包丁が・・・。

それから、場面が変わって私は誰かの寝室に入っていくの。

ベッドの上には誰かが寝ていて、私は布団の上からその人のお腹を撫でるの。

女性はお腹が大きくて・・・妊娠しているんだというのがわかった。

どこかで・・・どこかで見たことがある。

寝ている人を見たことがある・・・と思ったら、それは私。私が寝ているの。

夢の中の私は私のお腹の中にぐっと手を入れて・・・」

 

「え・・・?」

そんなことを明るい昼間の、しかも会社の昼休みに突然言われて、呆気にとられたのですが、彼女はかわまず続けました。

「そのままぐーっと中に入っていったの。

中は暖かくて、暗くて、そしてすごく安心する気持ちがいい場所だった。

私はそのまま、夢の中で眠りに落ちたの。

誰かに守られているんだ、という気持ちで安らぎながら・・・」

もうびっくりして言葉もありません。

彼女は私を見もせずに続けました。

 

「そんな夢を最初の妊娠の時に何度も何度も見たのね。でも場面はいつもいつも違うの。

誰かを刺し殺す夢もあれば、開いている2階の窓から侵入して、寝ている女性の首をしめて殺したこともあったし、
小さな子を連れ回して、あげく川に突き落として殺したこともあった。

でも、必ず最後は寝ている自分の所へ帰るの。自分の中へ・・・お腹へ入っていくの。そこで終わるの。

だから・・・最初の子は・・・旦那に黙って・・・おろしたの」

 

「で、でも・・・初めての妊娠でブルーになってたり、ノイローゼ気味だったり・・・」

「そうかもしれない。実は妊娠中の人達が集まるフォーラムに顔を出したり、

ネットでそういう事例がないか検索したりもしたし、色々したんだけど、あんまりにも、あの夢の自分がリアルで・・・。

肉を切り裂く血の匂いとか・・・首をしめた時の手の感触とか・・・突き落とした子供の髪の毛とか・・・気持ち悪くて」

「もしかして、それ、2回目の妊娠の時も見たの?同じ夢」

「2回目は・・・もっともっとひどかった」

「まさか2回目も?」

彼女は黙ってうなずきました。

 

もーなんて言ってあげたらいいのかわかりませんでした、私独身で子供もいないし。

妊娠中ってそういうことあるんじゃないのかな?とか考えすぎだよ、とか。

そんな深刻になることないじゃない?とか。

大丈夫だよ~と、明るく笑ってみたり。

でも、彼女は暗い顔のまま俯いているだけです。

 

「だから・・・別れたの。私と前の旦那の子・・・でなければ・・・もしかして、と思って・・・」

「・・・そ、そんな・・・」

そこで昼休み終了のチャイム(うちはチャイムが鳴る会社なんです)が鳴ったので、彼女は“つとめて明るく“風に(ぎこちないけど)笑顔をつくって

「もう大丈夫だと思うんだけどね、相手が違えばきっと、と思うんだけどね。ねぇ?」

そうそう、大丈夫だよ、とか。

気にすることないよ、とか。

そんなような言葉しか口に出来なかったような気がします。

次に妊娠する時はもうそんなことないと思うよ。とかなんとか。

 

そして彼女は退職していきました。
それが1月の下旬の話。

そして、5月5日、GWの最終日前、彼女に偶然街でばったり逢ったんです。
久々に逢う彼女は、なんだかますます色が白く、華奢になった気がしました。

「久しぶり~!元気?もーうちなんてEさんがいないから忙しくてさぁ~!」
あの時の彼女の独白なぞすっかり忘れて、私は会社の近況を話そうとした時。

「Kさん・・・やっぱりダメかも・・・また見たよ。今度はもっともっとひどかった・・・。じゃあ、元気で。さようなら・・・」

汗ばむほど天気のいい日でしたが、冷水を頭から浴びせられたようにぞーっとしました。

画像出典元:baby-happiness.com

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