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車中で感じた異様な気配と耐えられない怖い感覚

 2015.12.06     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 216

現在もたまにやりますが、目的地を定めず車で一人、放浪旅に出るのは独特の楽しみがあります。

当時、格安で先輩から買った中古車を自分なりにイジり、夜間を中心にかなり遠くにまで出かけました。

これは、岐阜での出来事です。

 

車で下山途中、今までいた山頂付近が夕焼けを背景にとても綺麗だったので、車と山を被写体として撮影しました。

現像の仕上がりが楽しみで、うきうきしていたのを覚えています。

自分で撮影した写真を、毎年の年賀状に使用していたからです。

夜道はお手の物でした。

軽量な車で山道をとばす感覚は、弱冠の私にとってたまらない愉悦の筈でした。

 

しかしこの日、何故か無意識の内に予定を切り上げ、一気に山梨まで距離を詰めていました。

疲労が蓄積し、連休中だった事もあって、適当な所でいつもの車中泊をしようと、塩山市内をうろうろし、とある大型スーパーの駐車場に入り込みました。

照明が、これでもかと煌々と照る明るい駐車場です。

くどいようですが、私は平素、夜中の山奥でも平気で車中泊していたのです。

 

朝まで眠って、ゆっくりと東京に帰ろう。そんな心積もりで眠ろうとしましたが、夏場、尋常ではない寒気がしました。

一人で車にいるのがたまらなく怖い。こんな感覚は初めてでした。

何を見た、妙な物音を聞いた、その類ではありません。

気配だけが異様に濃厚だったのを憶えています。

 

急き立てられるようにエンジンをかけ、走り慣れた奥多摩を通って帰宅してしまおうと、峠に向かって走りました。

周りから住宅が減り、いよいよ本格的な山道の手前で、私は路肩の駐車スペースに車を入れました。情けないことに怖いのです。

青梅までたった数十キロの山道を、本気で怖がっていました。

塩山まで引き返し、駅前などを彷徨していた所を警察に職務質問され、理由を話すと、ご親切にもパトカーの空きスペースを提供してくれました。

夜勤のお巡りさんの話に三時間、ご相伴しましたが、やっと眠ることができました。

 

連休が終わり出勤して、現像した写真を先輩と二人、談笑しながら眺めていると、先輩が一枚の写真を私に示しました。

車の後ろから山をバックに撮ったあの写真でした。

車の天井部分に、首から上だけの女性と子供の顔がはっきりと映りこんでいました。

あの気配は、これだったのかとしみじみ納得しました。

その後、何事もありませんし、車も天寿を全うして只今二台目です。

努めて良い方向に考えるよう心がけています。

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