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袋小路で良くないものが集まる家

この記事の所要時間: 31

私の祖母は、一般的に霊とか言われるものに敏感だった。

そういうものは遺伝する、とよく聞くが、例に漏れず私たち兄妹もそれを受け継いでいる様だ。

私はあまり覚えていないが、母から前住んでいた家の話を聞いた。

 

私たち家族は、住んでいたマンションが建て直されるので、父の知人に借家を紹介してもらった。

築3年程で、白い壁に青い屋根の袋小路に位置するその家は、庭も広く当時私が通っていた幼稚園にも近かったので、すぐにみんなが気に入った。

その家に住み始めて、ひと月。

母が、深夜におかしな音を聞き始めた。

夫は仕事、子供たちは自分の隣で寝ている。

それなのに、深夜2時をすぎると何処からか、シャララ…シャララと乾いた音が聞こえる。

夜に調べるのは怖いから、昼間に探してはみたが、音の正体は見つからなかった。

 

深夜の物音に慣れて来たある日。

母は息子たちを小学校へ、娘を幼稚園へ送り出し、出掛けた。

買い物をし、近所の友人たちとの会話に花を咲かせていたら、気が付けば15時を過ぎている。

急いで帰宅すると、まだ、誰ひとりとして家にはいなかった。

子供たちが帰ってくる前に、掃除を済ませておこう。

そう思った母は、2階に向う。

 

だが、2階行くと掃除どころではなかった。

2階の障子全てが破かれている!

(補足だが、うちの障子は3×6くらいの小さい長方形がたくさん並んでいるタイプだ。その1マス1マス全てに5つの小さな穴が空いていた)

驚いた母は、盗難にあったものはないかを探した。

だが家は、荒らされるどころか、何かが侵入した様子もない。

手の指の形あけられた穴に手をあててみると、自分の指よりも随分と細い。

これは、子供たちの悪戯だろうと思い、母は子供たちの帰宅を待った。

 

「ただいまー」

息子たちが帰ってきた。

母は、ふたりを2階に連れていって問いただす。

けれど、ふたりは言う。

「俺達じゃない」

「だって、俺達じゃ1番上まで届かないし」

確かに、ふたりはまだ小学校高学年で、背伸びをしても1番上までは届かない。

 

「それにこの穴、俺の手より小さい」

下の方の息子が手をあてると、穴は次男の指よりも細い。

それは長男でも同じだった。

「それに母ちゃん、俺達が帰ってきたのは母ちゃんの後だろ?俺達じゃ家に入れない」

言われて、はじめて気付く。

子供たちには、鍵を持たせていなかった。

 

しばらくして、他にも色々と不可解なことが起こり、この家を引っ越すことになった。

相談してみたら、この土地自体が私たちの血が合わなくて、亡くなった人たちが助けを求めて集まるらしい。

袋小路だったことも原因して、よくないものがそこに集まってしまった様だ。

 

最後の大掃除の時に、自分たちは使っていなかった押し入れの天袋の掃除をした。

そこで、前の人の忘れ物を見つける。

どうやら、おもちゃ箱のようだ。

片付けようと持ち上げると、母が毎晩聞いていたシャララ…という小さな積み木のぶつかる音が響いた。

 

他にもこの家では色々とありましたが、長くなるので割愛します。

長文失礼しました。

袋小路とは?

行き止まりになっていて通り抜けられない小路。

転じて、物事が行き詰まった状態。

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