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チャリの女を後ろから追い抜いて怪しい者じゃないよと意思表示した友人

この記事の所要時間: 148

恐い経験をしたって友人の話。

友人のYは通勤のために、自宅から駅まで自転車を使っている。

ある日、最終電車で帰ってきたYは深夜の道を駅から自宅へ向けて走っていた。

家まであと10分くらいの所に坂道があって、自転車にはちょっとキツイ場所だった。

 

坂道の前方には、一台の自転車が走っていた。女だった。

「追い越してしまおう」
と思った。

深夜に後ろからずっとついて来られると、女は痴/漢とか思って恐くなるだろうから、思い切ってスピードを上げて走り抜いた方が良いだろう、と考えたのだそうだ。

坂道でダラダラ走っていると、長い時間後ろにくっ付いた状態になる。これは、変に誤解を招く事になる。

坂道の途中で、女を追い越した。

ワザとらしいかとも思ったが、追い抜く寸前にはリンリンとベルまで鳴らして合図もした。

勿論、女の方に顔を向けない配慮も怠らなかった。

 

坂を登りきって、下りに入った。

ここから先は、両側に森があって真っ暗な道がしばらく続く。

ふと気が付くと、後ろから女がついて来る気配がする。

自転車のキイキイいう音がするのだ。

「あいつ、恐くなって1人がイヤになったな。オレの後をついて来てこの森を抜けたいのだろう」
と思った。

と同時に、痴/漢と勘違いどころか、頼りにされた事にちょっとうれしくなったYは、スピードを緩めて女でも楽について来られる速度を保った。

 

「おや?」
とYは思った。

後ろの自転車が、追い抜いてくる様に感じられたのだ。

ま、それならそうで好きにさせておこう、と思った。

自転車がYを追い抜いた。

「ゲッ!」
と思わず言葉が出た。

横を、それこそYの顔をかすめるくらいのそばを二人乗りの男が通り過ぎて行ったのである。

しかも、二人の男はYの方を見てゲラゲラ笑っていた。

仰天して後ろを振り返ると、さっきの女の自転車は居なかった。

もう一度前を見ると、二人乗りの男達も消えていたそうだ。

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