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くだんの箱に封印されていたミイラの正体

 2016.01.13     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 321

もう20年くらい前になるかな。

ある日、実家の父から電話があった。

先日、祖父の法要で田舎(父の実家ね)に帰ったとき、仏間で面白いものを見つけたから見に来いという。

実家まで車で30分ばかりだし、俺はさっそく行ってみた。

 

父は他の家族の目をはばかるように俺を手招きすると奥へ向かった。

そして、卓の前に座ると古そうな木の箱をとりだした。

そして、顎をしゃくって開けて見ろという動作をした。

俺はよく要領を得ないまま蓋をとった。

 

正直、それを見た第一印象は、ウェッなんだこれといった感じだった。

綿の敷かれた箱の中に入っていたのは、体長20㎝程の猿の赤ん坊?のミイラだった。

既に目玉も鼻もなく。ぽっかりと穴が開いてるだけ。

剥き出しの口には、ギザギザと小粒な歯が生えているので、辛うじて人間とは違うなと思う。

ただ、猿とも少し違うような。

 

「何コレ?」俺は父に尋ねた。

父は、ニヤニヤしながらワカランと首を振った。

祖父の部屋には昔からオカしなものけっこうあったそうで、なんぞ面白いものでも無いかと漁っている内に天袋の中から見つけたそうである。

それを黙って持ち出してきたらしい。

俺も父もこういった珍品は大好きだったが、それにしてもこれは余りに薄気味悪く禍々しかった。

箱の面には何か札のようなものが貼ってあったが、文字はもう掠れていて読めなかった。

 

その日はそこそこ居て帰ったが、翌日から俺は体調を崩した。

熱があると言うわけでもないのに体が重く、体が火照った。

何をするのも億劫だった。

仕事も休んで、部屋でゴロゴロしていた。

 

翌日も休む。

そこへ、実家の父から電話が掛かってきた。

「お前、体に異変はないか?」と尋ねてくる。

ヒドくダルそうな声だった。

俺が状況を説明をすると、父も同じ状態らしい。

俺の頭にあのミイラの姿がよぎる。

 

そんな状態がダラダラと幾日か続いた後、再び父から電話がある。

父の所に叔父(父兄弟の長兄)から電話があったそうだ。

あのミイラを持ち出したことがバレた。

電話口で鼓膜が破れる程怒鳴られたそうである。

直ぐにあれを持って戻ってこいと言う。

あれを見た俺も一緒に。

 

俺と父は、重い体を引きずって姉の運転する車で父の郷里にむかった。

到着すると、俺達は再び叔父に散々小言を言われた後、今度は伯父の運転する車で檀家になっている菩提寺へむかった。

叔父は、あの箱を脇に抱えていた。

車中、父はあのミイラの事を尋ねた。

アレはいったい何なのかと。

叔父はぶっきらぼうに、「あれは、くだん、だ。」と答えた。

 

くだんって、あの生まれてすぐ予言をして死んでいく牛の妖怪か?

何でも、数代も前のこの家の当主の嫁が産んだと伝えられているらしい。

病死なのか、余りに醜いので間引いたのかはわからないと言った。

また嫁もその子を産んだときに死んだとも伝えられている。

ずいぶんと昔の話らしいが、これから行く寺の記録に数行だか残っているらしい。

その後、箱と俺と父は寺で経を上げてもらった。

 

つまり、あれは人間ということになる。

件としたのは、人と明言するのを避けたかったからではないのか。

そして、アレは絶対に持ち出してはならないもので、毎年決まった日に菩提寺で経を上げてもらうそうだ。

丁度、数日前がその日だったが、見つからない。

もしやと思って、父に電話したそうだ。

叔父が言うには、「オマエ等のお陰で経をあげてもらえず、件が祟った。」のだと言う。

「あのまま放っておけば、二人とも死んでいたぞ」・・とも。

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