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怨念残る跡地の山で消えた友達

 2016.01.22     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 442

子どもの頃の怖い話。

大して遊べる施設がない田舎町だったので、遊ぶといえば誰かの家でゲームをするか、山とか集落を歩いて探検するとか、の2択くらいしかする事がなかった。

小学校が休みの日、最初は友だちとゲームしたりして遊んでたんだが、どうにも飽きてしまってどっか面白いところは無いかって話になった。

俺は近所にうちの爺さんがよく山菜を取りに入っている山があるのを思い出した。

よく蕗の薹やキノコをザルいっぱいに取って、うちにもってきてくれていたんだ。

そこで、その山にいって山菜とかを取りにいくかって事になった。

 

一旦みんな家に帰って、山歩き道具を自転車に詰め込んでその山に向かった。

途中まではアスファルトの道路があるんだが、その先は何もない。

あとは、うすら暗い杉の森が広がっているだけだ。

どこから入ろうかと思案にくれていると、友だちの一人が草むらの先にけもの道を見つけた。

3時くらいなのに、日があまり差しこまなくて暗い。

 

用意がいい俺たちは、懐中電灯をつけて進むことにした。

その山は、入って見ると思いのほか鬱蒼としていて、山菜取りなんて雰囲気ではなかった。

懐中電灯片手に草むらをかきわけて進む。

ちょっとした探検みたいで、小学生の俺たちは目的を忘れて奥へ奥へと入っていった。

 

暫く行くと、唐突に草むらがない空間で出た。

俺たちは山の奥に自分たちしか知らない空間を見つけた、という喜びで舞い上がった。

ここをしばらく探索の拠点にしようよ、と言ってそこで普段禁じられてるサバイバルゲームみたいなことや花火やらでしばらく盛り上がった。

 

そんな折、友だちの一人が不意に声をあげた。

やっていなかった夏休みの宿題の再提出の期限が明日だった、と言い出したのだ。

もういいじゃん、一日くらい変わらないよ、とみんな言ったが、

そいつは、先生が怖いから、と言って先に抜けることになった。

 

そんな事をしている内に暗くなってきて、その日は帰ることになった。

当然、この日の事は友だちだけの秘密って事になった。

山を出る頃には真っ暗になっていたが、こういう山歩きには慣れていたので、特に問題なく山を抜けることが出来た。

ちょっと不気味な雰囲気になってきてはいたが、みんなバカ話に夢中でそんなこと気にもしなかった。

でも、自転車を停めたところについたとき、話は止まった。

 

あいつの自転車、まだおいてあるじゃん。

 

携帯なんてなかった時代だ。

一回外で離れてしまえば、家に着くまで連絡の取りようがない。

小学生の俺たちは、声をあげてそいつの名前を呼んだ。

一人が山に入って探そうって言い出したが、それは別の友だちに止められた。

もしかしたら、自転車を置いて車で近くまで迎えに来てもらったかもしれないという話も出た。

 

なにせ、広場からここまではさっき通った獣道をまっすぐ来るだけなんだから、迷うわけがない。

落ちて迷い込むような淵も窪みも無い。

だからそうに違いない、という事だったのだ。

 

俺たちは、とにかくそいつの家に確かめに行くことにした。

だけど、そこに友だちはいなかった。

自分たちの遊びを隠すこともできず、友だちの親父さんに事情を話した。

 

親父さんは顔色を変え、寄り合いまで車で行ってしまった。

俺たちはどうしていいかわからず、とにかく帰ることにした。

家で事情を話すと、普段じゃ考えられないくらいこっぴどく怒られた。

他の友だちもそうだった。

そのときは、ただ友だちと危険な遊びをしたこととか、友達を見捨てて帰ったことを責められたんだ、と思っていたが、

爺さんが事情はまるっきり違う事を教えてくれた。

 

あの山には昔、この地方を治めていた城の出城があり、

この地方が近くの有力な大名に呑み込まれる際に、まっさきに焼かれ落ちたところで、

その跡地は今でも草木が生えないのだ、と伝わっているという事。

うちの爺さんは、その供養でその山に時折入っては、神酒をまいたりしているそうだ。

そんなところで花火やら戦の真似事をしていたら、連れて行かれる者が出ても仕方が無い。

と静かに言ったのだ。

 

友だちはまだ見つかっていない。

俺たちはあの時、山に入って探しにいくべきだったのだろうか?

 

いなくなった友達は警察にも届けられましたが、今も見つかっていません。

自分たちは子どもだということ、またこういう事情を伝えていなかったこともいけないのだということで、

家以外ではむしろかわいそうな子、のように扱われました。

とくに他の友だちがどうかなった、という話は聞きません。

 

後日談という話でもないですが、その山はうちの集落の中の誰かでそういう供養が行われてきたようなのですが、ここ何代かはうちの家系でやっているそうで、

「お前は昔、目をつけられているからな…」

と爺さんは渋っていますが、いずれ自分がやるだろう、という事になっています。

そのような事件があったところで、守り役を変わってくれる人はいないですから。

 

今度こそ、自分が連れて行かれるかもしれませんが、それは覚悟の上です。

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