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発動するはずのないコードブルーを聞いた医療機器の納入業者

 2016.01.22     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 233

医療器械の納入業者をしています。

ある日、夜9時過ぎに病院から

「臨時の治療で物品を大量に使ったので、すぐ補充して」

という連絡が入ったので、帰宅ついでに病院へ行った。

 

そんなのは割とよくある話で、連絡の来た部署(仮に25番検査室としておく)に物品を持って行ったのが10時ごろ。

ちなみに、その部屋は循環器で使う心臓カテーテル室という検査室。

連絡が入ったと言っても、担当職員はみんなその場からは引き上げていて誰も居ない。

検査室は真っ暗だったので電気を点け、さっさと納品しようと検査室内の機材庫に入った。

 

その時だった。いきなりスピーカーから

「ビーッビーッ」

という大きな音が聞こえてきて、続いて

「コードブルー発生!コードブルー発生!25番検査室です!」

という院内放送が入った。

(コードブルーというのは、緊急で蘇生の必要な患者が発生した、という意味の放送)

 

「こんな時間にコードブルーかよ。大変だな。25番検査ってどの部屋だろう」

と、音にビックリしたもののあまり気にすることなく、納品を続けた。

気づいたのは、同じ放送がもう一度繰り返された時だった。

 

「…25番検査室ってここじゃない?」

(普段25番とは呼ばないため、気づかなかった)

再度、検査室内を見回すも、当たり前のように人っ子一人いない。

それなのに、なぜこの部屋でコードブルー??

 

それっきりその放送は無かったが、非常に気味が悪くなったため超適当に納品して、そのまま逃げるように検査室の外へ出た。

そうしたらちょうどその時に、よく知っている循環器の医者がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。

 

今のコードブルー聞いてきたのかな?と思い、その先生に

「臨時もあったのに、こんな時間にコードブルーって大変ですね。でもカテ室(25番のこと)誰も居ませんよ」

と声をかけると、医者はきょとんとした顔で

「何言ってんの?コードブルーなんて無いよ。臨時はあったけど、もう終わってるし」

「えええ?今、聞いたんですけど」

 

自分の耳を疑いながら申し立てる俺に、先生は

「夜だから、全館放送に制限かかってんのかな?気づかなかった」

と、その場でPHSにて事務へ電話確認をしてくれた。

(放送をする部署に)

 

しかし、結果としては

「そんな放送は、どっからも依頼されていない」

とのこと。

要するにコードブルーなどない、と。

 

「聞き間違えたんじゃないの?」

と笑って、先生はくだんの検査室へ入っていった。

もともと、そこに用があったらしい。

普段の営業としての俺なら、追って入って話の一つでもするところだけど、それはもうカンベンな気持ちだったので、そのまま帰宅した。

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