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運命に呪われし権力者一家の烙印

黒装束の呪霊
この記事の所要時間: 68

上京してきた友人に聞いた怖い話です。

友人は山奥の集落みたいな村に住んでたそうです。

その村では、いわゆる大地主一家が権力者で、一部の人は「様」付けで呼ぶほどの崇拝染みた扱いを受けてました

当時、友人はその一家を異常だと思っていたそうです。

その理由はあまりにも完璧だったから。

 

少し興味があったので

「何故?」

と私が聞くと、友人は自分が体験した事、聞いた事を話してくれました。

 

 

友人は集落の中の上ぐらいの立場だった。

村の年寄りは、皆地主の事を崇めるらしい。

 

当時は

「気に食わない、でもあいつ等は皆かなりの実力を持っている。

テストは大体満点、成績もトップ、運動神経も良くてマラソン大会では常にも一位だった。

でも異常なんだ、少なくても30年以上完璧な奴しかいないんだ。

地主一家は多産で兄弟が多い、その中には一人くらい駄目な奴がいてもいいじゃないか。」

と思っていたと言う。

 

私は

「実はいろんなとこから連れて来てるとか、優秀そうな子を」

と言った。

 

友人は

「いや、地主の所に子供が生まれると必ず小さな祭りが行われる。

確かに二十歳ぐらいで都会に行く人もいるが、彼らも年末年始に帰ってきて皆の前に現れるんだ。

むしろ、家に留まってる奴らの方が怪しかった。

殆ど顔出さないんだ。年末年始にもちょっと襖の隙間から顔見せるくらいで…

家の中で村をまとめる重要な仕事してるらしいんだけど、どうも怪しかったし、出てった人より能無しっぽいんだ。

まあ…と言うか、見ちまったんだけどな…」

 

ここで友人は顔を暗くしてため息を漏らした。

あれは、思い出したくない物を思い出した時の顔だった。

友人はゆっくり語り始めた。

 

「地主一家の一人が亡くなり葬式をした日の事なんだけど…

俺はまだ未成年だったけど目を付けられて、日本酒を飲まされたんだ。当然、酔い潰れた。

そして、地主の家に一晩泊まる事になって、夜中に目が覚め、起きてトイレに向かった。」

 

地主家は広く薄暗い、友人は慣れて無かったので(若干酔ってたせいもあると思うが)案の定迷ったらしい。

トイレの場所が分からなくなり、とり合えず元来た道を引き返そうとしたら、後ろの方から

ペたっ…ペたっ…ペたっ…

と足音のような物音が聞こえた。

いや、足音でも歩いてる音とは少し違った。

どちらかと言うと弾んでるような音、それが近づいてくる。

 

ぺたっ…シュリ…ぺたっ…シュリ…ぺたん…

 

近づくに連れ何かを擦るような音も聞こえ始め、怖くなって近くの物入れの中に隠れて様子を見た。

…物音の正体は人だった。

安心してトイレの場所を聞こうと思ったが、飛び込んできた恐怖で体が止まった。

 

その人は黒装束を着ていて、顔には能面みたいな物を付けており、足が片方付いて無い。

しかし、手には足が一本握られていた。

余りのショックで息もできなかった。

それが幸いしたのか黒装束に見つかる事も無く、

そいつは片足で…ペタンッ…ペタンッ…とケンケンしながら奥に消えていった。

 

その夜は一睡も出来ず、布団の中で震えた。

早朝、昨晩の出来事は地主一家に話すか話さないか迷ったが、

好奇心に負け、地主一家で一番信頼できる人に話した。

 

その人は

「本当か!?ちょっと待っててくれ」

と言って奥の方に走って行き、5分くらいで戻ってきた。

 

「すまなかった、見てしまったんだな…

出来れば忘れて欲しいが、直にアレを見てしまったのでは無理だろう。

今日はもう帰りなさい。

後で話すが、トラウマは少ないほうがいいから。」

 

と言って帰された。

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