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廃墟と化した精神病院の階段で増える足音

 2016.01.29     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 30

10年近く昔の体験。

仲間内で肝試しの計画を立てた。

K県の峠にある、もともと精神病院だったらしい廃墟。

集まったのは俺を含む男4人女4人の計8人。

 

車を走らせる事、約1時間。

みんなワイワイはしゃいでたが、その建物が見えた瞬間に女性陣が完全に沈黙。

男の方も俺を含めてかなりビビってた。

それほどの、これこそまさに廃墟といった風貌だったんだ。

 

到着するも女性陣は絶対に入りたくないと完全拒否。

俺達も、情けない事にどうしようどうしようと相談していた。

「せっかく来たんだから、男だけでも入ろうぜ?」

と俺が切り出す。

女の子が見ている手前、精一杯の見栄を張ってたわけだ。

 

全員の目がKYと俺を睨む。

俺は誰か異議を唱える事を、誰よりも心から望んだ。

…が、悲しいかな異議は無く、後に引けない状況になった。

男3人は俺をさぞ恨んだろう。俺も自分を呪った。

 

かくして、懐中電灯の明かりを頼りに入り口を探す。

見つけたくはなかったが、あっさり窓ガラスの割れた裏口らしき物を発見。

俺達は男4人で押し付け合うように入って行った。

 

建物は全5階建て、1階には受け付けや診察室らしき広い部屋。

2~5階は病室らしき部屋が各階に約20ずつでかなり立派なものだった。

最初はビビりまくっていた俺達だったが、次第に恐怖感も薄れ前の奴の肩を叩いてみたり、呻き声を上げてみたりして戯れ合いながら廃墟を徘徊した。

 

終盤に挿しかかり4階から5階に登る階段を上がっている途中だった。

後ろから

「カツーン…カツーン…」

という足音らしきものが聞こえ、しんがりを勤めていた俺はふいっと後ろを振り向いた。

当然誰もいない。他の男3人には聞こえてないようだった。

大きな建物だから、俺達の足音が反響しているんだろうと勝手に納得した。

 

階段を登り終えると、2~4階と同じように20ほどの部屋が連なる通路に出た。

不意に窓から外を見ると、女性陣4人の姿が月明かりに照らされて見えた。

俺達が建物に入るときは女性陣はみんな車に乗ってたんだけど、さすがに退屈になったのか俺達に向かって手を振ったり指差したりしている。

何か叫んでたみたいだけど、5階じゃよく聞き取れない。

俺は英雄気取りに女性陣に手を振り返した。

 

探索も終わり意気揚々と俺達4人は廃墟を後にし、俺達4人は車に戻った。

しかし、女性陣の姿が見当たらない。車にも乗っていない。

俺達は真っ青になってすぐさま車のライトを点け、周りを見渡し女の子4人を探した。

丁度、車のライトに照らされる場所に女の子は4人とも身を寄せ合うようにうずくまっていた。

俺はホッとして女の子達に駆け寄ったが、悲鳴を上げられた。顔をあわせようともしない。

 

俺達に怯えているようで、俺達はオロオロと

「どうしたの!?」

「何かあったの?」

「さっきまで手を振ってたじゃない」

女の子4人は泣くばかりでこちらに見向きもせず、取り合ってくれない。

 

とにかく俺達は嫌がる女の子を抱きかかえ、車に押し込めた。

ようやく落ち着いたのか、女の子の一人がボソッと言った。

「あのとき…5階に居たとき…あんた達5人だったよ…」

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