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あんたがたどこさ別の世界さ時空の歪みさ

 2016.02.20     都市伝説・ネタ     3件     Loadingお気に入りに追加
あんたがたどこさ
この記事の所要時間: 176

深夜十一時。僕と友人のKは、今はもう使われていないとある山奥の小学校にいた。

校庭。グランドには雑草が生え、赤錆びた鉄棒やジャングルジム、シーソー。

現在は危険というレッテルを貼られた回転塔もあった。

 

僕とKはこの小学校に肝試しに来たのだった。

本当はもう一人、Sという友人も来る予定だったのだが、あいにく急な用事が入ってしまった様で、二人で行くことになった。

野郎二人で肝試しとは別の意味でぞっとするが、このKと言う奴は、幽霊を見るためなら他の条件が何だろうとお構いなしなのだ。ただ一つの条件を除いて。

 

 

「……だってよー。一人じゃ『見た』っつっても誰も信じてくれねえじゃん?」

もっともらしい理由だが、僕は知っている。こいつは実は怖がりなのだ。

それでもって熱狂的なオカルトマニアで、心霊スポット巡りが趣味なのだ。

しかしそんなKのおかげで、僕は普通なら見ることの出来ないものもいくつか見てきた。

 

「Sのヤロウ正解だったなー、ここハズレだわ」

「うーん……、確かにね。物音ひとつしなかったしなあ」

ハズレならハズレでそれは有難いのだが、僕だって怖いものは怖い。でも興味はすごくある。

6・4で見たいけど見たくない。分かるだろうかこの心理。

 

というわけで、僕らはさっきまで学校内をウロウロしていたのだが、あいにくここで自殺したという生徒の幽霊は見ることが出来なかった。

懐中電灯を消したり、わざと別々に行動したり、音楽室も理科室も怖々覗いたのだけれど、結局、何も出なかった。

時間が悪かったのか、それともKが「くおらー、幽霊でてこいやーっ!」などと怒鳴りながら探索してたせいだろうか。

そうして、僕らは幾分がっかりしながら、小学校のグランドに出たのだった。

 

「で、どうすんの?帰る?」と僕はKに訊いた。

Kは明らかに不満そうな顔をして、いつの間にか拾ったらしい木の枝で、地面にガリガリ線をひいていた。

黙ってその様子を眺めていると、Kは地面に二メートル四方ぐらいの正方形を描いた。

次いで、その図の中に十字線がひかれる。田んぼの『田』だ。

 

Kが顔を上げて僕の方を見た。その顔から不満そうな表情は消えて、ににん、と笑う。

「なあなあ、お前、『あんたがたどこさ』って知ってっか?」

いきなり尋ねられ、僕は少しあたふたしながら、脳内の箪笥からその単語の情報を引っ張り出した。

 

「知ってる。手まり唄だろ。毬つきながら、ええと……あんたがったどこさ、ひごさ、ひごどこさ、くまもとさ」

「分かった分かった。……じゃあよ、『あんどこ』って知ってるか?」

「あんどこ?」

『それは知らない』と僕が首を振ると、Kは手にした木の棒で、今しがた地面に描いた図形、田んぼの田を指した。

 

「『あんどこ』ってのは、この四つの四角の枠の中でな、リズムに合わせて飛ぶんだよ。
右、左と基本は左右交互に飛んで、あんたがったどっこさっ、の『さ』の部分だけ一瞬前に飛んで、戻る。
いいか?よく見てろよ」

 

どうやら手本を見せてくれるらしい。

せーの。

「あんたがったどっこさあっ!ひっごさ。ひっごどっこさ!?くまもっとさ!くまもっとどっこさ?せんっばさあっ!!」

大声を張り上げながら、Kは自分で作った図の中を前後左右にぴょんぴょん飛び跳ねた。

 

「……とまあ、大体こんな感じだな。分かったろ?」

と言われても、僕としては首を傾げるしかない。こいつは一体何がしたいんだろうか。

分かったのは、やはりKはとてつもなく音痴ということだけだ。

 

「今のが『あんどこ』……まっ、遊びだ。遊び」

「へえ……で?」

もしかして、それを僕にもやれと言うのだろうか。しかしKの顔にはまさにそう書いてある。

 

「で、じゃねえよ。お前もやんだよ。二人で『あんどこ』」

「やだよ。なんで僕がそんなこと」

「何でってお前……しらねえの?ま、噂だけどよ。これ二人で目えつぶってやったら、なんか『別の世界』に行けるんだとよ」

およ、と思った。せっかく小学校に来たのだから、ただ単に昔を懐かしんで子供の遊びをやろう、と言うわけでもないらしい。

それなら面白そうだということで、僕はその『あんどこ』をやることにした。

 

Kの説明によると、田んぼの田の形に区切られた四つのスペースの内、まず二人がそれぞれ左ナナメに相手が居る様にして立つ。

それから目を瞑り、暗闇の中で『あんたがたどこさ』を唄いながら飛ぶ。スタートは左に。

全てを唄い終わり、『ちょいとかーぶーせ』の『せ』で前に飛んで終了、そこで目を開ける。

何が起こるかはお楽しみ。

注意事項として、歌を間違える、飛び方を誤る、相手にぶつかる、目を開けた時に田んぼの田からはみ出したら失敗。

 

「んじゃ。行くぞ」

「ちょっと待って」

「何だよ?」

「いや、ちょっと気になったんだけど。
『あんどこ』が成功してさ。その、Kが言う妙な世界にもし行けたら、……帰ってこれんの?」

するとKは「うはは」と笑い、「シラネ」と言った。

 

「おいおい……」

「まあいいじゃねーか。さ、はじめっか……。目を瞑れーっ!」

まあいいのか?と思いつつも、僕は目を瞑った。

せーの。

 

あんたがったどっこさ……。

「イテっ!」「あたっ」

いきなり間違えた。慣れないと意外に難しいのかもしれない。

 

「おいおいお前、ちゃんとやれって!」

「あははのは。ごめんごめん。次は、さ?」

「ったくよー」

頭の中でシュミレーションする。交互に交互に……さ、で飛ぶ。

いっせーの。

 

「……いてっ」

正面衝突。一瞬間違えたのかと思って謝りかけたが、よく考えてみると、僕は間違っていない。

目を開けて見ると、Kが手刀をかざして「わりーわりー」

「次は本気で行くからよ」

僕は何だか急に馬鹿らしくなってきたが、あと一回くらいはやってみようかと思う。

 

いっせーのっせ。

あんたがったどっこさ、ひーごさ、ひーごどっこさ、くーまもっとさ、くーまもっとどっこさ、せんばさ……、

せんーばやーまには、たーぬきーがおってさ、それーをりょーしがてっぽでうってさ、にーてさ、やいてさ、くってさ……、

……それーをこーのはでちょいとかーぶー

「――せっ――」

 

前へとんで、僕は目を開いた。

四角の中に居た。成功だ。

ちょっと誇らしい気持ちになって、僕はKはどうかなと思い振り返った。

そこにKの姿は無かった。

 

「……え?」

右を見て、左を見て、もう一度右を見て。

僕は、ははあ、と思う。全てはこのためだったのだ。

 

『目を瞑ったままのあんどこ』などという凝ったことをさせておいて、Kは唄の途中でこっそり抜け出し、僕がおろおろするのを隠れて見て楽しむつもりなのだ。

Kの奴め。

僕は何とかしてKを見つけてやろうと思い、そこら中を注意深く見渡した。

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コメント

    • 名前: ロジャー
    • 投稿日:2016/06/06(月) 21:42:32 ID:IzMjg0MzU

    長い

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/12/03(土) 19:11:56 ID:Y0NjEyNTc

    こりゃひどいな そもそも創作怪談としてコンセプトが間違ってる

    • 名前: 那奈
    • 投稿日:2016/12/05(月) 20:36:22 ID:gwODQ3MDc

    ゲームにしたらヒットだょ。

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