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広島県にある御札の家という心霊スポット

御札が貼ってある廃墟
この記事の所要時間: 1539

広島県F市某町、地元の人間なら誰もが知る有名なスポットがある。

「お札の家」と呼ばれたその場所には、名前通り無数のお札が貼られた家がある。

他の噂ばかりのスポットとは違い、ソコを訪れた大学の友人はほぼ全員が不思議な体験をしたという。

普段霊感のない人にも見えるらしい。

 

友人の話。

「家の周りだけ不自然に濃い霧が覆っとったんよ、んで冗談半分で霧に塩投げたらいきなりブワッと霧が裂けたんじゃーw流石にヤバ過ぎる思って逃げたったw」

どうやら異様な数の霊が集まってくる場所で、見える人によればお札に阻まれ家に入れない霊がウヨウヨいる、との事。

上の友人のコメントは印象強くて今でも忘れられないが『霊感が無くても見えた』と聞いて、霊感の無い自分にとってはいつか行きたい魅力的なスポットだった。

 

 

ふとした日、ファミレスでの食事中にお札の家の話を切り出した。

居合わせた仲の良い先輩とその彼女、友人S、はヤケにノリ気「今すぐ行こう」となった。

元々地元の先輩と彼女は高校時代に行ったことがあるらしかったが、恐くて車を降りれなかったらしい。

他県からきていたSは特にノリ気だった。話を出した後で少し恐くなり後悔した。が、遅かった。

 

自分「いや、ホンマにヤバいらしいで?ソコ行って一週間寝込んだヤツとか、帰り事故ったヤツとか普通におるらしいで?」

S「今さら何ビッっとんw俺霊感あるし、子供の頃から普通に霊とか見ようたし、その気になりゃ霊にもキャン言わしちゃるけぇねw」

自分は内心コイツ馬鹿だなー、と思っていたが、本当に危ない霊がいたらすぐに教える、お前を先に逃がす。

などと言われ、普段から怖いもの知らずで気が強いSが同伴するということもあり、お札の家に行くことを承諾してしまった。

 

時間は大体23時を回ったくらい。

心霊スポットに来るには早い時間だったが、お札の家に続く林道は重々しく、暗いってだけで雰囲気があった。

車から降り「うっわ、やっぱヤメといた方がエエんと違うーっ!?w」等とハシャイでいたが、先輩カップルが車から降りて来ない。

 

自分「どぉしたんすかー?w」

先輩「R(彼女)が気分悪いから無理やって、俺も残るわ」

S「えぇー!せっかく来たんすから見るだけ見に行きましょうよー!」

先輩「いやいやホンマにえぇわ、お前ら二人で行ってき」

 

S「何ビッてんすかw霊なら俺に任しといてくださいよー!」

先輩「うるしゃーわお前!!Rが気分悪い言うとろうが!!調子に乗んな!!」

半分喧嘩になりかけたので慌てて止めに入り、渋々二人きりで行くことになった。

 

S「あーもー何なん!?絶対あの二人車の中でエロいことする気やで」

自分「こんな所てそれはないじゃろ…てか、お前先輩に態度デカ過ぎ」

 

S「戻ったら思いっきり窓ガラス叩いて脅かしちゃろうでw」

自分「・・・。」

呆れて言葉も無かったが、急に視界に飛込んできたバリケードに驚き、立ち止まってしまった。

 

S「…こっからが本番っちゅうことかw」

 

ここから先○○市保有地区により立入り禁止。

有刺鉄線まで使われた厳重なバリケードだった。

乗り越えることができなかったので、一度林に逸れて、の有刺鉄線が途切れた所で乗り越え、また道に戻り先に進んでいった。

今考えるとあのバリケードを越えた瞬間、急に寒くなった気もするし、そんなことは無かった様な気もする。

とにかく空気が変わったってことは自分にもわかった。

 

緊張してしまい、無言で歩く自分。裏腹にSはやたらキョロキョロし

「あっソコにおるなー。おぉ!アッチにもおるで~。」

相変わらずのハシャギ様だった。

ところでお札の家にはダミーがある、ということを前々から聞いていた。

 

学校の友人
「あんなー、林道を進むとまず一件の白い家にぶつかるんじゃ。
でもその家は放置されたホンマに普通の民家じゃけ。
その家の横に登坂になった獣道があるけぇソコを登らんとお札の家には辿り着けんよ?
タマにその普通の民家をお札の家と勘違いしてそのまま帰ってくるヤツとかおるけぇのーw」

 

そしてそのダミーの家は本当にあった。

Sにダミーの家の話はしてあったので、二人とも落ち着いて家の横の獣道を目指した。

そこでSが「ちょぉ待って、煙草に火ィ着けるけぇ」と立ち止まった。なかなか火が着かない。

ボーッと白い家を眺めていた自分は「ココも中々雰囲気あるなぁ」と白い家に近づいた。

なぜか、その普通の民家も周りをチェーンで仕切られていた。

 

特に何も感じずチェーンをくぐろうとすると

「Mっ!!(自分の名前)」

Sに呼び止められた。

驚いて振り向くと、Sが煙草をくわえたまま目を見開いてコッチを見ている。

 

何事かワケが分からず動けないでいた自分だが、Sの視線が自分では無く、自分の背後に向けられいる、と気づいた時全身に鳥肌が立った。

背筋が凍るように冷たくなったのは、生まれて初めてのことだった。

すぐにSに向かって走り出したいが、どうにも足が動かない。

完全にパニックになっていた。

 

それを察してかは知らないが、突然Sが

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

と馬鹿デカい雄叫びを上げ、もと来た道へ走りだした。

その大声に助けられ、自分も我に帰って全力で駆け出した。

 

林道がやけに長く感じ、絶望的な恐怖感があったが

『後ろを振り返ってはいけない、ってまさに今のこういう状況のことを言うのだろうな』

という考えが頭をよぎったのを覚えている。

 

ようやく林道を抜け一般道に飛び出し、凄い勢いで車に乗り込んだ。

車に乗り込むと、ただならぬ様子を察知した先輩が聞いてきた。

先輩「どうしたんなお前ら!?何があった!!」

 

自分はガタガタ震えが止まらず、まともに答えることができず、

「とにかく早く車出してください…お願いします…すんません…お願いします…」

その場所から離れたい一心でそれしか言えなかった。

 

怯え方が尋常ではなかったので、先輩もからかったりせず車を急発信させた。

しばらく無言のドライブが続き、先輩の彼女のすすり泣く声が聞こえるだけだった。

不意に背中を強くバン!バン!と叩かれた。

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