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呪われたウェディングベル

火の見の呪われた鐘
この記事の所要時間: 36

今でも後悔してるんだけど、高校卒業して暇してた頃の話。

ある時、友達のバカップルが結婚するって言い出したんだよ。

まぁ絶対結婚しないとは思ってたけど、暇だからお祝いパーティーをする事にしたんだ。

海辺でBBQしながら、ウェディングベル鳴らして、花火する計画だったんだけど、ウェディングベルなんてどこにも売っていない。

そこで、Aがもう使われていない古い「火の見」に付いてる鐘を使う事を提案したんだ。

 

Aの言う火の見は、家の全くない荒れ地にポツンと建っていて、誰も近づかない様な場所にあった。

梯子は腐食していて、『危険のぼるな』っていう看板も辛うじて読める程度の物だった。

15m位の高さだったと思うけど、登るのは本当に怖かった。

そこにあった鐘は、1人では持てない程立派な鐘で、たしか明治~年って書かれてあったと思う。

それを3人で運んで、近くの空き地で白と銀のスプレーで綺麗に色付けして、ウェディングベルにしたんだ。

 

完成したのは夕方で鐘を車に積んで、友達3人でご飯を食べに車で出かけたんだ。

その時に運転してたのは俺なんだけど、近くのカーブでハンドルをとられて壁に衝突。

完全に足回りがやられて、即廃車になったんだけど、これが始まりだったんだ。

その日は、車をぶつけたショックでブルーだったけど、とりあえず荷物をBの車に積み替えて、そのまま友達の家で寝たんだ。

 

次の日、車4台で海に出発したんだけど、10キロも走らないうちに、鐘をのせたBの車がCの車に追突して、そのままガードレールに衝突。

幸いフロント部分大破だけで、怪我人はいなかった。

Bは、ブレーキが効かなくなった、と言い張ってた。

そこで計画は中止。

Bは、なんとか車で帰ると言うので、荷物を移動してCと一緒に帰って行った。

 

残ったのは7人で、気まずい雰囲気もあったけど、俺は狙いの女の子がいた為ドライブする事になった。

俺は後席に座り、Dが運転手、鐘はトランクに入っていた。

良く走る山道、次のカーブがきつい事を知っていた俺は、とっさに後席からブレーキと叫んだ。

スピードメーターは70キロ。

いくら広い山道とはいえ、カーブの連続する道で出すスピードじゃない。

 

肩越しにDの足を見たが、確かにブレーキを踏んでいるようだった。

でもブレーキは効かない、曲がりきれないと思った。

トランクでゴトッと鐘の倒れる音がした。

 

対向車線に黒のワゴンRが走ってきて、正面衝突した。

相手の軽は横転して、Dの車も山に突き刺さった。

俺は幸い軽傷だったが、顔に穴があき、腕から骨が見えて血だらけ、悲惨な状態だった。

携帯が繋がらない場所で、1時間程して救急車で運ばれて行った。

その日、俺はめちゃくちゃ滅入って帰って眠った。

 

翌朝、親父が恐ろしい夢を見たとか言い出して、聞いてもないのに話し出した。

それはカラフルな鐘に物凄い亡霊が付いていて、お坊さんが頑張って除霊しようとして、結局取り殺されるって夢だった。

俺は前日の事故の話も、鐘の話も一切していなかったから本当にびびって、Aと廃車置場に鐘を取りに行って、元の場所に返してきた。

その時に鐘を乗せたAの車は、その夏に川の氾濫でAの家ごと浸水して廃車になった。

一連の事故や不幸は、鐘のせいなのか、単なる偶然なのか。

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