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感謝する人と恨む人を選り分ける絶望彼女

感謝する人と恨む人を選り分けた彼女の怨念
この記事の所要時間: 424

この話は自己責任でお願いします。

大正時代、昭和初期と鉄工所の景気が非常に良かったそうだ。

或る町に、やはりそれなりの景気を誇る鉄工所があった。

 

何代か続いたものの、時流に取り残されて潰れてしまった。

経営者である男は負債を整理していたが、結局売れるものを全て売っても負債は片付かなかった。

責任感の強かった男は、わが子を里子に出してでも返すべき金を返そうと考えた。

結局、男はまだ幼い一人娘をG県某村に里子にだした。

 

里子に出された女の子は、さつきちゃんと言う。

さつきちゃんはまだ11歳で、お嬢様として育てられた。

里親は彼女を奴隷のように扱い、とことんこき使ったが、お嬢様育ちのさつきちゃんがまともに働けるわけはない。

彼女にとって辛い日常が続いた。

 

少しずつ仕事も覚え、村での生活に少し慣れてきたのが、里子に出されてから3年後。

さつきちゃんが14の頃だった。

慣れかけてきた生活が、ある日を境に地獄に変わった。

 

或る晩、彼女は見知らぬ男に夜這いを掛けられた。もちろん純潔だった。

彼女は恐怖と絶望を感じ、自ら命を絶とうと考えた。

が、すこし考えた。

 

「このまま死んでしまっても、私が生きた証はなにも残らない。」

 

彼女は、なにか一つのことをやり遂げてから命を絶とうと考えた。

が、毎日の労働もあり、彼女に許された自由は『考えること』だけだった。

その自由の中で、なにかをやり遂げなくてはならない。

 

彼女は今まで自分が会った人々を「感謝する人」「恨む人」にわけるという作業を、『なにか一つのこと』に選んだ。

一日一人ずつ「感謝する人」「恨む人」を決めていく。

自分が今まで出会った人全てを振り分けたとき、命を絶とうと決めたのだ。

 

果たしてそれを実行していく。

が、彼女は昔お嬢様として育てられた。

社交界にも通じていたので、今までに会った人の数が果てしなく多い。

最初は地道に続けていたが、次第に考えなくなる日が多くなった。

 

結局、彼女は自分が決めたことを完遂することなく生き続けた。

そして、あの日から4年経った18歳の頃、彼女にもようやく幸せが訪れた。

恋に落ちたのだ。

隣の家に住む青年で、年は21歳。マジメで誠実と知れた人物だった。

 

さつきちゃんの労働態度は極めてマジメだったため、この頃には里親にも非常に気に入ってもらっていた。

ふたりとも近所での評判もよかったので、結婚することが許された。

そして、さつきちゃんが18の頃、二人は結婚した。

ようやく、さつきちゃんにも幸せが訪れた。

 

そして、新婚初夜を迎えた。

さつきちゃんは、そこで見てはいけないものを見た。

旦那となる男の背中には、4年前にさつきちゃんがつけた傷跡がある。

そう、夜這いを掛けて彼女に死を覚悟させたのは、他でもないこの男だったのだ。

 

さつきちゃんは困惑した。

大好きだけど恨むべき人。恨むべき人だけど大好きな人。

目の前にその男がいる。

彼女はこの男を殺そうという結論に達した。

そして自らも、まったく同じ方法で命を絶とうと。

 

彼女は翌晩、早速実行に移した。

方法は至って単純だった。彼が寝込んでから手足を縄でしばり、猿轡をした上で人気のない井戸に捨てるということ。

男を井戸に放り投げた後、自らも猿轡をかけ、手足を縛り井戸に身を投げた。

が、彼女が落ちたところには水がない。この井戸は枯れ井戸だったのだ。

 

男は井戸に落とされた際に頭を打って死んでいた。

彼女は男がクッションになり、死ねなかった。

手足をしばっていて猿轡をしているために、なにもできない。

彼女は飢えて死ぬのを待つのみとなった。

 

何日か過ぎると体力の消耗を感じ、少しずつ死を感じた。

極限状態になりかけたとき、彼女はあることを思い出した。

自分が「感謝する人」「恨む人」を決めていたこと。

彼女は決心した。

自分はこのまま死ぬ。が、死んだときには「感謝する人」には、おおいなる祝福を「恨む人」には大いなる災いを与えようと。

 

それから1週間後に彼女は息絶えた。だが、彼女の想いは今も生きている。

この話はさつきちゃんにとって、知られてはいけない過去である。

この話を知った人は「恨む人」にあたり、大いなる災いが降りかかる。

災いを避ける方法が一つだけある。自身も「感謝する人」になればよい。

 

これから毎朝起きたときに、G県の方を向いて

「さつきちゃん、私はあなたの味方です」と心の中で唱えて欲しい。

 

彼女が死ぬまでの1週間という期間、これを続ければ大いなる祝福が受けられる。

一日でも忘れたときは、貴方に大いなる災いがふりかかるでしょう。

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 カテゴリ:都市伝説・ネタ
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