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中国の蠱毒と呼ばれる一族

蠱毒と呼ばれる動物を使った呪術
この記事の所要時間: 1052

台湾人Fとは、彼が日本語勉強で日本滞在中に友達になりました。

アメリカで教育を受け、父親は台湾の銀行の重鎮、お姉さんは結婚してカリフォルニア在住、当時は台湾に戻っていたお兄さんは、ハーバードビジネススクールの講師という、超エリート集団なおうちの人でした。

 

彼自身、大学卒業後は台湾に戻り、自分で出版版権のエージェントの会社をおこし、日本のアニメやマンガの版権を扱う仕事をしていました。

仕事の関係上、年に数回日本に来日していた彼とは、そのときどきに会い、日本のアニメ・マンガの情報を流しつつ、いろんな話をよくしていました。

彼は日本語、私は英語と、お互いの語学の勉強向上もあって、私たちはけっこう仲良しでした。

 

 

ある時、その日本出張に、日本のコロコロコミックの版権を持つ出版社の社長と編集と一緒に、自分のガールフレンドを連れてきました。

付き合っている人がいるが、諸事情で一族全部から付き合いを反対されている。

 

その彼女は、細くて小さくて、俗に言う「守ってあげたい系」の女性でしたが、感じも悪くなく、ごくごく普通の人でした。

ひとつ、幼い頃にポリオ(小児麻痺)にかかったため、片足が不自由で、妊娠は無理だと医者から言われているということを除けば、外国人の私には、なぜ結婚を反対されているのかわかりません。

 

その時の彼女は、彼が最初に勤務した出版社に勤務していて、その時の来日も仕事がらみでした。

重い口調で結婚を反対されていることを話す彼の様子に、なんでそこまで暗くなるのかよくわからないけど、大変なのねー、ということだけの理解で私は終っていました。

 

 

その年の12月。

台湾に遊びに来いという、彼からの再三の誘いに応じ、私は友達と三人で台北に旅行に行きました。

 

基本的にひとりでも海外大丈夫な私なのですが、行く前から彼が異様に盛り上がり、私たちの日程をきれいに決めてしまいました。

私たちがやりたいこと、行きたいところを網羅したスケジュールを、ファックスしてきたり。

じゃあおまかせしましょうと、私と友人二人(MとY)は、何も考えずに台北いりしました。

 

ホテルで待っていてくれたFは、早速私たちを地元で有名な北京ダックの店に連れていってくれました。

そこで、Fの恋人の彼女が待っていました。

私たちは楽しくおしゃべりしながら、夕食を終え、次の日からのスケジュールを打ち合わせしました。

 

それからは、彼の家族、友人関係が同行しないときは、必ず彼女が同行しました。

よく時間あるよなぁと思った友達が、Fにそれを問うと、彼女はすでに仕事を辞め自宅におり、生活の面倒はすべて彼がみているとのこと。

しかし、相変わらず彼の両親や知己は、その付き合いを反対しているとのことでした。

 

なぜそこまで執拗に反対されるのか、ということを別の友人が訪ねると、

「彼女は客家だし、ガイショウの人(ネイティブな台湾人ではない、中国本土からきた一族)だから」

という理由が返ってきました。

 

それで、彼の一族やら友達までがそこまで騒ぐもんかねーと、私たちは思いましたが、まぁ、個人のプライバシーにかかわる話ですし、文化や習慣の違う国のこと。

わからないこともあるでしょうと、それで納得しました。

 

 

二日目の夜、私たちは彼のお兄さんとその恋人をまじえて、お洒落な台湾料理の店で大盛り上がりしました。

 

お兄さんの恋人のエミリーが、私の耳元で「Fの恋人に会った?」と聞くので、

「彼がいる時はほとんど彼女もいるよ」

と答えると、エミリーは一瞬驚いた顔をして、

「彼らが付き合いを反対されてる話、知ってる?」

と私に尋ねました。

 

「知ってるけど、どうしてだかは知らない」

と答えた私に、エミリーは、

「彼女の一族に問題があるのよ」

とだけ呟きました。

 

その後、お茶しに行こうと通りを歩いていると、突然Fが顔色を変えて駆け出しました。

通りの向こうから、彼女が歩いてきていました。

「待ち合わせしていたの?」と聞いた私に、Fは「偶然」と答えましたが、

エミリーの顔色が変わり、賑やかだった彼のお兄さんが口をつぐんでしまったことを、私と友人ふたりは不思議に思いました。

 

当然のように私たちにジョインしたFの恋人は、

「今日は何していたの?」と屈託なく私たちに話かけます。

場は、妙にシラケていました。

 

長いから中略

最初は好意的であったFの恋人は、私たちに対して敵対心をちらちらほのめかしてきた。

F自身もなんだか、最初と比べて雰囲気がすっかり変わってしまったと私も思い始める。

で、なんやかんやあって帰国。

そっからはじめます。

 

 

最後まで彼女の毒気にあてられながらも、無事帰国した私たちは、

「ま、恋人の女友達に、ちょっと嫉妬はいっちゃったってことで」

と、自分たちで勝手にケリつけて、楽しかったことだけおぼえているような状態になった、年明けの2月。

 

ある時から私、身体が重くてかったるくて、朝、起き上がることができないという日々が続きました。

これが本当に、どうにもこうにも具合悪い。

あまりにだらだらとそれが続くので、精密検査に行きましたが、異常なし。

おかしいなぁ、なんなんだろうと思って、少ししてYから電話が入りました。

 

「泉ちゃん、Fの恋人からもらったカード、どうした?」

そう、私たちは旅行二日目に、彼女からパウチッコした観音様のような感じの女性の絵を、それぞれもらっていたのでした。

仏教の勉強をしていて、そこで買ったのよと、イタリアンレストランで彼女から笑顔で渡されたそのカード。

 

実は私の家族が、そういう宗教関係のものを人から貰うのを非常に嫌がり、年明け早々川崎大師の護摩焚きに際に、他の札と一緒に火に入れてしまっていたのでした。

どうにもこうにもそれを言いにくくて、もがもがしていたら・・

 

「まだ持っているんだったら、すぐ近くのお寺か神社にもっていって、処分してもらって!」とY。

「何をそこまで言い出すの?」と聞く私に、Yが話したこと。私の背筋が凍りました。

 

 

年明けから、いきなり不正出血が始まったY。

医者にいったが原因不明、それでも止まらず、ひどい貧血状態になってしまいました。

 

自分も刃物関係を扱う仕事のY、普段から鬼門にお清めのお塩を欠かしたことがありませんでした。

そうだ、Fの恋人からもらったお札が確か神様系だったなぁと思い出し、何気なくお清めのお塩のそばにその札を置いて寝ました。

 

朝起きて、玄関に新聞をとりにいったYは、蒼白になりました。

札の横で、清めの塩がきれいに溶けていたのです。真冬の2月に。

 

恐ろしくなったYは、友達に同行してもらって、その塩をつくっているお寺にいき、住職にその札を見せました。

住職がその札を持ったその瞬間。

「う!!」と声をあげた住職の鼻から、たらたらと血が流れてきました。

Yはその瞬間、貧血で失神しそうになったそうです。

 

「その札そのものには、悪いものはないんですって。
まぁ、ああいう神聖なものをパウチするってのは常識的にだめだけど。

で、この札は人からもらったものですね?って聞かれて、これをくれた人が、すさまじい強烈なネガティブなものを持ってるって言うのよ、その住職さん。
本人の意志云々じゃなくて、彼女が持つ何かがすごい悪いって。

他にもらった人がいますねって聞かれて、すぐにお寺か神社でお清めしてもらって処分するようにしないと、とんでもないことになるって言われたの!!

泉ちゃん、いい?その住職、お祓いもできる人なのに、自分では処分できないから、上のお寺に持っていくって言ったのよ」

 

私は正直に、すでに自分がもらったものは、大師様で処分したと伝えました。

残るはM。

そういうのをさっぱり信じないMは、案の定手帳に入れて持って歩いていました。私とYの話に、「わかったー」と明るく答えた彼女。

これで一応終わりと、私たち誰もが思っていました。

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