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浜名湖のSAでヒッチハイクしてきたモデルみたいな女との旅は道連れ世は情け

 2016.04.10     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
浜名湖のSA
この記事の所要時間: 753

以前、遠距離恋愛をしていた。彼女は関西、俺は東京に住んでいた。

十四年前の九月の三連休、知人に車を借りて彼女に会いに行くことになった。

会社での仕事を終えて、夜の十一時くらいに東京を出発した。

体は疲れていたが、彼女会いたさに強行した感じだった。

 

途中のサービスエリアで仮眠をとるつもりだったが、久々の長距離運転で興奮し、まったく眠たくなかった。

それでも、どこかで休まなければ、翌日の予定が狂ってしまう。

浜名湖のSAなんかいいかもしれない、売店が開いてればうなぎパイでも買うか、車のスピードを落とし、トラックの後を追走しながらそう考えた。

 

サービスエリアでトイレに入り、売店をのぞいたが閉まっていた。

自販でジュースを買い、あたりを少し見て回った。

 

普通車の駐車区画では、何台かの車が仮眠の為に停車している。

俺は少し離れた場所に車を移動し、寝ることにした。

蒸し暑い夜だった。

 

湖に近いから多少涼しいだろうと思っていたが、そうでもなかった。

ウィンドウを半分開けて、シートを倒して目を閉じる。

車のエンジン音が遠くなり、うとうとしかけた頃、コツコツという音で目がさめた。

誰かが窓をノックしていた。

 

黒いノースリーブのワンピースを着た女性が立っていた。

いきなりの事で驚いたが、眠気はいっぺんで吹き飛んだ。

目の前にいる女性は若く、何か場違いのような妖艶さを全身から醸し出している。

 

「どうしました?」

どきまぎしながら訊ねた。

 

「名古屋まで行きたいのですが」

女性はそれだけぽつりと答えた。

 

名古屋で高速を降りる予定はなかった。

時計は二時を回っている。

仮眠をとらなければ、朝には京都で彼女と落ち合うことになっている。

 

「だめですか」

「これってテレビの番組か何かですか?もしかしてタレントの人?」

 

女性は潤んだ瞳でこちらをじっと見つめていた。

興奮気味に色々話し掛けるが、憂いのある表情を浮かべて黙っている。

そして、小さく頭を下げると立ち去ろうとした。

 

「名古屋までいいですよ」

俺は焦ってそう声をかけた。

こんなことめったにあることじゃない。

 

女性は一瞬微笑んだようにも見えた。

助手席の方に回りこみ、隣に座るのかと思ったが、ドアノブに手を掛けて躊躇した。

(まあ初対面だし、ちょっと警戒してるのかな)

 

女性が後部座席の真ん中あたりに座るのを確認して、俺はエンジンをかけた。

ライトに映し出された二人組みの男がこちらを伺っていたらしい。

ハンドルを切ろうとして横を確認すると、車のドアを開けっ放しにした若い男が、上目遣いでこちらを見ている。

(こんなモデルみたいな女が俺を選んだんだ。羨望の眼差しってやつかね)

その時は脳天気にそう考えた。

 

高速に出てから、その女性はバックミラーごしにこちらをじっと見ていた。

まずヒッチハイクすることになった経緯から聞こうとしたのだが、列をなす大型トラックの騒音にかき消され、声が届かないようだった。

なかなか話が通じずに、というより、会話にならないまま車は西に向かった。

時々バックミラーに目をやると、女性は少し眉間にしわを寄せ、俺をじっと見つめていた。

 

「ちょっと気分が悪いので横になります」

「あっ、はい。どうぞ」

 

車はトンネルに入っていて、かなりの騒音だったのだが、はっきりと聞き取れた。

少し動揺してバックミラー越しに確認すると、女性の姿は見えなくなっていた。

話し掛けることがなくなって少し落ち着いてきたのだと思う。

自分の今の状況を考える余裕が出てきた。

女性への下心や彼女に対する苦しい言い訳、友人らのうまくやった話などが頭を駆け回ると、たちまち余裕はなくなった。

 

トンネルのゆるいカーブで突然側壁が迫った。

慌ててハンドルを戻すと、トラックのホーンが反響する。

ぎりぎりでやり過ごすとメーターは150キロを超えていた。

あやうく事故を起こしかけて動悸が激しくなっていた。

スピードを落としてトンネルを抜けてから、前後を走る車のライトが消えた。

(疲れている。やっぱり休もう)

 

「具合どう?」

ほとんど車の流れが途絶え、一呼吸ついたところだった。

 

「いやあ、さっきはちょっと危なかった」

返事はない。

すぐに美合PAの道路標識が見えた。

 

「寝てるのかな?」

見晴らしのいい直線で振り返ると、まっ白いふくらはぎが目に入った。

心もちスカートがめくれている。

もう一度確かめようとすると、突然女性が運転席に手を伸ばした。

シートの左肩のあたりを指でつかんだようだ。

 

「大丈夫?」

そう声をかけると、苦しげにうーんとうめいている。

スピードを上げてPAに向かう。

具合はどうか、持病があるのか質問するが、女性は低い声で唸っているばかりだった。

 

車を駐車区画に入れ、いったん外に出て後部座席のドアを開けた。

すると相手は体を起こし、一瞬こちらを睨みつけた。

 

「ねえ、どこが痛いの」

不安と混乱で強い口調になった。

「黙っていても分からないよ」

 

「水を」

女性は怒ったような顔でそれだけ言うと、額に手を当て頭を伏せた。

 

言われるままに車を離れ、水を求めて休息所へ走った。

ここまでくると、女性に対する好奇心より、不審な感じが勝っていた。

不安は的中した。

 

エビアンを買って車に戻ると女性の姿はなかった。

トイレに行ったことも考え、しばらくあたりをうろうろしたが、ついに女性は見つからなかった。

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