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捨てられた男を捜しに来たという捨てられた女

 2016.04.17     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
捨てられた男を捜しに来たという捨てられた女
この記事の所要時間: 848

【投稿者名】ノブオ ◆x.v8new4BM

 

はじめまして。俺は山の近くの村に住んでいます。

山は身近にあるんですが、俺はちょっと怖いと思うことが多いんです。

まぁ本当に怖い体験は数えるほどしかないのですが、そんな中で、今まで一番怖いと思った事を書きます。

俺は、みなさんのように文章が上手くないし、なんだかまとまらずに長くなってしまいました。

うざいと思ったらスルーして下さい。

 

2002年の9月、俺とシゲジとキイチは町に飲みに行きました。

最初は焼き肉屋。その後、スナックでカラオケやって、最後のラーメン屋を出たのが、たぶん1時半過ぎでした。

俺はアルコール飲まないんで、車の運転です。

キイチはもうベロベロで、後部座席に収まるとすぐに寝てしまいました。

 

国道から県道へ入ってすぐの交差点でした。

助手席のシゲジが「おい…おいって」と俺の腕を叩くのです。

「さっきの交差点に女がおったやろ」

 

県道のこのあたりは周囲は山ばかりで何もないし、深夜になると交通量も少ない。

だからそんなはずはないって思ったのですが、シゲジは「ちょっと戻ろうぜ」と執拗に誘うのです。

若い娘でけっこう可愛かった、とか言って。

 

「お前、酔っぱらってるのに顔とかなんてわかるんか?」

そう言いながらも車を方向転換させて、さっきの交差点に向かいました。

すると、居たんです。シゲジの言うとおり、交差点のところに若い女が。

 

女は、道端のちょっと草むらっぽいところにしゃがんでこっちに背中を向けていました。

ワケありかよー、とか考えながら、車を停めました。ライトは点けっぱなしで。

「おーい、何やってんや?こんなトコで」

 

女はくるっと振り向きました。

色が白くて、美人タイプの女なのがわかりました。

 

けど、その時の表情がちょっと忘れられないんです。

口がワっと全開になっていて、目も血走った感じのまん丸で、ビックリした顔のまま固まったみたいな表情でした。

そんな顔でこっちをじっと見ています。

 

ちょっと毒気を抜かれた感じで立ち竦んでいると、後ろからシゲジが話しかけてきました。

「あいつ、ゲロしてたんちゃうか?」

そう言われて見ると、口の端がよだれか何かで濡れているのがわかりました。

町で酔っぱらって、ここまで歩いてきて吐いたのかもしれません。

 

事情はともかく、このまま見過ごすのも悪いような気がして、こう言いました。

「家まで乗せてったるわ」

「*@?。&*#$%!」

女は口を開いたまま、訳のわからないことを言いました。

 

女が座っていたあたりの草むらで、ガサガサと何かが動く気配があるような気がします。

これはヤバイかも、そう思いました。

 

すると、女は口を閉じて今度は普通に喋りました。

「…乗せてって」

 

ちょっとおかしいとは思いましたが、こんなところで置いていくのも気が引けます。

見た目は可愛い女だったので、シゲジは「よっしゃ、それでオッケーなんや」とか、意味のわからないことを言って一人で盛り上がっています。

 

後部座席のドアを開くと、寝ているキイチの隣に女を座らせました。

「夜中やし、シートベルトはええやろ」

女を乗せると、俺は車をスタートさせました。

 

「…あんなトコで何してたんや?」

「誰かに捨てられたんかぁ?」

 

シゲジがしきりに後部座席に向かって話しかけています。

俺はバックミラーで女をチラチラと見ていました。

ちょっと短めの髪で整った顔立ちですが、ちょっと顔色が白すぎるように感じました。

車の揺れに合わせて白い顔がゆらゆらと揺れています。

 

「私が捨てられたんとちゃうねん」

突然、女が口を開きました。

 

「私は捨てられた男を捜しに来たんや」

ちょっと言っていることが良くわかりません。

 

「…なんや、男って彼氏か?」

いつの間に目覚めたのか、キイチが話に加わりました。

 

「ちょっとガッカリしたわ。せやけど意味ワカランな、その話」

どうやら大分前から意識はあったようです。

 

「ドコに行ったらええねん?」

俺は女に聞きました。

車は県道を自分らの村に向かって走っています。

 

「真っ直ぐ行って、もうちょっとしたら左」

女は運転席と助手席の間に身を乗り出して指示しました。

 

その時、バックミラー越しに女と目が合いました。

どこを見ているのかわからないような、何か疲れ切ったような目。

女はそのまま、ストンと後部座席の真ん中に座り直しました。

 

「そこ、そこ曲がって」

そんな感じで何回か曲がり角を曲がりました。

 

俺は、だんだんおかしいなと思い始めました。この先は山の奥で人里など無いのです。

シゲジもいつの間にか無口になっていました。

寝てるのかと思って見ると、目を開けたまま俯いています。

 

だんだん道が狭くなって、とうとう舗装もなくなりました。

「ほんまにこの道でエエんか?」

「…ええねん。もっと先や…」

男に挟まれて後部座席の中央に座っているので、悪路で揺れるたびに声が震えています。

 

「もうすぐやなぁ…」

女が独り言のようにそう言いました。

もうずいぶん奥まで来ています。もちろん、この先に人家などありません。

 

もうすぐどこに着くのか、俺はだんだん怖くなってきました。

女の顔を見ようかとミラーを見ましたが、暗くて表情が見えません。

助手席でシゲジが何かブツブツ言っています。

 

「ここで停めて」

林道の車廻しのところに車を停めました。

 

女は車から降りると、細い人が一人やっと通れるような山道の入口に向かいました。

あたりは月明かりで少し明るいのですが、木立の中は真っ暗です。

女の格好はワンピースにパンプスだったかハイヒールだったか、とにかく山歩きをする格好ではありませんでした。

 

「おい!どこ行くんや!そっちには何もないぞ!」

俺が叫ぶと、女は振り向きました。うっすら笑っています。

「早くおいでやぁ、もうちょっとやから」

 

女の後を追いかけようとして、誰かに肩を掴まれました。

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