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夕張のボタ山での火傷の治療にまつわる伝奇

 2016.04.29     本当は怖い民謡・民話     2件     Loadingお気に入りに追加
夕張のボタ山
この記事の所要時間: 443

 昭和の初め頃、夕張のボタ山でのお話。

開拓民として本州から渡って来ていた炭鉱夫、Aさんは、爆発事故に見舞われた。

一命はとりとめたものの、全身ヤケドの重体だった。

昔の事とて、ろくな治療も施されず、全身包帯に包まれて女房の待つ飯場の一部屋に担ぎこまれた。

付き添ってきた医者は、大怪我だが、今夜を乗切れば命は助かるだろう、何かあれば呼びに来なさい。

自宅の場所を教えて引き上げていってしまった。

 

 

 その真夜中。ロウソク一本の薄明かりの下、枕元でひとり看病していた女房がふと気が付くと、玄関に誰かの気配がする。

女房が出てみると、大勢の人間が立っている。彼等の云うには、

自分達はAさんと一緒に働いている仲間である。今日は大変な災難に会われて、お気の毒です。
すぐにでも見舞いに来たかったのだが、生憎我々も作業を中断するわけにいかず、こんな非常識な時間になってしまった。
どうか我々にもAさんの看病の手伝いをさせて欲しい、との事。

 

 女房はひとりで心細かった処への、この温かい申し出に感動し、部屋に入りきれないほどの仲間達を迎え入れた。

それぞれ、一人ずつAさんに話し掛け、励ましては部屋の中に座って、女房にも優しい言葉を掛けてくれる。

女房はすっかり安心してしまった。

 

 その中の一人が、自分は医術の心得がある、診察してやろう、と申し出た。見ればボタ山で働いているとは思えない立派な紳士だった。

誰かの知人なのだろうか。

彼は、これは酷いヤケドだが、私は幸いヤケドの治療法に長じている、今夜のうちに術を施せばAさんはすぐ治る、と言った。

女房に否応が言えるはずもない。やがて紳士による治療が薄暗がりの中で始まった。

 

 治療は荒っぽいものだった。

紳士は、ヤケドには、焼けこげた皮膚を取り除いてやるのが一番の治療法だと説明し、Aさんの身体を包んでいる包帯を取り除けると…。やがてAさんの皮膚を無造作に剥ぎ取り始めた。

炭鉱夫仲間でも屈強な身体付きで知られたAさんもこれは堪らない。

Aさんはあまりの苦痛に絶叫し、いっそ殺してくれと、泣き叫んだ。

女房はおろおろする以外、なにも出来ない。あまりの凄まじさに、自分も耳を塞いで泣き叫び始めた。

紳士は、ここが辛抱じゃ、すぐ楽にしてやる、と、声を掛けながら眉ひとつ動かさず作業を続ける。

 

 どれぐらい時間がたったか。

いつしかAさんの絶叫は治まっており、静寂が戻っている。

紳士は女房に、心配かけたがもう大丈夫、すぐに元気になるよ、と声を掛け、席を立った。

女房は何度も何度も頭をさげながら、表まで紳士を見送った。

遠い空がうっすら明るくなっている。もうすぐ夜明けだ。

 

 部屋に戻ると、さっきまで狭い部屋から溢れ出る程大勢いた見舞客がひとりも居なくなっている。

女房は不思議に思うより、不快に感じた。

帰るのだったら、一言くらい挨拶してくれても良いじゃ無いか。

疲れきった女房はAさんの枕元に腰を下ろし少し休もうと思ったが、Aさんの顔色をみて驚愕した。

夜明けの日差しの中で見るAさんの顔色、それはまるでロウのようだった。

女房はAさんに取りすがって再び号泣するしかなかった。

 

 騒ぎを聞きつけた隣人に連れてこられた医者は、Aさんを見るなり女房を怒鳴りつけた。

誰が患者をいじった!

Aさんを包む包帯の巻き方は、明らかに素人のものだった。

包帯を取り除けた医者は、Aさんの身体から目を背けた。

無惨に生皮を剥ぎ取られた遺体がそこにあった。

 

 あまりの奇怪な事件に、警察が呼ばれ、半狂乱の女房から何とか事情を聞き出した。

だが、その夜現れた男達も、例の紳士も、ボタ山はおろか近隣の町村にも該当者はいなかったと云う。

話を聞いたある人が、それはキツネの仕業だろう、と言ったそうだ。

キツネにとって、人間の瘡蓋や火傷瘡は霊薬になるとされ、
ある地方では火傷や瘡蓋のある者は山にはいるとキツネにだまされるという言い伝えがあると云う。

 

 女房は目の悪い女で、日頃から泣き腫らしたような瞼の持ち主だったという。

キツネはそれに付け込んだのだろうか。

残念ながら、女房がその後どうなったかまでは、この伝奇の採集者は伝えていない。

画像出典元:photozou.jp

ボタ山とは?

ボタ山(ボタやま)とは石炭や亜炭の採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積場である。

ぼた山と平仮名表記をすることもある。漢字では硬山と書く。

ズリ山の一種で、主に石炭産業が栄えた北海道、常磐、九州北部等で見ることができる。過去の産業遺産ともいえる。

なお、日本の地すべり等防止法では「ぼた山」と表記され、「石炭又は亜炭に係る捨石が集積されてできた山であって、この法律の施行の際現に存するものをいい、鉱山保安法 及び経済産業省設置法の一部を改正する法律(平成十六年法律第九十四号)第一条の規定による改正前の鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第四条又は第二十六条の規定により鉱業権者又は鉱業権者とみなされる者がこの法律の施行の際必要な措置を講ずべきであったものを除く」と定義されている(地すべり等防止法2条2項)。

出典元:ja.wikipedia.org

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コメント

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/04/29(金) 08:14:43 ID:U5OTQ1Njg

    九州で炭鉱夫だった人の自伝に出ていた話をそのままパクっている内容ですね。九州→夕張と場所を変更している所が姑息です。有名な著書なのでかなり読んでいる人がいると思われますし話の内容もオリジナリティがあって印象に残る物ですから、あまり勝手に引用しない方が良かったのでは?

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/11/21(月) 14:53:15 ID:M3NzE0MjY

    聞いた事あるけどこれ九州の話やろ
    こういうのを他所の話にしてまう
    なんか九州の人のメンタリティーが判る気がするよ

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