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コダマネズミという山の妖怪に関する言い伝え

コダマネズミという山の妖怪に関する言い伝え
この記事の所要時間: 32

皆さんはコダマネズミを御存知ですか。

猟師が獲物を求め山を歩いていると、ぽん、と何かが破裂する音が聞こえる事があるそうです。

それは、コダマネズミがはじけた音。

近寄って見てみると、そこには、背中が裂けて内蔵を飛び散らかしたネズミの死骸があるそうです。

 

この音を聞いた猟師は、

そっちはこだまのるいか。
こっちはしげのるい。
ぶんぶきままにくうらす。
なむあびらうんけんそわか。

と3回唱えなければ、猟を続けても獲物は捕れず、なにか障りが起きるとさえ言われています。

 

何故、数ある獣のなかで、コダマネズミだけがこんな無惨な死に方をするのか。

こんな言い伝えがあるそうです。

 

 

むかし、むかし。今の秋田県あたりの山中にふた組の猟師の組が入っておりました。

一方はこだま衆。

一方はしげ衆。

彼等は集団ごとに山に入り、協力しあって猪や熊、羚羊などの狩を生業としていました。

 

季節はもう冬。

冬の事とて獲物は少なく、気落ちしたこだま衆が狩り場を変えようと移動している道すがら。

山道に、大きなお腹を抱えた、若く美しい女が蹲っております。

 

「薪拾いに山に入りましたが、生憎降りる前に産気付いてしまいました。お願いです。貴方達の小屋で子供を生ませていただけませんでしょうか?」

 

猟師にとって山は神聖なものです。女は山に入れない、とされておりました。

まして、お産は、死者のケガレ、(女の)月のケガレと共に、最大のケガレとされております。

(皆さん御存知のように、神社は今でもそうですね)

 

しげ衆の頭領は憎々しげにこう吐き捨てました。

「女、何処なりと行ってしまえ。ちっ、縁起が悪い、もう今日の狩りは終わりだ!」

女は追い立てられ、悔しそうにこだま衆を睨みながら立ち去った。

 

猟を終えたしげ衆たちが山小屋で粗末な食事を取っていると、先程の女が助けを求めてきました。

しげ衆にとっても、妊婦など歓迎しかねる存在には違いありません。

しかし、あまりに苦しそうで哀れな様子に、しげ衆は、招きいれ介抱してやることにしました。

 

その明け方、女はなんと12人もの赤ん坊を産んだそうです。

驚くしげ衆に、女は厚く礼をのべ、続けてこう言ったそうです。

 

「私は山神です。今日の御礼に、貴方達には山の幸を授けましょう。
明日、狩りをすれば、何でもお好みの獲物が得られるはずです。
…それにしても、憎いのはこだま衆。
貴方達、猟の帰りに、こだまの小屋に立ち寄ってみるがよい。
私の怒りが、並み大抵のものでは無いことが判るでしょう…。」

 

言われた通り、その日の狩りは、当分遊んで暮らせる程の大猟でした。

そして、帰りにこだま衆の小屋によってみると…小屋には誰もいませんでした。

しかし、小屋の片隅に…

 

もう、皆さん判りますよね。

画像出典元:flamboyant.jp

コダマネズミとは?

コダマネズミ=ヤマネ(山鼠、冬眠鼠、Glirulus japonicus)は、哺乳綱ネズミ目(齧歯目)ヤマネ科ヤマネ属に分類される齧歯類。現生種では本種のみでヤマネ属を構成する。別名ニホンヤマネ。

秋田のマタギに伝わる妖怪で、ヤマネのことだが山の神様の使いでもあるという。

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