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モリモリさま|高知の山深い小さな集落一帯の森の守り神

 2016.05.09     都市伝説・ネタ     2件     Loadingお気に入りに追加
不気味な森の道
この記事の所要時間: 853

俺の田舎は四国。

詳しくは言えないけど、高知の山のそのまた山深い小さな集落だ。

田舎と言っても、祖母の故郷であって親父の代からずっと関西暮らしで、親類縁者も殆どが村を出ていたため、長らく疎遠。

 

俺が小さい頃に一度行ったっきりで、足の悪い祖母は20年は帰ってもいないし取り立てて連絡をとりあうわけでもなし。

とにかく、全くといっていいほど関わりがなかった。

成長した俺は免許を取り、ぼろいデミオで大阪の街を乗り回していたのだが・・

 

ある日、どこぞの営業バンが横っ腹に突っ込んできてあえなく廃車となってしまった。

貧乏な俺は、泣く泣く車生活を断念しようとしていたところに、例の田舎から連絡が入った。

本当に偶然、近況報告みたいな形で電話してきたらしい。

 

電話に出たのは親父だが、俺が事故で車を失った話をしたところ

「車を一台処分するところだった、なんならタダでやるけどいらないか?」

と言ってきたんだそうだ。

 

勝手に話をすすめて、俺が帰宅した時に

「あたらしい車が来るぞ!」

と親父が言うもんだからびっくりした。

 

元々の所有者の大叔父が、歳くって狭い山道の運転は危なっかしいとの理由で、後日ほんとに陸送で車が届けられた。

デミオよかダンチでこっちの方がぼろい。

やって来たのは古い古い71マークⅡだった。

それでも車好きな俺は逆に大喜びし、ホイールを入れたり程良く車高を落としたりして自分の赴くまま遊んだ。

俺はこのマークⅡをとても気に入り、通勤も遊びも全部これで行った。

 

 

その状態で二年が過ぎた。本題はここからである。

元々の所有者だった大叔父が死んだ。

連絡は来たのだが、一応連絡寄越しましたみたいな雰囲気で死因を話そうともしないし、お通夜やお葬式のことを聞いても終始茶を濁す感じでそのまま電話はきれたそう。

 

久々に帰ろうかと話も出たのだが、前述の通り祖母は足も悪いし両親も専門職でなかなか都合もつかない。

もとより深い関わりもなかったし電話も変だったのでその場はお流れになったのだが、ちょうど俺が色々あって退職するかしないかの時期で暇があったので、これも何かのタイミングかと、俺が一人で高知に帰る運びとなった。

早速、愛車のマークⅡに乗り込み高速を飛ばす。

 

夜明けぐらいには着けそうだったが、村に続く山道で深い霧に囲まれ、にっちもさっちもいかなくなってしまった。

多少の霧どころじゃない、マジの濃霧で前も横も全く見えない。

ライトがキラキラ反射してとても眩しい。

仕方なく車を停め、タバコに火をつけ窓を少し開ける。

 

鬱蒼と茂る森の中、離合も出来ない狭い道で暗闇と霧にまかれているのがふっと怖くなった。

カーステを絞る。

何の音も聞こえない。

いつも人と車で溢れる大阪とは違い、ここは本当に静かだ。マークⅡのエンジン音のみが響く。

 

ア‥‥

…何か聞こえる。なんだ?

 

ア‥‥アム‥‥

なんだ、何の音だ?

急に不可解な、子供のような高い声がどこからともなく聞こえてきた。

カーステを更に絞り、少しだけ開いた窓に耳をそばだてる。

 

ア‥アモ‥ア‥

…声が近付いてきている。

尚も霧は深い。急激に怖くなり、窓を閉めようとした。

 

「みつけた」

 

身体がカキンコキンに強張った。

なんだ今の声。

左の耳元で聞こえた。

外じゃない。

車内に何かいる。

 

ア…ア……ア…

子供の声色だ。

はっきり聞こえる。左だ。車の中だ。

 

アモ…アム…アモ…

なんだ。何を言ってるんだ。

前を向いたまま、前方の霧から目をそらせない。

曲面のワイドミラーをのぞけば、間違いなく声の主は見える。

見えてしまう。

やばい。見たくない。

 

アモ。

左耳のすぐそばで聞こえ、俺は気を失った。

 

 

「おーい、大丈夫かー」

 

外から知らんおっさんに呼び掛けられ目を覚ました。

時計を見ると八時半。

とっくに夜は明け、霧も嘘のように晴れていた。

どうやら後続車が俺が邪魔で通れないようだった。

 

「大丈夫、すぐ行きますんで…すみません」

言ってアクセルを踏み込む。

明るい車内にはもちろん何もいない。

夢でも見たかな、なに言ってんだかさっぱり意味わかんなかったし。

ただ、根元まで燃え尽きた吸殻がフロアに転がってるのを見ると、夢とは思えなかった。

 

到着した俺を大叔母たちはこころよく出迎えてくれた。

電話で聞いていた雰囲気とはうってかわってよく喋る。

大叔父の葬式が済んだばかりとは思えない元気っぷりだった。

 

とりあえず線香をあげ、茶を淹れていただき、会話に華をさかせる。

「道、狭かったでしょう!朝には着くって聞いてて全然来ないもんだから、崖から落ちちゃったかと思ったわ!」

「いやーそれがですねえ、変な体験しちゃいまして」

 

今朝の出来事を話してみたが、途中から不安になってきた。

にこにこしていた大叔母たちの表情が目に見えるように曇っていったからだ。

 

「モリモリさまだ…」

「まさか…じいさんが死んで終わったはずじゃ…」

モリモリ?なんじゃそりゃ、ギャグか?

 

「…あんた、もう帰り。帰ったらすぐ車は処分しなさい」

なんだって?こないだ車高調入れたばっかりなのに何言ってんだ!

それに来たばっかりで帰れだなんて・・・・

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コメント

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/05/11(水) 07:07:30 ID:MwMzg0MDM

    結局、姿見てるんじゃねーかw

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/11/19(土) 09:06:10 ID:k1NzE3Njk

    なんだかんだで、モリモリさまの姿を見ちゃってる訳だけど…大丈夫なの?

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