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入っちゃいけない場所=禁足地の主に救われた我が人生

不気味な森の道
この記事の所要時間: 539

不思議ってか、ネタくさい話。正直、俺も当事者じゃなかったら信じない。

実は俺、中学の時に死のうと思ってたんだわ。

スッゲーいじめにあってて、教師も見て見ぬフリ。両親はW不倫で俺に興味ナシ。

身体中に痣があって、その日は顔もボコボコで、もう息をするのも辛かった。

 

で、結構な田舎だから、定番の『入っちゃいけない場所』があったのよ。

ヤンキーとかも、何故か入らない。本当に触れちゃいけない場所だったんだと今では思う。

張り巡らされていたロープ…というよりは、なんか変な紙の塊が帯になったものをくぐって、道なき道を歩いていたら、少し開けた場所に出た。

 

死のうと思っていたくせに、首吊るロープとか包丁とかも無くて、落書きとか裂かれたりした学生鞄の中に、同じような惨状の教科書類。

どうにもならなくて、そこら辺の木にもたれかかって、そのまま寝てしまった。

 

これは自分だけかもしれないが、毎日眠れなかった。

身体中痛くて、精神的にも疲労していて、休まなければいけないのに眠れない。

寝たら、次の日が来てしまう。学校を休んでも、両親のどちらかが相手を連れ込んで自分を邪魔にする。時には蹴られ、殴られたりする。

 

もうどうでもよくなっていたのか、体が限界だったのか、すぐに寝てしまった。

そしたら、学校にいる時みたいなざわめきが起こった。

俺に対するいじめは、無視も暴力も中傷もあって、基本的に休み時間は机に突っ伏してやり過ごしているんだが、聞こえて来るのさ。悪口が。

関係無い話とかも聞こえて来るんだけど。

 

そんな感じで、やっぱり俺の悪口が聞こえて来るの。

けど、何故かいつもみたいに具体的な言葉ではない。キモイとか死ねばいいのにとか臭いとか過去の些細な失敗とか。

そういうのじゃなくて、悪口なのはわかるんだけど『なにあれ』とか『どういう事』とか、どうも戸惑っているような感じだった。

忌々しそうな物言いだったから、きっと悪口だろう。

 

それが夢だと思っていて、ようやく眠れたのに、夢の中でもこんなに苦しまなければいけないのかと思って、どうにも泣けて来た。それで、大声上げて泣いたんだわ。

耳がビリビリして、眼の前真っ暗で、体もグラグラして、気絶するまで泣いていた。

今までされた事を思い出しながら、もう嫌だと泣き叫んでた。

 

気が付いたら、誰にもこの場所に行く事なんて言っていないのに、三人の人間に発見された。

ここらの土地の有力者?みたいな有名な婆さんと、なんか見た事無いけど、その家系の人らしい男女。

実は、俺はこの婆さんの孫に虐められていた。だから、誰も味方になってくれなかった。

 

しかし、婆さん達は俺を保護すると、すぐに孫の所に連れ行った。顔も見たくなかったのに。

が、ボロボロの俺の前で、物凄く怯えていて、何も怖いものなんか無いみたいな孫が、その時は震えてた。

土下座して謝られて、それで何故か俺の家まで連絡が行って、色々なストレスと怪我が元で暫く入院して、退院した頃には全てが変わっていた。

 

今まで虐めていた奴らや教師、しかも校長とかまで俺に謝りに来た。意味がわからなかった。

両親も土下座だった。マジ意味がわからない。

そのまま、また婆さんに呼ばれて孫の家に行く事に。

 

婆さんが土地の有力者の理由ってのが、なんか、口寄せ?予言?みたいのが出来るかららしい。

代々この家の人間の力だそうで、どうもあの森の中の『何か』が婆さんの頭の中に色々な映像を見せるそうだ。テレビと電波とか、そういうもん?

 

で、その受信はいつ来るかわからないものらしい上に、どうでもいい事や重要な事が混在しているそうだ。

俺が気絶したくらいと同時刻、婆さんの頭の中に、俺が家や学校で受けている仕打ちと、森の中で倒れている映像や音声を受信したそうだ。

嘘みたいな話だが、本当に誰にも言っていなかったから、信じるしかなかった。

婆さんは清廉潔白な人だから、あまりの仕打ちに大激怒してくれたそうだ。

 

しかし、本来ならこんな事は無いらしい。森の中に入った人物は、皆精神に異常を来すか死亡するか、ともかく正常な心のまま帰って来る事は出来ないそうだ。

そして、婆さんに呼ばれた理由。

なんと『森の中の人』からの伝言が俺にあったらしい。

 

婆さんは苦笑しながら、受信した言葉を伝えてくれた。

『○○△△(俺の本名)の声はとても不愉快だ。二度と来るな。次は無い。気持ちが悪い』

 

…本当に、気持が悪い、まで言っていたそうだ。

婆さん曰く、なんか俺の声は人でないもの、特に実体を持たないものを抑え付ける何かがあるらしい。

俺が泣き叫んだせいで、体調を崩す程に消耗させられたそうだ。

 

その日以降、森にも行かなかったが、両親含め周囲が腫れものを扱うかのように他人行儀になり、結局それに耐えられず、中学を卒業と共に都会に逃亡。

勤めて結婚も出来て子供も生まれ、年老いた両親から連絡があり、和解の為に十数年ぶりに帰郷。

 

家に行くまでにあの森を通り掛かったら、いきなり五歳の娘がギャン泣き。

『森の前で、イース(?キース?なんかのアニメの女の子?)が怖い顔で見てた』とか言い出した。

これ以上ここにいたくないという娘を嫁に任せて、近くのファミレスに避難させた。

まだ生きていた婆さんと両親との挨拶もそこそこに、もう二度と帰って来ない事を誓って、自宅に帰った。

 

 

余談だが、本当に出るという曰く付きの格安物件をわざと借りて、三日ほど家の色んな所で歌い続けていたら、いつの間にかいなくなっていたらしい。

(様子を見に来た不動産屋や、見えるらしい知り合いが曰く、目に見えて建物の雰囲気が変わったと驚いていた。俺自身に霊感とかは一切無いしわからない)

 

というか、今住んでいる所も、土地の広さと家のでかさの割に妙に安かった。わざとやった。

そして過去現在、何事も起きていない。ここら辺りは、森の中の人に感謝しています。

嘘みたいな、本当にあった話でした。

 

正直、見えないものよりも人間の方が怖かった。

俺は何も変わっていないのに、態度が百八十度変わられると本当に恐怖を抱いた。

自分だけ別の世界に放り込まれたような気分だった。

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