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ハイウェイヒプノーシスや集団催眠の様な状態に陥った怪談ドライブ

 2016.05.14     オカルト・超常現象     1件     Loadingお気に入りに追加
ハイウェイヒプノーシスや集団催眠の様な状態に陥った怪談ドライブ
この記事の所要時間: 1336

もう十数年前、大学生だった私は、部活の夏合宿(と言う名目の旅行)に出かけ、その帰り、大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、地元の花火大会を見学していた。

花火大会の後、会場近くの河原で買い込んだ花火を楽しみ、そのまま先輩の車に同乗させてもらい、東京に帰ることになった。

 

河原で花火を楽しみ、しばらく休んだ後の出発だったので、時間は、12時を過ぎて、1時になろうとしていた。

今から考えれば危険極まりないが、若さゆえか、誰もそんなことを気にしていなかった。

 

「先輩、運転疲れたら行ってください、俺ら変わりますから。」

「おお、そんときゃたのむわ。ま、高速乗るまでは、道知ってんの俺だけだし。高速まではゆっくり行って60分位だし、高速乗った最初のSAで、運転変わってもらうかも。でもぶつけるなよ。俺の愛車。」

「大丈夫ですよ。」

 

皆で(と言っても、先輩、私含め4名でしたが)先輩の車に乗り込み、出発します。

運転席に先輩、助手席にA、私ともう一人のBは後ろ座席です。

走り始めて10分~15分ぐらいで、車は山道に差し掛かり始めました。

この道を越えるとインターがあるとのこと。

 

「知ってるか?この辺りにはさ、神隠しの伝承があるんだ。」と先輩が話し始めます。

「ああ、俺の田舎でも、そういう伝承のある山がありました。」とB。

 

「ああ、でもさ、ここは、明治になった後、いや、戦後でも神隠しが発生したらしいんだ。」

「まじっすか?」

「ああ、明治の頃、日本人は迷信にとらわれすぎている、って考えていた若い帝大の教授が、迷信であることを証明する。として、ここで、それを実行して、で、神隠しにあったんだと。」

 

「へえ?で、神隠し、って事は、当然そのまま行方不明なんですよね?」

「ああ、でな、その後、この辺の人達はそれを恐れて、この山に近づかなくなったんだ。でも戦後になって、その記憶が薄れたのと、戦後の雰囲気っていうのかな?30年ごろ、東京の大学院生達がここにきて、神隠し事件を調べようとしてさ、やはり行方不明になったんだ。」

 

「でも、戦後じゃ、警察とか動きますよね。いや、明治でも動いと思いますけど。」と私。

「ああ、警察、消防団とか総動員で山狩りをしたんだけど、結局何の手がかりもなかったんだって。まあ、戦後になったとはいえ、田舎だから、年寄りとかはまだまだ迷信深くて、最初は山に入りたがらなかったって話だけど。」

 

「へえ、新聞に載ったんですかね?」

「地元の新聞には載ったらしい。」

 

「何かの事件に巻き込まれたんですかね?」

「まあ、そんな所かもしれないが、地元の年寄りたちは、やっぱり神隠しの伝承は本当だった。物見遊山気分だから、神隠しにあったんだ。って噂し合ったんだ。」

 

「なんか横溝正史の小説か、浅見光彦みたいですね。」

「神隠し伝説殺人事件とか」

軽く笑う4人。

 

「そういえば、俺の田舎でも・・・」Bが話を引き継いで、地元の怪談を話し始めました。

Bが話を終えた後、Aが、自分が高校時代に聞いた学校の怪談を始めました。

こうなると私も話さないわけにはいきません。私も中学の頃聞いた怪談話を話します。

 

で、私が話し終わると、促されたわけでもないのに、再びBが怪談を始めました。

まあ、眠気覚ましには話をするのが一番と言われているし、危険な夜間のドライブ、みんなでこうやって話し(しかも怪談)ていれば、眠気も飛ぶかもしれない。

私もそう思い、Bの後、再び怪談を始めたAの話が終わった後、怪談を始めました。

B→A→私、の順番で、話を続けます。

 

途中で先輩も話に巻き込もうとしましたが、運転に集中したい。

また、怪談聞いていれば眠くならないから、聞き手に回っています。

結局、私、A、Bで会談を続けることになりました。

 

どのぐらい時間がったったのかは、時計を見ていなかったので覚えていませんが、途中で少々妙なことに気が付きました。

もう10回以上、私は怪談をしているのです。

B→A→私。

という順番は堅持されていたので、皆で30以上の怪談を話していることになります。

 

一つの話に3分としても90分はかかっている計算になります。

もう高速に乗っていてもいい筈ですが、まだ山道から出た気配すらありません。

『こういう状況だから、時間が長く感じるのかな?』

疑問に思ってもいましたが、同時にそうとも考えました。

 

「おい、○○、お前の番だぞ。」

「ああ、じゃあ・・・・」

Aに促され、再び私も怪談を始めます。

で、頭に沸いた疑問もそこで打ち切りになり、再び怪談話の輪に戻ります。

 

「・・・・・・という話だ。」

Aが、何度目になるかは分からない怪談を終えます。

『次は俺の番か』どの話をしようか考え始めた時、ふと、先ほどの疑問が頭をよぎります。

 

あの後、10回、いや20回は、怪談を話しています。

合わせれば30回以上は怪談をしていたような気がします。

いや、実際はそんなにしていないかもしれませんが、かなりの回数の怪談を話したのは事実です。

 

時間で言えば、1時間、いや、2時間はとっくに経過していていいはずです。

なのに未だに山道から出ていないのです。

『道に迷ったのかな?』そうも思いましたが、それにしても時間がかかりすぎです。

 

ここが何処かはわかりません。カーナビもない時代。(一応あるにはあったが、学生の車に搭載できるような代物ではなかった)

周りは真っ暗。いや、真っ暗すぎます。まさに墨を流したような暗闇です。

一気に不安が広がります。

 

「今のAの話で99話目だ。」

「え?」今まで黙っていた先輩が突然口を開いたので、驚いて聞き返す私。

 

「だから、今のAの話で、怪談99話目だったんだよ。」

「へえ、そんなに話したんですか俺ら。」気軽に受けるB。

「案外、怪談知っているもんなんですね。」Aも普通に受け答えしている中、私だけが、混乱し始めていました。

 

99話、一話3分程として、300分近い時間、つまり5時間は経過しているはずです。

出発したとき1時なのですから、今の時間は、6時近く。

もう、夜が明けていいはずです。

いや、それほどの時間がたっていなかったとしても、高速のインターにはとっくに着いているはずです。

 

なのに相変わらず山道らしいところ、というか、

何処かすらわからない、真っ暗闇の中を車は走り続けているのです。

恐怖の感覚が私を襲いました。

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コメント

    • 名前: 百目鬼
    • 投稿日:2016/05/14(土) 08:15:41 ID:cwODUyMDA

    新たな天地を望むか?

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