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テレビ局でお蔵入りになった心霊廃墟に挑んだ俺の懺悔

人が入ってはいけない場所
この記事の所要時間: 541

これは俺の懺悔でもある。

かなり前の事だ。

高校時代の仲が良かった友に偶然再会した。

懐かしくて飲みに行く事になった。

 

その時は俺も友もフリーターでその日暮しの状態。

でも、友のバイトはテレビ局の関係だったんだ。

芸能人の○○を見たとか自慢していた。

住んでる所が割と近かったので、ちょくちょく遊ぶようになった。

 

 

ある日、友が興奮した感じで変な物を持ってきたんだ

ビデオテープと汚い書類?だった。

ラベルには「心霊廃墟に挑む!」みたいな事がマジックで書かれてた。その上から赤マジックで大きく×が書いてあった。

書類を見てわかったのは番組の台本だって事。日付はかなり昔、心霊ブームだった頃。

 

友は保管庫の処分品の中から見つけてきたと言った。

局の改装があってゴミ運び中に見つけたと。

ビデオは普通のデッキじゃ再生できなかった。

マニアな知り合いの所に行って再生したが、中身は消されて空だった。

 

ちょうど今頃、GW明けで道も空いてるから探検行こうと友が言い出した。

俺は当時、心霊をまったく否定していた。

だから楽しそうだと思ってしまったんだ、行く事になったんだ。

 

友が先輩から金払って4wd借りてきた。

それでガラガラの高速乗って台本に書いてある所に向かったんだ。

俺達が興味をもったのは、書かれていた場所が意外な所だったから。

 

普通、人が死んだ滝とか、自殺者が多い橋とかだよね。

国の施設だったんだ。

試験場跡地。これしか書けない、すまない。

 

友は企画が中止してるし、意外な場所だからマジなんじゃないかと興奮してた。

場所はものすごい山の中でした。

うっすらと車の轍が残っているのを頼りに藪の中を4wdで進んでいった。

かなり危ない急勾配を登っていった、ほとんど崖だった。

今思うと、テレビ局が通る為に切り開いた道だったと思う。正面にでかいゲートがあって封鎖されていたから。

 

さすがにもう進めないと思った頃に急に開けた場所に出た。

すごいでかい建物だった、人の気配は感じなかったけど廃墟っぽくなかった。

窓とか割られていないし、よくあるイタズラ書きなんかが一切なかった。

むしろキレイな感じだった、未使用みたいな。

 

友は急に興奮が冷めたようだった。

鳥の声とか聞こえなくなったよ、とか言って怯えていた。

たしかにすごいくらい静かだった、風の音さえなかったと思う。

この時はもう夕方で建物が茜色になってた。

 

俺は本当に信じてなかった、馬鹿だった。

友はかなり嫌がってた、やめようと言い出した。

俺は「お前が誘ったんだろう」と言って友を連れて中に入った。

俺は本当に無知だった。

 

正面の大きなガラス戸は片方が外れていた。

中は新築同様だった、すごく異様だった。

なんで廃墟なんだ?と思った、すぐにでも利用できそうな状態だった。

キレイな廃墟だなと友に言ったが上の空だった。

 

友は、帰りたいと言い出した。

まだ入り口からすぐの通路だった。

俺は2階も見てみようと言った、友は行きたくないと言った。

俺は友を意気地なしだと言って2階へ登った。

 

2階に登ると長い通路が待っていた。

突き当りまでずーっと窓が続く、学校の廊下のような感じ。

その途中にソファーの置いてある喫煙場所みたいなところがあった。

そして床にカメラが転がっていた。撮影用だと思う、おおきいカメラ。なんか壊れていてホコリをかぶってた。

 

俺は急に怖くなったんだ。ここで何かが起こったんだと思った。

そしたら、1階から友の声が聞こえてきた。

叫んでる感じじゃなく、一定の声で「あー」と言ってる。

急いで降りたら、通路の入り口から反対の突き当たりにいた。

 

本当に怖かった。友は突き当たりの壁に大の字になってピッタリくっついていた、壁に向かって。

俺は近づいて声をかけたが「あー」と言ったまま壁に向いたままだった。

肩を掴んだ瞬間、「ぎゃははは」と笑い始めた、壁に向いたままだ。

俺はもうどうしようもなかった。

怖くて恐ろしくて、逃げ出した。

 

停めてあった車まで戻ったが鍵は友が持っていた。

俺は戻りたくなかった。

けどどうしようもなかった、建物に戻ろうとしたら、友が窓からこっちを見ていた。

 

笑っていた。

口が裂けるんじゃないかと思うぐらいの勢いで笑っていた。

俺は友のイタズラに騙されたのかと思ったが違かった。

よく見ると、泣きながら笑っていた。

窓にべったりとくっついてすごい笑っていた。

 

夕日が窓からずれて反射がなくなり中が見えた。

友の周りに、一階の通路を全部埋め尽くすように人がいた。

よくは見えなかったが、人の形をしていた何かが友に押し寄せるように、満員電車みたいにひしめいていた。

俺はもうその時半分、発狂していたと思う。

山を駆け下りて自力で町まで降りてきちゃったんだ。

 

その時はもう夜で俺は何とか駅まで来れた。

疲れたという感覚が無かった、少しでもあの場所から遠ざかりたかった。

運良くタクシーが捕まり、住所だけ伝えて頭を抱えて震えてた。

窓を見たら何かが居そうで怖かったんだ。

 

家に着いたら布団に潜ったが、怖くなってコンビニ行って朝まで過ごした。

朝になって落ち着いたら重大な事をしたと後悔した。

友を置き去りにした。でも、二度とあそこには行きたくない。

バイトを無断でやめて、ブラブラしていた。

軽く不眠になってファミレスとかで夜を過ごしていた。

 

しばらくして電話をしたら友は戻ってきていた。

俺はなんて言っていいかわからなかったが、友は何が?と言っていた。

自分がどうなっていたのか覚えていなかった。

 

一ヵ月後に友は死んだ。

自殺か事故かはわからなかった。

あそこに行ったせいだと思う。

そして俺のせいだ、俺が逃げたせい。

 

テレビ局もあれにあって取材を中止したんだと思う。

あそこは人が入っていい場所じゃないんだ。

GWになるといつも思い出してしまう。

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