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「リアル」本当に悪いモノは時間をかけて蝕み続け決して終らせない

 2016.05.23     都市伝説・ネタ     9件     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 496

目が覚めるとすでに陽は登っていて、久しぶりに眠れてすっきりした。

実際には丸1日半眠っていたらしい。多分、あんなに長く眠るなんてもうないだろうな。

外を見ると、車は見慣れない景色の中を進んでいた。

 

少しずつ、見覚えのある景色が目に入り始めた。道路の中央に電車が走っている。

車は長崎に着いていた。これには俺も流石に驚いた。

怯え続ける俺を気遣い、飛行機や新幹線は避け車での移動にしてくれたらしい。

途中で休憩は何度も入れたらしいが、それでもろくに眠らず車を走らせ続けた父と、俺が怖がらないようにずっと寄り添ってくれた母への恩は、一生かけても返しきれそうもない。

 

祖父母の住む所は、長崎の柳川という。柳川に着くと坂道の下に車を停め、両親が祖父母を呼びに行った。

(祖父母の家は、坂道から脇に入った石段を登った先にある)

その間、俺は車の中に一人きりの状態になった。

 

両親が二人で出ていったのは、足腰の悪い祖母や、S先生の家に持っていく荷物を運ぶのを手伝うためだったのだが、自分で「大丈夫、行って来て」なんて言ったのは、本当に舐めてた証拠だと思う。

久しぶりに眠れた事や、今いる場所が東京・埼玉と随分離れた長崎だった事が、気を弛めたのかもしれない。

車の後部座席に足をまるめて座り(体育座りね)、外をぼーっと眺めていると、急に首に痛みが走った。

今までの痛みと比較にならないほど、言い過ぎかも知れないが激痛が走った。

 

首に手をやると滑りがあった。…血が出てた。

指先に付いた血が、否応なしに俺を現実に引き戻した。

この時、怖いとか、アイツが近くにいるかもって考える前に、「またかよ…」ってなげやりな気持ちが先に来たな。

もう何か嫌になって泣けてきた。

 

分かってもらえれば嬉しいけど、嫌な事が少しの間をおいて続けて起きるのって、もうどうしようも無いくらい落ち込むんだよね。

気持ちの整理が着き始めると嫌な事が起きるっては辛いよね。

この時は少し気が弛んでいたから尚更で、

「どーしろっつーんだよ!!」とか、「いい加減にしてくれよ」とか独り言をぶつぶつ言いながら泣いてた。

 

車に両親が祖父母を連れて戻って来たんだけど、すぐにパニックになった。

何しろ問題の俺が、首から血を流しながら、後部座席で項垂れて泣いてるからね。何も無い訳がないよな。

「どうした?」とか、「何とか言え!」とか、「もぅやだー」とか、「Tちゃん、しっかりせんか!!」とか、「どげんしたと!?」とか、「あなたどうしよう」とか。

この時は思わず、「てめぇらぅるっせーんだよ!!」って怒鳴ってしまった。

こんな時に説明なんか出来るわけねーだろって、てめぇらじゃ何も出来ねぇ癖に…黙ってろよ!とか思ってたな。

勝手に悪い事になって仕事は辞めるわ、騙されそうになるわ…こんな俺みたいな駄目な奴のために、走り回ってくれてる人達なのに…。今考えると本当に恥ずかしい。

 

で、人生で一度きりなんだけどさ、親父がいきなり俺の左頬に平手打ちをしてきた。

物凄い痛かったね。親父、滅茶苦茶厳しくて何度も口喧嘩はしたけど、多分生まれてから一回も打たれた事無かったからな。

(父のポリシーで、子供は絶対殴らないってのは昔から耳タコだったしね)

で、一言だけ「お祖父さんとお祖母さんに謝れ」って、静かだけど厳しい口調で言ったんだ。

それで、何故か落ち着いた。ってかびっくりし過ぎて、それまでの絶望感がどっかに行ってしまったよ。

 

冷静さを取り戻して皆に謝ったら、急に腹が据わってきた気がした。

走り始めた車の中で、励ましてくれる祖父母の言葉に感極まってまた泣いた。

自分で思ってるよか全然心が弱かったんだな、俺は。

 

S先生の家(寺でもあるが)に着くと、ふっと軽くなった気がした。

何か起きたっていうよりは、俺が勝手に安心したって方が正しいだろうな。

門をくぐり、石畳が敷かれた細い道を抜けると、初老の男性が迎え入れてくれた。

そう言えば、S先生の家にはいつもお客さんがいたような気がする。

きっと、祖母のように通っている人が多いんだろう。

 

奥に通され裏手の玄関から入り進んでいくと、十畳くらいの仏間がある。

S先生は俺の記憶の通り、仏像の前に敷かれた座布団の上に正座していて、ゆっくりと振り向いたんだ。

(下手な長崎弁を記憶に頼って書くが見逃してな)

 

祖母「Tちゃん、もうよかけんね。S先生が見てくれなさるけん」

S先生「久しぶりねぇ。随分立派になって。早いわねぇ」

祖母「S先生、Tちゃんば大丈夫でしょかね?」

祖父「大丈夫って。そげん言うたかてまだ来たばかりやけん、S先生かてよう分からんてさ」

祖母「あんたさんは黙っときなさんてさ。もうあたし心配で心配で仕方なかってさ」

 

何でだろう…ただS先生の前に来ただけなのに、それまで慌ていた祖父母が落ち着いていた。

それは両親にも俺にも伝わってきて、深く息を吐いたら身体から悪いものが出ていった気がした。

両親はもう体力的にも精神的にも限界に近かったらしく、

「疲れちゃったやろ?後はS先生が良くしてくれるけん、隣ば行って休んでたらよか」

と、人懐こい祖父の言葉に甘えて隣の部屋へ。

 

S先生「じゃあTちゃん、こっちにいらっしゃい」

S先生に呼ばれ、向かい合わせで正座した。

 

S先生「それじゃIさん達も隣の部屋で寛いでらして下さい。Tちゃんと話をしますからね。後は任せて、こっちの部屋には良いと言うまで戻って来ては駄目ですよ?」

祖父「S先生、Tちゃんばよろしくお願いします!」

祖母「Tちゃん、心配なかけんね。S先生がうまいことしてくれるけん。あんたさんはよく言うこと聞いといたらよかけんね。ね?」

しきりにS先生にお願いして、俺に声をかけてくれる祖父母の姿にまた涙が出てきた。泣きっぱなしだな俺。

 

S先生はもっと近づくように言い、膝と膝を付け合わせるように座った。

俺の手を取り、暫くは何も言わず優しい顔で俺を見ていた。

俺は何故か、悪さをして怒られるじゃないかと親の顔色を伺っていた、子供の頃のような気持ちになっていた。

目の前の、敢えて書くが、自分よりも小さくて明らかに力の弱いお婆ちゃんの、威圧的でもなんでもない雰囲気に呑まれていた。

あんな人、本当にいるんだな。

 

S先生「…どうしようかしらね」

俺「…」

S先生「Tちゃん、怖い?」

俺「…はい」

S先生「そうよねぇ。このままって訳には行かないわよねぇ」

俺「えっと…」

S先生「あぁ、いいの。こっちの話だから」

何がいいんだ!?ちっともよかねーだろなんて気持ちが溢れて来て、耐えきれずついにブチ撒けた。本当に人として未熟だなぁ、俺は。

 

俺「あの、俺どーなるんすか?もう早いとこ何とかして欲しいんです。大体何なんですか?何でアイツ俺に付きまとうんですか?もう勘弁してくれって感じですよ。S先生、何とかならないんですか?」

S先生「Tちゃ…」

俺「大体、俺別に悪いこと何もしてないっすよ!?確かに□□(心霊スポットね)には行ったけど、俺だけじゃないし、何で俺だけこんな目に会わなきゃいけないんすか?鏡の前で△しちゃだめだってのも関係あるんですか?ホント訳わかんねぇ!!あーっ!苛つくぅぁー!!」

 

「ドォ~ドォルルシッテ」

「ドォ~ドォルル」

「チルシッテ」

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コメント

    • 名前: 百目鬼
    • 投稿日:2016/05/23(月) 07:58:37 ID:M4OTY3MDQ

    長すぎて読む気しないかな?

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/05/23(月) 17:19:49 ID:kxMTQ3MTE

    いやぁ 名作を載せましたね 天晴れ

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/05/23(月) 21:28:09 ID:g2NjIzMDE

    三行でまとめてください。

      • 名前: 怖い名無しさん
      • 投稿日:2016/05/23(月) 21:59:06 ID:A2NzM2MzA

      心霊スポット行ったり、変なおまじないやった
      化け物に憑かれた
      お祓いできなかった

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/06/13(月) 05:22:19 ID:czNjc1MTM

    Tちゃんは書けず喋っていたのは○○くんであった

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/06/19(日) 14:40:37 ID:UwNjQwNTE

    要するに呪い拡散系の話なのか。謝っていたってことは。

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/07/28(木) 09:59:26 ID:M4ODg5MTU

    少し怖かったけど、
    とても良い話で感動しました!

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2017/03/04(土) 11:06:13 ID:Y5MjEwMjg

    長文は大抵創作だと思う。こんなにこと細かく台詞とか覚えてるわけないし。

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2017/03/04(土) 18:13:49 ID:EwOTQ2NzI

    邪眼持ちか、エナジーバンパイアか…

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