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ベランダ越しに交流していた隣人の視線

 2016.05.24     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
ベランダ越しに交流していた隣人の視線
この記事の所要時間: 127

賃貸マンションに住んでいた頃、お隣りの部屋の4歳くらいの女の子とベランダ越しによくお喋りをしていた。

私がベランダで洗濯物を干したり、草花の手入れをしていると、隣とこちらを区切るパーテーションの10cmほどの隙間から覗いて声をかけてくるのだ。

 

しかし、ある時から何故か覗いてはくるものの、話しかけてはこなくなり、私が視線に気づいて声をかけても、ただ見ているだけで何も反応してくれなくなった。

(何か嫌われるようなことしちゃったかな?)と思ったけれど、特に気にすることもなく、

(見てたいなら見てていいよ)くらいの気持ちで、視線を感じてもそちらを見ないようにしたりしていた。

 

 

ある日、プランターの片付けをしている時に、また視線を感じたので、思い切って声をかけてみることにした。

『たまにはお話しよーよ』

と言いかけて、言葉が詰まった。

 

そこには小さい女の子ではなく、四十年配のボサボサのロングヘアーの女が、10cmほどの隙間の向こうからしゃがんでこちらを見ていたからだ。

私は『何ですか?』とも『こんにちは』とも言えず、立ち尽くしてしまった。

何故なら、その女性が何ともいえない顔で笑っていて、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになったからだ。

 

彼女は存在を気づかれてからも一言も発することなく、私が軽く会釈して片付けを済ませるまでこちらを見ていた。

一年後に我が家が引っ越しをするまで、ベランダで時々視線を感じたが、そこにいたのが女の子だったのか、あの女性だったのか、確認することは怖くて二度と出来なかった。

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