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家への電話で不思議で不気味な体験をした友人

電話にまつわる不思議で不気味な話
この記事の所要時間: 435

十数年前、ある年の夏の終わり頃の事でした。

私が住宅街の中にポツンとあるカフェバーで働いていた時の話です。

その店はあまりお客も来ず、私と友人達の恰好の溜り場となっていました。

 

ある時、いつものように開店準備をしている所に、友人が彼女を伴いやってきました。

普段は私達の笑いの中心にいるとても明るい奴なのですが、その日に限り妙に無口で顔色も悪い様に見えたので、少し心配になったのを覚えています。

とりあえず、私は声をかけました。

 

「どうした?元気無いじゃん。何か在ったのか?」

「ああ、すげぇー怖い事があった・・・。」

「何だよ、怖いことって。また幽霊か?」
「・・・・・。」

 

しかし、それっきり彼は黙り込んでしまいました。

彼女もまた、彼に口止めされているらしく、何も話してはくれませんでした。

彼は霊感が強いようで、これまでにも何度か、自分の不思議な体験談をしてくれていたので、私としては、「あぁ、また幽霊なんだな。」という感じでした。

 

ただ、今までと違っているのは、いつもは無理にでも聞かせようとする位だったのですが、今回は何も話そうとせず、じっと頭を抱えて黙り込んでいるのです。

私は段々好奇心を抑えられなくなり、どうしても聞き出してやろうという気になりました。

その後、何とかその話を聞き出そうと、彼とその彼女にしつこく尋ね続けた結果、彼はやっと重い口を開き、不思議な体験を語り出したのです。

それは、このような話でした・・・。

 

 

その日、彼は専門学校の研修旅行を終え、自宅のある駅に到着した時に、ふと家の鍵を忘れてしまっているのを思い出し、念の為家に電話を入てみる事にしました。

人の居なくなる事が稀な家なので、やはり数コールで誰か出たので、

「もしもし、俺だけど。いま××駅。鍵がないから、鍵開けといてよ。お願いねー。」

と、一方的に喋ると電話を切ってしまいました。そしてバスに乗り、家路についたのです。

 

家に着くと、困った事に鍵が開いていませんでした。

彼は不信に思い、家の廻りを見て回りましたが、家の中には人の気配がなく、静まり返っていました。

しかし、数分前までは誰かが電話に出ていたので、何所か窓から見えない所に居るのだろうと思い、もう一度電話をしてみようと思い、近所のタバコ屋の店先にある公衆電話へと向かいました。

電話をしてみると、また数回のコールで誰かがでました。

 

「ガチャッ。・・・・・・・・・・・・・。」

「もしもし、俺だけど。」

「・・・。」

「もしもし!もしもし!!」

「・・・・・・・・。」

 

「もしもーし!!」

「もしもし!俺だってばっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

なぜか、相手は黙ったままなので、その後数分置きに電話をしてみたのですが、どうしても通話が出来ない状態なので、電話の故障だと思い、家の前で家族を待ってみることにしました。

しばらくは、家の前で途方にくれていたのですが、突然、玄関脇に緊急用の予備の鍵を隠してあったことを思いだし、やっと家に入ることが出来たのです。

 

しかし、家の中は静まり返っていて、どの部屋にも人の気配はありませんでした。

また、電話にも異常はみられず、きちんと使用できる状態だったのです。

これはおかしい、と思った彼はもう一度だけ、公衆電話から電話をかけてみることにしました。

そして、きちんと鍵が掛かっていることを確認し、先程の公衆電話へと急ぎました。

 

少し緊張しながらダイヤルすると、先程のように誰かが電話に出るのたのです!

驚きながらも、まだ家族のイタズラの可能性を捨てきれなかった彼は、電話の相手に呼びかけたのです。

 

「もしもし。」

「・・・・・。」

「もしもし、姉ちゃんなんだろ!答えろよ!!」

「・・・・・。」

 

「なぁ、誰なんだよ!」

「・・・・・。」

「オマエ誰なんだよ!!答えろってば!!」

「・・・・・・・・・。」

 

しばらく呼びかけていても、一向に相手が応答しないので彼はこれで最後だ・・と、こう呼びかけたのです。

「オマエ誰なんだよ。そこにいるのは分かってんだよ!誰かいんだろ!!」

 

すると、長い沈黙の後、

「・・・・・ダレモイナイヨ・・・・・・・。」

と、初めて相手が答えたそうです。

今まで一度も聞いたことの無い、どこか遠くの方から聞こえてくるような雰囲気の声でした。

 

彼はびっくりして受話器を叩きつけると、家へと急ぎました。

そして、家に着くとすぐさま家中を見て回ったのですが、鍵の開いている窓もなければ、人の気配もしなかったそうです。

しかし、一つだけ、彼を再びゾッとさせた事がありました。

それは、居間の電話の受話器が外れて、床に置いてあったそうです。

 

私は未だにこの話をしたり、聞いたりすると、鳥肌が立ち、体中の毛が逆立つのを感じるのです。

以上、長々と書き込み、申し訳ありませんでした。

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