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「おじいちゃん」守護霊を持たぬ人間の創作怪談

 2016.06.27     都市伝説・ネタ     7件     Loadingお気に入りに追加
超強くて怖いおじいちゃん
この記事の所要時間: 131

短編怪談

 

17 :名無し百物語:2014/08/29(金) 17:11:51.31 ID:j+9F/2oG.net

「おじいちゃん」

 

 守護霊って知ってるか?自分のことを大切に思ってくれている先祖や故人が常につきまとって、いろんな災厄から守ってくれたり、人生をハッピーにする大チャンスを引き寄せてくれるんだぜ。

どんな人間にでも最低一人くらいは守護霊がついているらしい。だけどたまに、全然守護霊を持たずに生きてる人間がいるんだ。

そんな稀な人間の一人が昔の俺だった。

 

 昔、俺は最高に駄目人間だった。気弱でよくイジメられていたし、女子からは女の子みたいってバカにされていた。

勉強も頭は悪いほうじゃないと思うんだけど要領が悪いのか全然うまくいかなくて、見た目も中身もマジメなのにスゲー馬鹿高校に通って、ヤンキーによくパシらされたり金まきあげられたりしていたんだ。

親も愛想つかしたのか、二つ上の兄貴ばかりひいきして俺とはほとんど口もきいてくれなかった。

でもな、そんな終わってる俺に優しくしてくれた人間が二人いたんだ。

 

 ひとりは同じクラスのちょっとメンヘラチックな女子、矢部だった。

矢部は黒髪色白で一見清楚に見えるが、学校でいつもつけてるマスクの下には口ピアスが潜んでいたり、背中や下腹部にタトゥが入っていて悪そうな面がチラホラ見え隠れしていた。

だけどヤンキーっぽいというより根暗っぽい性格で、しゃべり方もすげぇスローペースだった。会話の内容もオカルトじみたものが多かった。

クラスでもかなり浮いてたほうだと思う。そんな矢部がクラスで唯一積極的に話しかけたのが俺だった。

 

 正直なにか怖いやつだなとは思っていたけど、仲良くしてくれる人が矢部しかいなかったから嬉しかったし、よく見ると結構可愛かったので、一緒に昼飯食べたり下校したりしていた。

もう一人、俺に優しくしてくれた人、それはじいちゃんだった。じいちゃんは結構前から寝たきりになっていて、俺の家の近くの老人ホームで暮らしていた。

俺には友達がほとんどいなかったし、趣味もなかったからたまに一人でじいちゃんに会いに行っていた。じいちゃんは俺がくるとすげぇ喜んでくれた。

かなり歳だったから喜怒哀楽の表現は希薄だったけど伝わってくるんだ。ありがとうって気持ちがさ。

 

 そんなじいちゃんが死んじまったのは高校2年の6月頃だった。風邪をこじらせたのが原因で衰弱しちまったじいちゃんはあっさりいっちまった。俺は病院のトイレで大泣きしたよ。

じいちゃんの死から少しして夏休みがやってきた。俺はじいちゃんの死を忘れられなくていつにもまして呆然と生活していた。

ある日、母ちゃんから頼まれてスーパーに買い物に行ったら、不運なことに同級の岩屋たちに駅であってしまった。

岩屋は同級のヤンキーの中じゃ突出したワルで、俺はもちろんのこと根暗な奴から金を巻き上げたり暴力を振るったり、やりたい放題だった。

 

 岩屋は俺を見つけるとすぐに駅の裏路地に連れて行き、金を貸してくれと優しい口調でせがんできた。

もちろん貸してしまえば金は返ってこない。断っても色んな理由で金を出さないといけなくなる。断り続ければ暴力が待っている。ここは素直に金を渡すしかない。

きっといつもの俺なら渡していただろう。だが、そのときの俺はじいちゃんの死がショックでおかしくなっていたのか、岩屋にキッパリとお前にやる金なんてないよと言い放った。

俺にお前呼ばわりされたのが癇に障ったのか、岩屋はブチ切れて俺の胸倉をつかんだ。そして右拳を引き、勢いよく俺の顔に叩き込もうとした。

奴のパンチが繰り出される前に俺は、左手を伸ばして岩屋の髪の毛をつかんだ。岩屋の髪はヤンキーお得意の金色の長髪だったので掴みやすかった。

 

 岩屋は離しやがれとわめき散らした。しかし絶対に離さなかった。岩屋が髪の毛を掴んでいる俺の左手首を両手で掴んで離そうとしたので、俺は下から突き上げるような感じで岩屋の顔面を右拳で数回殴った。

するとグニャっとした変な手ごたえがあった。次の瞬間、岩屋が悲鳴を上げた。

どうやら岩屋の鼻が折れたようで、大量の血が地面に流れた。あまりの血の量に岩屋やその仲間はパニックになってあたふたしていた。

俺は岩屋を離して、血だらけになった右腕を見つめた。その姿を見ていた岩屋の仲間たちは俺に驚きと恐怖を抱いているようだった。

 

 俺は家に帰ってベッドに横たわりながら何時間も動かないで考えた。

なんで岩屋を殴ることができたのかと。じいちゃんの死でおかしくなっていたからできたのか。

だったらしばらくしたら、また元通りのひ弱な俺にもどってしまうのか。

しかし、そんな不安は杞憂だった。俺の変化は夏休みが終わっても続いていたからだ。

 

18 :名無し百物語:2014/09/02(火) 14:52:41.66 ID:NorKBac4.net

 少しずつ気づいていた。岩屋を殴った日から俺の中にもう一人誰かがいることを。

コンビニに行って駄菓子を買うとき、いつもならバニラアイスとチョコレートを買っていたのに、なぜか無償に塩味のきいたスナック菓子が食べたくて衝動買いしてしまった。

雑誌コーナーでいつも買っているジャンプとマガジンを手にとろうとしたら、チョイ悪なヤンキーが買いそうなファッション雑誌や、エ●チな雑誌に興味がわいている。

家に帰ってテレビを見ていると、これまでなら頼まれても見なかったであろう歌謡曲の音楽番組や第二次世界大戦の特集番組なんかを真剣に視聴していた。

 

 自分とは違う何かが自分の行動や選択を支配していくことに、はじめは必死にあらがった。

だけど自分の選んだことより、違う何かが選んだことのほうがうまく事が運ぶことに気づき始めてからは、すべてを委ねるようになっていった。

夏休みもまだ序盤の7月下旬、前代未聞のスピードで宿題を終わらせた俺は、矢部に電話をかけて遊ぼうと誘った。

学校じゃ仲がよかったといっても、自分から矢部に話しかけることなど一度もしたことがなかった俺が、突然自分から電話をかけて二人きりで遊ぼうと誘ってきたのだ。

矢部は電話口でもわかるほど驚いていた。そしてどこか嬉しそうだった。

 

 うだるような暑さの火曜日、俺たちは学校近くの図書館で待ち合わせた。矢部はシースルーのキャミソールに短パン生足といういで立ちで、学校とは違う色気漂う雰囲気だった。

こんな格好の矢部と二人きりで学校外で会うなど、夏休み以前の俺なら数分もその場にいられないほど緊張して訳わかんなくなっていただろう。

だが今の俺は昔の俺とは違う。行動も発言もすべて自分じゃない何かに任せている。

任せているときの俺に間違いはなかった。何をやっても昔の俺よりはうまくいく。今日だって矢部を目の前にしても物怖じしていない。矢部をぐいぐいひっぱっていって一日過ごせるはずだ。

 

「そうか、ついたんだ」矢部が俺の背後で残念そうにつぶやいた。振り返ってなにが?と聞くと

「前から言ってたけどやっぱ信じてなかったんだ。私、霊が見える体質だって」

 

「なに、俺に霊がついてんの?」

「そうだよ、一人ついてる。○○のおじいちゃんだと思う。」

 

「じいちゃんがついてるってことはいいことじゃん。だって俺じいちゃんと仲良しだったし。見守ってくれてるんだろ?」

「そうだよ。○○のこと心配しすぎて過保護になってる。○○最近自分が自分じゃない感じ、したことない?」

 

「どういう意味?」

「誰かに操られてるような感じ。おじいちゃんが○○の代わりに色々やってくれてるでしょ」

 

 当たっていた。ここ最近の自分の中に違う何かがいる感覚の正体は、じいちゃんだったのか。

じいちゃんが俺を心配して、手助けしてくれていたのか。だから趣味や考えが変わり、岩屋に楯突いてぶん殴ることができたのか。全部じいちゃんのおかげだったのか。

「そっか、じいちゃんが助けてくれていたのか。ここ最近なんでもうまくいくんだよ。自信がついたっていうかさ。今日だってこれまでの俺とは違うところみせるよ。どこいきたい?」

 

 俺は嬉しくなっていた。不思議な力の理由がわかり安心と更なる自信が芽生えたからだろう。

「ごめん、帰る」俺の気持ちとは裏腹に、矢部は突然去っていこうとした。俺は必死に引き止めた。

「あたしがあんたと関わってたのって、あんたに守護霊が一人もついてなかったからなんだよね。
この世にいる人間ってさ、みんな多かれ少なかれ自分についてる霊に影響受けてるんだよ。本当の自分の意志で生きてる人間って凄く少ないの。みんな過去の人間に縛られてる。
でもあんたは違った。霊がいなくて自分の力だけで生きていた。だから興味がわいたんだ。霊に縛られずに生きる人ってどんな生き方するんだろうって」

 

 そう言うと、矢部は俺への興味をすべて無くした様子で、そそくさとその場を立ち去ってしまった。

俺は呆然と立ち尽くすほかなかった。矢部が俺と仲良くしてくれていた理由が、まさか守護霊がいなかったからだったなんて。

よくよく考えれば、じいちゃんに憑かれる前の俺には何の魅力もない。矢部が一緒にいてくれていたことにちっとも疑問を抱かなかったのがそもそも馬鹿だったんだ。

 

 日が落ちて暗くなった道をとぼとぼと帰りながら、俺は自分を励ました。まぁいいさ、これからはじいちゃんの力で毎日を過ごせるんだ。

勉強もできて喧嘩もつよい。自信もって他人と接していけるから友達もできるだろう。

矢部はいなくても夏休み前とは比べ物にならないほど幸せになるはずだ。だからいいんだ。そう言い聞かせた。

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コメント

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/27(月) 00:11:43 ID:cxNTIzMjA

    ヤっちまったかw

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/27(月) 02:16:18 ID:c2ODM2NjQ

    守護霊が矢部を身体で繋ぎ止めたか

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/27(月) 10:24:31 ID:cxNTIzMzc

    話からして逆な気がするな。
    ・守護霊ついていると興味がなくなる矢部。
    ・守護霊に自分を奪われることに恐れをなして、必死に離そうとしていた主。
    →守護霊をとり除くことに成功して、矢部の興味も戻った。

    まあ創作だから受け取り方は自由だね。

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/27(月) 15:41:13 ID:c2ODM2NjE

    守護霊の引き剥がし方を他人に訊くくらいだからな
    矢部は爺の百戦錬磨の技で快楽の虜だろJK

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/27(月) 18:52:26 ID:M5NTE3OTE

    漫画 にすれば。
    しまいには非現実的な物語な。アハハ

    • 名前: 怖い名無しさん
    • 投稿日:2016/06/28(火) 23:04:36 ID:Y0NjA0MzA

    もうちょっと書き方考えてほしいなあ
    則られそうで余裕がない人間がわざわざ「…」を打つ訳ないじゃんね

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/07/19(火) 20:58:40 ID:Y3OTg0ODU

    主人公の魂と祖父さんの魂が
    完全に同化したので
    守護霊が、もういない状態と
    矢部さんが判断して
    矢部さんの興味が戻ってきたのでは?

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