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怖くて誰も休憩しない二階の休憩室があったバイト先

 2016.06.28     恐怖体験談     1件     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 438

 学生の時のバイト先の2階にあったのは、多分開かずの間だったんだと思う。

弁当屋だったんだけど、2階は休憩室と資材とか置いてた。けど、誰も2階で休憩しない。デカイ窓があるのに、昼間でも薄暗くてしめっぽい感じで、資材を取りに行く時も絶対みんな一人で行きたがらない。

俺のだいぶ後に入った、美大生の自称霊感持ちのかわいいけどちょっと変な女だけ、よく2階でタバコ吸ってた。

だから重くない資材とかはその女に頼むようになって、かわりに休憩時間外の一服黙認みたいな感じにしてた。

 

 店の資材在庫チェックのときも、当然その女を面子にいれて、あと社員さんA、B二人と、シフトだった俺と、バイトのチーフの先輩、計五人でやる事になった。

その日は、社員さんBと先輩が電車の事故で遅れていたため、三人で始めた。

俺がチェック表とか下でコピーしてたら、上から悲鳴が聞こえたので、あわてて階段をのぼってったら、突然頭がびしょびしょに濡れた。

触ったら全然痛くないのに、大量の血が出てた。

 

 驚いたけど、女がぎゃあぎゃあいってるが聞こえるので、とりあえず2階に上がったら、女は壁の方を向いてわけの判らない事を叫んでいて、社員さんAは座りこんで漏らしてた。

女の指差してる方を見たら、これまで壁だと思ってたとこが引戸だった。

中は畳横に二枚並べたくらいの部屋で、小さな虫の死骸が2cmくらい積もっていた。1カ所の角だけ三十センチくらい丸く、なにもない。

壁はパッと見普通の和室っぽい壁に見えたけど、土に長い黒い髪の毛みたいなのを混ぜて塗り込めてあった。引戸の裏も同じ感じになっていた。

 

 訳わかんなくてぼーっとしてたら、遅れてた先輩が来て、血まみれだった俺は即救急車を呼ばれて病院に連れてかれた。

病院についたら、もう一人の社員さんBがそっちに来ていて、

「有給と見舞金出すから、棚から物が落ちて怪我した事にしろ」と言われた。

正直金が欲しかったのと、恐くてもうバイト先に行きたくなかったので、いう通りにした。

傷はそんなに深くなかったから、縫うだけですんだ。

 

 バイトは2週間くらい休んでいい事になってたけど、どうしても気になったから、10日目くらいにのぞきに行った。

そしたら、先輩は居たけど、社員さんAは体調崩して長期休養。

女の方は、学校も辞めて実家に帰るからって、親と挨拶に来たっていってた。

女は店に一歩も入って来なくて、全然しゃべらなくて、薬が効いてぼーっとしてるみたいな感じだったらしい。

 

 先輩が社員さんBを問いつめて聞いた話を聞かせてくれたんだけど、店はもともと普通の古い民家だったのを、人が居着かなくて困った所有者から、格安で借りていた場所らしい。

社員さんBも詳しい事は知らなかったけど、
「絶対いつか何か起こると思ってた」と言っていたらしい。

引戸を見つけて開けたのは女の方で、
「中から頭がぐるぐる回る人形?が出てきた」と繰り返してたらしい。

社員さんAは何も話さなかったけど、ショックを受けた状態になっていて、内臓が弱っているのでまだ入院していて、家族の希望で多分近々退社するという事だった。

 

 2階を見せてもらったら、その部屋は綺麗に掃除されて、引戸も外されて、壁も塗り直されてた。

けど、2階の雰囲気は全く変わってなかった。ものすごく嫌な気分になって、その日でバイトを辞めた。

大学のある駅近くの店だったが、その日から卒業まで一度もそこを通らなかった。

 

 

 しばらくして仕事でその駅に降りたとき、なんか思い出して店を見に行った。

そしたら弁当屋は無くなって、今風のカフェになっていて、驚いた事に先輩が店長をしてた。

弁当屋は、俺が辞めたすぐ後ボヤを出して潰れて、同じ系列チェーンのカフェになった。社員さんBが最初そこの店長をしていて、違う会社に転職する事になった時に、先輩が店の権利を買い取ったということだった。

 

 どうしても気になってた2階の事を聞くと、先輩はちょっと困ったような嫌そうな顔をして、やっぱり嫌な雰囲気があるので、改装とお祓いをして倉庫にした、といってから、

「これ多分、あの子が見たって言ってたやつだよね」といいながら、俺に葉書を見せてくれた。

 

 あの女からの、絵画展の招待状だった。宛先が昔の弁当屋の名前になっていて、表側に、頭が変な風に横に潰れた、でかくてのっぺらぼうで、口だけが裂けて、手足が異様に細い白いぬいぐるみが、踊ってるみたいな絵が書いてあった。

はがきは二年くらい前に来たもので、場所が遠いので行けないしと思いながらも、記載してあった画廊に問い合わせたところ、そんな展示の予定は無いと言われたそうだ。

「なんか捨てるに捨てられなくてさあ」と言いながら、先輩はそれを引き出しにしまい込んだ。

 

 それからも先輩とはしばらく連絡し合ったりしてたけど、今年の春、店が老朽化で立て替えになるので、この機会に両親の面倒を見るため田舎に帰る、という電話が来た。

その後、何度か連絡しようとしたけど、携帯を変えたらしくて通じない。手紙も出したけど、宛先不明で戻ってきた。

結局なんだったのかわからないままだけど、俺はもうあそこには行かない。

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 カテゴリ:恐怖体験談
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コメント

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/06/30(木) 04:14:35 ID:A0MTYzOTQ

    身も心も病みだらけ

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