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年代物のドレッサーにマインドコントロールされた女性

 2016.07.02     人から聞いた怖い話     1件     Loadingお気に入りに追加
アンティークのドレッサー
この記事の所要時間: 933

ほんのりと怖い話スレ その116

 

627 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:42:52.97 ID:bXVkm5sN0

 この話は、私が昔働いていたデザイン会社の取引先で知り合った女性から聞いた話です。

彼女も私も小さなデザイン会社のデザイナーという事で共通の話題も多く、互いの仕事が早く終わった時等は、二人で夕食を取り会社の愚痴や将来の展望を語り合ったりする仲となりました。

正直、私は彼女の事を好きになりつつありましたが、彼女は告白するには躊躇する程の美人で下手に告白を断られ疎遠になるより、こうしてたまに二人で食事出来るだけでも幸せじゃないかと彼女への気持ちは胸にしまいつつ、月に一二度あるかないかの食事を楽しみに過ごしておりました。

 

 そんな彼女との何度目かの食事の夜、たまたまその夜に放送される恐怖番組が話題になり、怖い話が好きな私が

「何か怖い体験した事とか聞いた事ある?」とふってみたところ

「一度だけ…怖い体験をした事があります」と彼女自身が体験した話を聞かせてくれました。

 

628 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:45:07.95 ID:bXVkm5sN0

 当時、彼女(以後A子さんとします)は美大生として上京したばかりでしたが、田舎から出て来た不安は数日で終わり持ち前の明るい性格からか、すぐに沢山の友達も出来て楽しい学生生活が始まりました。

 

 そんなA子さんの休日の趣味は友人との雑貨屋、アンティークショップ巡りで、ある日の夕方、小さな一軒のヨーロッパ家具を中心に取り揃えた店で見つけた、年代物のドレッサーに一目惚れしてしまったそうです。

そのドレッサーは鏡の周りを電球で縁取った、昔のハリウッド女優なんかが楽屋で使用していたような雰囲気を持つとても華やかな物でした。

自分の住む8畳一間のワンルームには不釣り合いな事と、学生にはとても勇気のいる金額だった事もあり一度は店を後にしたA子さんでしたが、どうしてもそのドレッサーの事が忘れられず、中学生の頃から貯めていた貯金と二ヶ月先まで送られていた親の仕送りをはたいて、そのドレッサーを手に入れてしまったそうです。

 

629 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:46:14.50 ID:bXVkm5sN0

 その夜、シャワーを浴びたA子さんは早速そのドレッサーに向かいドライヤーをかけながら髪をとかしました。

もともと色が白く綺麗な顔だちのA子さんを鏡の周りの柔らかなライトがより一層白く美しく写し出します。

A子さんはまるで自分が本当にハリウッド女優かなにかになったかのような恍惚とした気持ちになりました。

それからというもの大学の課題に忙しい毎日の中、一日の幕を閉じるその鏡に向かう時間がA子さんにとっての一番の癒しの時間となりました。

 

 しかしその頃からです、A子さんの性格が少しづつ変わっていったのは。

 

630 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:47:15.82 ID:bXVkm5sN0

 鏡に向かっている時以外のA子さんは、何かにつけイライラするようになりました。大学でも周りの仲の良い女友達に

「最近更に綺麗になったんじゃない?彼氏でもできた?」

なんて事をよく言われるようになるんですが、嬉しい反面心の中では

「当たり前の事言ってんじゃねーよブス!お前らとは違うんだよ」

という周りの友達を見下すような気持ちが湧いてきます。

 

 A子さんには気になる男性がいましたが、その男性の煮え切らない態度にも怒りが湧いてきます。

いつしかそれはA子さんの気持ちだけではなく、態度にも現れるようになり沢山いた周りの友達もA子さんを避けるようになっていきました。

唯一残った意中の男性もA子さんの誘いに渋々付き合っているような態度が益々A子さんのいら立ちを膨らませます。

 

631 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:48:15.13 ID:bXVkm5sN0

 ある日、オープンカフェで目を合わせず不機嫌そうにしている彼の顔を見てA子さんが言いました。

「何?私に何か言いたい事があるなら、はっきり言えばいいでしょ?頭に来るんだけどそういう態度」

すると、しばらく間を置いて彼がA子さんを見つめてこう言いました。

 

「じゃあさ、言うけどA子って知り合った頃と性格が随分変わったよな?前は穏やかで誰とでも気さくに話す感じだったしそれに顔だって…」

そこで彼が口籠りました。

 

「何?私の顔が何だって言うの?はっきり言いなよ!」A子さんが声を荒げます。

彼は渋々口を開き「あのさ…A子って整形したの?周りの友達も噂してるけど明らかに顔変わってるよね?元々可愛かったのに何でそんなきつい顔にしちゃったの?」

 

 彼が言い終わらないうちに、A子さんは目の前にあったコップの水を彼の顔に浴びせかけ席を立ちました。

 

633 :本当にあった怖い名無し:2016/05/26(木) 02:49:30.02 ID:bXVkm5sN0

「私が整形なんかする訳ないでしょ!ふざけんな!」

 

 周りの客の怪訝な視線を浴びながら、怒りで朦朧とする頭でフラフラとA子さんはカフェのトイレに駆け込みました。

私が整形?何であんな酷い事言われなきゃいけないの?何でみんな頭にくる奴ばかりなの?

あまりの怒りに洗面台に嘔吐しながら目の前にある鏡をまじまじと見てみると、A子さん自身が自分の顔に違和感を感じました。

 

 あれ?私って…こんな顔だったっけ?その瞬間、家であのドレッサーの鏡に向かう、あの鏡に写っている自分の顔を急に思い出したんです。

今まで何故気付かなかったのか、何故平気であの鏡に向かっていたのか…A子さん自身にも全く理解できませんでした。

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コメント

    • 名前: 匿名
    • 投稿日:2016/07/03(日) 11:32:05 ID:Y2MTcyNDE

    疎遠になってしまったことが死にたくなるくらい怖い話だな〜。

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