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隣人から嫌がらせを受けていると言う友人からの相談

クレイジー
この記事の所要時間: 515

会社の帰り道、偶然、高校生時代からの友人Kと2年ぶりに出会った。
俺達は再開を喜び、飲み屋に直行して旧友を温めた。
その時はお互いにはしゃいだのだが、Kは心の底から楽しんでいる風が無い。
俺は心配ごとがあったら遠慮なく電話しろよと伝えた。

その三日後、Kから電話があった。

K「あのさ、お前に愚痴っても迷惑と思うけど、ちょっと悩んでる事があるんだよ。」
俺「なんだよ、遠慮なく言えって。」

K「実は、下の階に住んでるBって女から凄い嫌がらせを受けてるんだよ。」
俺「えっ、ストーカーww、お前そんなにイケ面だったか?」と茶化した俺であったが、Kの話を聞くと洒落にならない悩みである事が解った。

Kの両親は名のある資産家で、Kは両親の買ってもらったマンションに住んでいるのだが、その階下の住人B(女性、30前後で独身)より一年前から嫌がらせを受けている。
始まりは、Kが友達を呼んで、大騒ぎした日の事。友達が帰った後、下から、どん!どん!どん!と天井を叩く音が30分以上した。
Kもうるさくした後ろめたさがあったから、黙ってたが、その日より嫌がらせが始まったのだった。

 

Kが受けたと言う嫌がらせ。

  • エレベーターに乗ると、Bも乗ってきた。Bが聞き取れないくらいの小声で何かいい始めた。聞き耳を立てると、「臭い臭い臭い臭い臭い臭い。」
  • マンションの住人達がKを見て顔をしかめている。その輪にはBがいて、どうやらBがあること無いこと吹き込んでいるらしい。
  • 無言電話が一日中かかって来て、Kが切れてとどなったら、電話口より「死ねウジ虫、地獄に堕ちろ。」と女の声が聞こえてきた。
  • ポストに投函された手紙の類が、最近は全て開封されている。
  • 夜中の3時頃、毎日ピンポンピンポンピンポンとチャイムを鳴らされる。
  • Kが外出すると、いつも監視されているような気配を感じる。
  • ポストに爪と髪の毛が入っていた。
  • KがDVDを見てたら電話があり「そんなに●●が好きなの?」(盗聴?)
  • 宅急便が届いたので開けると、中には気味の悪いお札が数百枚入ってた。

俺は、頭がくらくらしてきた。
「気持ち悪りいな。そのBって女どんな奴なんだ。」

Kによると、Bはよくよく見ると少し綺麗な顔立ちであるが、一目でキ千ガイと解る。まず目が虚でどこにも焦点があってない。またいつもにやにやとしている気味の悪い口元。
化粧っ化もまったくなくて、頭もぼさぼさ、今時どこで売っているのだと言うのか、ださくてレンズの大きい黒縁眼鏡をかけてる。その癖、吐き気がする位に香水の匂いが強烈だ。

K「お前も、一度見ればびっくりするぞ、気味が悪くてな。」
俺「吐き気がしそうだよ。ところでお前、警察には連絡したのか。」

K「警察は犯罪が起きるまで動いてくれねーよ。」
俺「ホントか?警察って何なんだ、税金泥棒じゃねーか。」

 

その後、Kより何度か相談を受けていたのだが、ある日、興奮したKより電話を受けた。

K「やべえよ!俺もうだめかも、俺は殺されちまうかも知れない。」

俺「落ち付け、冷静に話してみろ。」
K「夜中にさあ、ベランダからきいきいきいってさあ、ガラスを爪でひっかく音がするんだよ。何だと思ってベランダ見たらさあ、あの女がいたんだ。玄関から武器のバットを持ってきたら消えてた。」

俺「馬鹿な、お前の家9階だろ。見間違いじゃないのか。」
K「あの女に間違いない。あの女の強烈な香水の匂いがしたんだ。8階からよじ登ってきたんだあの女。」

俺「警察呼んだか。」
K「勿論呼んだよ!それで、ベランダの指紋を取ってったり、あの女から事情聴取したらしいけどさあ、警察なんて言ったと思う。」

Kは怒って、声がぶるぶる震えながら言った。
「証拠がありません。以後、この様な電話をしたら、あなたを逮捕します。だとよ・・」

俺は怒りに震えた。無能な警察が!
もし、Kが殺されたらどうするんだ
?いつも警察は保身ばかり考えて動かない。
動いたとしても、それはKが殺されたとき初めて動くのだ。

俺はベランダを含む部屋中に、監視カメラや警報装置を設置する様、Kに助言した。

 

不安で、Kの事が心配になった俺は、次の日、友人のSへ相談があるといって飲みに誘った。
Sは大学時代から友人で、同じ部活の仲間だったのだ。もっとも、部活は同じでも、俺は教育学部のボンクラ、Sは医学部のエリートである。
俺は、Kが殺されるのではないかと思い、一つの事を聞いてみた。

俺「なあ、精神障害者っていうのかな、そういう奴等が犯罪を犯しても、刑法で裁けない事があるんだろ。」
S「そうだな、刑法39条で心神薄弱者ノ行為はコレヲ罰セズ、心神耗弱者ノ行為ハソノ刑ヲ減刑スとあって、実際、不起訴になる事は意外にも相当多い。」

俺はぞっとした。Kは殺されるかも知れない。
しかも、犯人は不起訴になり、法の裁きを逃れ得るかもしれないのだ。
こんな理不尽が許されるのだろうか?

俺「くそっ、信じられん。警察も無能だ。殺されてからじゃ遅いんだよ!」
S「えっ、どうしたんだ、話してみろよ。」

俺は今までKから聞いた話をSに伝えた。
「このBって女、なんて言うのかな、いわゆる統合失調症って奴だろ。」

S「ふーん、Kの言う事が本当だとすると、明らかにBは統合失調症だな。」

Sによると、脅迫観念に駆られた様に、一つの事に異常なまでにこだわる性質、常軌を逸した支離滅裂な行動、これらから判断すると、明らかにBは統合失調症だと言う。

「ただ、一つ気になる事があってな。」
とSは言った。

S「お前の友達のKは、常に隣人のBに嫌がらせを受け、監視され続けていると言うのだろう。」
俺「うん。」

S「それって、典型的な統合失調症患者が言うセリフなんだよね。」

 

今日もKから電話があった。

K「驚いた事があったんだ!今日、家を調べていたら盗聴器が150個も見つかった!それから信じられない事が解った。Bの奴、俺が3歳の頃から、ずっとずっと俺の事を監視し続けていたんだ!」

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