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奇怪な事件を書いたサイコホラー漫画にまつわる後味の悪い話

古ぼけた手紙
この記事の所要時間: 557

後味の悪い話

633: 1/3 2016/12/17(土)00:33:17 ID:kkq

奇譚倶楽部シリーズ「成就」 JET
舞台は大正か昭和初期の東京。
弱小新聞社の奇譚倶楽部の記者、金大中小介(20代後半)が出会う奇怪な事件を書いたサイコホラー漫画。

小介は亡父の友人であった心理学者の家に訪ねた。
心理学者の研究分野はサイコな人についてなので、何かいいネタがあるんじゃないかと思ったのだ。
心理学者は温厚な老人で、小介の頼みを聞くと笑って一通の手紙を差し出した。
「関係者はみんな死んでるので、人にその手紙を読ませても誰にも迷惑はかからない」
と言われたので、サイコネタが好きな小介は、わくわくしながら手紙を読み始めた。

手紙の書き手はA男。
A男は裕福な商人の一人息子だった。
母親はA男が幼いころに他界し、数年後に父親は後添えを娶った。
後妻となった女性は連れ子がいたので、A男には血のつながらない兄が出来た。
兄は陽気で社交的で、誰からも好かれた。また、人懐っこい性格だったので、A男に色々話しかけたり、一緒に遊びに連れて行ったりした。
しかし陰気でひねくれた性格のA男は、兄に構われれば構われるほどに馬鹿にされているような気がして、兄のことを酷く嫌っていた。

時は流れ、A男と兄は青年になった。
兄は長身でがっしりしたイケメン男性で働き者になった。対象的にA男は背が低く、女性と変わらないような貧弱な体型のキモメンで、ニートだった。
そのため、父親は生さぬ仲の兄を商売の跡取りにすることに決めた。

兄に恋人が出来た。相手の女性・小梅は良家のお嬢さんといった風情の愛らしい少女だったが、実は駆け出しの娼婦だった(兄は承知の上)
そのため父親が激怒して「娼婦なんぞに商家の主人の嫁が務まるか!」と兄を怒鳴りつけた。
A男は小梅のところに行って、「あなたが兄と付き合い続けると、家業を継ぐことができなくなる」と吹き込んだ。
小梅は泣く泣く身を引くことを決意した。
小梅からの別れの手紙を受け取って呆然としている兄の姿は、とても愉快だった。

 

634: 2/3 2016/12/17(土)00:33:58 ID:kkq

戦争が始まり、兄は徴兵された。
本来ならば跡取り要員の長男は徴兵されないはずなのだが、後妻の連れ子の兄ではなくA男こそが商家の跡取り、とお上に見なされたため徴兵されたのだ。
兄は愚痴一つこぼさずに準備を整え、笑顔で「じゃあ、行ってくる。父さんと母さんを頼むな!」とA男に告げて、戦争に行った。

戦時下のストレスから後妻は病死し、父親も病気で倒れて商売を続けられなくなった。
A男はそれでも跡を継ぐ気などなく、ニートのままだった。
時折兄から手紙が来た。
「元気でやっているか。こっちは上々だ。お互い頑張ろう」
いつもそんな内容だった。
なぜ兄は自分の不遇や困難を嘆かないのか。なぜ愚痴一つこぼさないのか。
A男は手紙を読むたびに、酷く苛立った。
そうこうするうちに戦争が終わり、兄が家に帰ってくることになった。
A男は金を使って小梅を探し出した。小梅はすっかり身を持ち崩して、最底辺娼婦になっていた。
A男はその小梅を妾にした。

兄が家に帰ってくる前日に、小梅は自殺を図った。
A男に止められた小梅は、「兄に今のすさんだ姿を見せたくない」と涙ながらに訴えた。
A男はそんな小梅をせせら笑って「死ぬなら兄に会ってからにしてくれよ。兄の大事な思い出が汚れきっていることを見せ付けるために、わざわざ金を使ってお前を探したんだからな」
小梅は般若の形相で「鬼!」と叫んで家に火をつけ、A男を押さえつけて「あんたはここであたしと一緒に死ぬんだよ!」と叫んだ。
A男は逃げようとしたが、貧相な体格のA男は文字通り必死の覚悟の小梅からなかなか逃げられなかった。
冗談じゃない、こんなところで死ねるか。兄を放って死ねるものか。
と、A男は懸命に小梅を振り払おうとした。

気がつくと、A男は病院のベッドの上にいた。
体中にやけどを負っていて、ミイラ男のように全身を包帯でぐるぐる巻きにされていた。
そして見舞いに来た兄が、心配そうに顔を覗き込んでいた。
A男は兄との再会できた喜びのあまり、涙を流しながら兄に抱きついた。
兄もやさしくA男を抱きしめて、
「怖い思いをしたな。でももう大丈夫だよ、小梅」
なぜか兄はA男のことを小梅だと思っていた。兄だけではなく、医者を含めて周囲の人間全員が、助かったのは小梅だと思っていた。
A男は戸惑ったが、全身を包帯で巻かれるような酷いやけどだ、男女の区別がつかなくても仕方がないだろう、と思った。

 

635: 3/3 2016/12/17(土)00:34:42 ID:kkq

A男はそのまま小梅として過ごした。(自分はA男だといわなかった理由は書かれていない)
兄はまだ小梅が好きだったので、A男(兄視点では小梅)をそのまま家に引き取った。

数日後。
A男は自室にいる兄に会いに行った。
兄は優しくA男を部屋に招きいれ、二人はソファに並んで座った。
兄はA男の肩を抱き、「俺がいたらなかったせいで、お前にはつらい思いをさせてしまったな」と話し出した。

そして人が違ったかのように憎憎しげに顔をゆがめて
「あの畜生め。俺のお袋は妾上がりだったから、どうしても親父やA男に頭が上がらなかったんだ。
生まれつきボンボンのA男はそれをいいことに俺を好き勝手に使いやがる。何度殴ってやりたいと思ったことか。
その上惚れた女まで取り上げられて、それでも何も言えない情けなさときたら!
許してくれ、小梅。俺がふがいないばかりに、お前につらい思いをさせてしまった」

A男に対する呪いのような言葉の数々だった。
しかしそれは、A男への本当の気持ち。A男が何よりも欲しかったもの。
こうして、A男の願いは成就したのだった。

とても嬉しかったので、A男は声を上げて笑い出した。
突然笑い出したA男を見て兄はまず驚き、次第に恐怖で青ざめて「お前は… 誰だ?」と訊いた。
A男は何もいわずに笑い続け、兄は部屋から逃げ出した。

「私の命も長くないでしょうから、あなたにだけは私の気持ちを知っておいて欲しかった。」
と、手紙は結ばれていた。手紙のあて先は、兄だった。

心理学者は
「生き残ったのは確かに小梅だった。いくら火傷が酷くても、男と女を間違うわけがない」
と付け加えた。

小介が「生き残った兄はどうしたんですか?」と聞くと
「死のうとしたよ。だが、心ばかりが片目と片足を失って、まだ生きさらばえているようだよ」

次のコマで角度を変えて心理学者の全身が描かれ、片目と片足がないことが読者に伝えられる。

 

引用元: http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1396201875/

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