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赤いクレヨンと小さい子

この記事の所要時間: 25

友人から聞いた話です。

埼玉県の春日部市のどこかに鍵の掛かってない空家があったそうです。
空家は、そんなに古いとかボロボロだったとかではないそうですが不気味で凄く怖くて、友達は入ろうとしてもドアをちょっと開けただけで泣いてしまったそうです。

 

ある日、その子の友達(男の子)が二人で家の中に入ることになりました。
罰ゲームで、幽霊屋敷から宝物を取って来いという内容だったそうです。

昼間だったし、凄く怖かったけど、懐中電灯を持って入りました。
普通、浮浪者とか住んでそうですけど、中はキレイで荒らされた様子もなかったそうです。

ですが、納戸のような部屋に入ったらいきなり、小さい赤ちゃん用の箪笥が倒れてきたそうです。
そして、箪笥があった壁に小さな扉があったそうです。

扉を開けて向う側を覗いた瞬間、悲鳴をあげて泣きながら家を飛び出してしまったそうです。

 

私の友人は、その子にその時見たことを教えてもらいました。

その子は、子供の時に見たことですが、今でも忘れられないと話しました。

箪笥の向うは、3畳くらいの窓のない小さな部屋だったそうです。

一瞬しか見てないので、家具はもっとあったかもしれませんが、小さなプラスチックのちゃぶ台、キティちゃんのような模様のついた茶碗と箸が乗ってたそうです。

部屋に入ってまず目に入ったのはそれでした。

そして、次に目に入ったのは、白い壁一面に、赤いクレヨンみたいなので小さい子の字で
「たすけて」
と書いてあった、だそうです。

 

あの部屋には、小さい女の子が住んでいた…閉じ込められていた。

寂しくてツラくて、声を出しても聞いてくれなくて、親に手紙を書いたんだねというのがその子の意見でした。

 

でも、小さい子が天井近くにも書くのだろうか。

家具を使って高い位置に登ったと考えられるけれども、そんなにせっぱつまった子がそこまでするだろうか。

普通、いえ、普通という言葉は相応しくないけれども、自分の手の届く位置でぐちゃぐちゃに重ねて書くのではないかと私は思いました。

あの字は、誰がどんな思いを込めて書いたのだろう、他人の話なので私は冷静に考えられますが、見てしまった子は…

悲しいお話の悲しい産物として、そう解釈するしかやりきれない恐怖なのだと思います。

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