「七本の色鉛筆」後味の悪い話

後味の悪い話 その168
矢代静一という戯曲作家の書いた七本の色鉛筆っていう劇。
舞台は終戦後しばらくの東京。七人姉妹の次女が主人公兼進行役で、観客に説明したりしながら話し、姉妹の母が死んだ7日後から話が始まる。
六女と七女は双子なんだけど、七女が戒律の厳しい修道院に入ると急に宣言しだす。
その理由は、六女の彼氏の田所という中年男性が実はこの双子の父親だと六女に教えられたから。
つまり双子だけ種違いの姉妹ってこと。
場面が転換し、その経緯が見せられる。
田所は終戦直前に徴兵されて、出兵前夜に元々付き合いのあった七人姉妹の母を無理やり犯していた。
終戦後に生き残ってしまった田所は、七人姉妹の母と会い、自分が妊娠させたことを聞かされ、
それを一緒にいた次女に教えて父親に告げ口するよう仕向けたのだった。
場面がもどり、長女のお見合いの場面となる。お見合いの途中で七女は父に修道院に決心した経緯を説明する。
その直後に田所がヘラヘラしながら家を訪ねてきて、父に過去のこと、六女との交際を土下座する。
田所が帰ったあと、修道院長が訪ねてきて、父は七女の修道院入りを許可する。
転換し、長女の結婚式となり、七女はもう帰ってこないだろうと言い残し笑顔で修道院へ旅立つ。
6年後の長女夫妻の子供のお七夜になり、家族それぞれ変化があったことを観客に述べ、終幕しそうになったところで、七女が急に帰ってくる。修道院を辞めてきたというのだ。
それを聞いた次女と父ブチギレるが、父はなんだかんだ許す。六女と七女だけになり話し始めるが、その中で六女は、田所に襲われそうになったことで自分の感情に気づき、フランスへ駆け落ちしようとしていることを打ち明け退場する。
七女は引き留めようとするも聞き入れてもらえず、次女に助けを求めるがビンタされる。
次女は七女に終幕の予定が崩れたとブチギレてるところで狼狽した田所が入ってくる。
田所は今さっき六女を車で撥ねて死なせてしまったと告げる。
その場にいた姉妹と父は外へ確認しに退場し、次女だけになる。
次女は観客に、「七本の‥‥六本の色鉛筆が、綺麗なおばあさんになっていることを願って、さようなら」と泣きそうになりつつ退場。
終幕。
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六女は田所=実父と交際していたことになるが、よく二人とも事実を知って交際できたな。
田所が鉛筆削りで使いすぎた色が一本交換になったということ?