「山奥の商店街」不可解な体験、謎な話~enigma~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part102
10年以上前、お父さんお母さんと兄と私の4人で長野の山奥にあるペンションへ、車で向かっていたときのことです。
当時はカーナビもなかったから、紙の地図と電柱などの表記を照らし合わせて進んでいましたが、地図にある目印となる建物が見つかりません。
しばらく細い山道をさまよって日が暮れた頃、唐突に街頭や提灯の並ぶ商店街のようなところに出ました。
そこは車がすれ違えないほど狭い道の両側に、びっしりと様々なお店が連なり、街頭や提灯に照らされて看板や商品がキラキラしていました。
商店街は人で溢れていて、車で通るのも一苦労でした。何しろ歩くより遅い速度で進んでいましたから。
金物屋さん、布団屋さん、八百屋さん、肉屋さん、ペット屋さん…様々なお店が各々通行人に声をかけていました。
お肉屋さんには生きた鶏がカゴに入っていて、奥にはぶら下げられた豚の丸焼きのようなものもありました。
ペット屋さんには極彩色のインコのような大きな鳥や、ゲージにぎゅうぎゅうに詰められた犬、水槽に入ったアロワナのような魚など、色々いました。
商店街に入ってからずっと、異様な視線を感じていました。通行人やお店の人が、観察するようにこちらを見ていたのです。
家族はみんな固まっていました。兄は「なんだよここ…」と気味悪そうに声を潜めて呟いていました。
父に「怖いから戻ろうよ」というと、後ろは人でいっぱいだから戻れないんだ、と答えます。
振り向くと確かに、進行方向より人が多く、まるで塞がれているようでした。中には子供もおり、じっとこちらを見ながら車の後ろをついてくるのです。
私は怖くなり、座席の下に潜り込んで、窓の外を流れるカラフルな看板や提灯を眺めていました。
じっと耐えていると、だんだんと看板が減り木が増え、ついに今まで走っていたような山道に出ました。商店街をひたすら進んで、抜けられたようです。
その後、やはり道を間違えていたのが分かり、別の道から山を少し下ると、目的のペンションにつきました。
なんとなく気持ち悪さというのか、恐怖心のようなものがあったのでしょう、その後家族の間であの場所の話が出ることはありませんでした。
当時は異世界に迷い込んだのだと信じていましたが、今思うとあれは、いわゆる部落のようなところだったのではないかと思うのです。
時折ふと思い出しては、グーグルマップの航空写真で似たような場所を探していたのですが、この間とても似た場所を見つけました。
今度、行ってみようと思います。夜は怖いから、明るいうちに。
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はぁ、部落差別かよ
夏だな
そこが部落なら(関東ではただの行政区分名称だが)
ケージにぎゅうぎゅうに犬を詰めていた店はペット屋ではない
その子達は食用だ
20年前でもカーナビはあったような
まー、私の車には今でも付いてないけど