亡くなった患者さんとの不思議な縁|ほんのりと怖い話

この記事の所要時間: 約 3分3秒
ほんのりと怖い話スレ 125
948: 本当にあった怖い名無し 2017/10/09(月) 00:04:42.32 ID:J94yxetl0
昔のはなしです。
関東の病院に出向して研修を受けていた頃、高校生の患者さんを担当した。
急性骨髄性白血病で、初回の抗がん化学療法は良く効いてくれたけれど、その後は治療に抵抗性となった。
関東の病院に出向して研修を受けていた頃、高校生の患者さんを担当した。
急性骨髄性白血病で、初回の抗がん化学療法は良く効いてくれたけれど、その後は治療に抵抗性となった。
抗がん剤を投与するとしばらくは白血球数が数百個くらいまで極端に減少する時期が続いて、その間は白血病細胞は表に出てこないが、回復する時期になると一気に白血病細胞が何万個と増えてしまうことの繰り返し。
カンファレンスで、今度はこの抗がん剤で、と方針を仕切りなおして治療を試みたけれど、容態は好転しなかった。
949: 本当にあった怖い名無し 2017/10/09(月) 00:07:35.23 ID:J94yxetl0
若いからか、大きな合併症もなく約1年間頑張ってくれたけれど、あきらめざるを得ない状態となってしまった。
ご両親とご兄弟に状況を説明、根治を断念して、できるだけ家で過ごせる時間を作る事をせめてもの目標にした。
抗がん剤投与と輸血を繰り返して、短期の退院、外泊、外出などで半年程過ごした末に、肺炎と脳出血で亡くなった。
ご両親とご兄弟に状況を説明、根治を断念して、できるだけ家で過ごせる時間を作る事をせめてもの目標にした。
抗がん剤投与と輸血を繰り返して、短期の退院、外泊、外出などで半年程過ごした末に、肺炎と脳出血で亡くなった。
月曜日から容態が差し迫った状態になって、金曜日の未明にお見送りをしたと思う。
ひとつ上の先輩医師が、声をかけてくれた。
「今晩ホテルで研究会があるから一緒に行こう、立食だけどメシもでる。ここしばらく碌なもの食べてないでしょ」
教授以下、みんなは病院からマイクロバスでホテルに向かったが、自分は偶々バイトの夜診があったので、それを済ませてから自分の車でホテルに行った。
ビッフェに残っていたものを食べて、ビールも飲んだ。ホテルを出たのは午後10時頃だったはず。
950: 本当にあった怖い名無し 2017/10/09(月) 00:09:19.84 ID:J94yxetl0
ホテルから自宅まで、混まなければ30分くらいで済むはずが、なかなか見慣れた景色に辿り着かない。
片側3-4車線の国道を走りながら、少しおかしいな、と感じていた記憶はあるが、全体としてはボンヤリしたまま運転を続けた。
片側3-4車線の国道を走りながら、少しおかしいな、と感じていた記憶はあるが、全体としてはボンヤリしたまま運転を続けた。
いつの間にか道は山間にかかる2車線に変わって、つけっ放しのラジオから時報が流れた。
「日付が変わりました。〇月〇日、午前0時のニュースをお伝えします」
びっくりして正気に戻った。
2時間も走った?自分がどこにいるのかも分からない。
道路地図帳は積んでるが、周りは畑と竹林、たまに農具を入れるような小屋があるだけで、手掛かりが何もない。
引き返すしかないかと考えながら運転を続けると、少し開けた場所に出て、交差点にバス停の標識が見えた。
951: 本当にあった怖い名無し 2017/10/09(月) 00:10:57.70 ID:J94yxetl0
横づけに車を停めて、見た事もない地名を地図帳に探した。
このまま道なりに進めば山越えをするようなところで、峠にかかる手前に小さい町が載っていた。
その町名には覚えがあった。
亡くなった患者さんが住んでいた町。入院中、書類に自分で何回か書き込んだから覚えている。
帰る道筋を確認してから、道の先に向かって手を合わせて黙とうした。
昔の田舎の事だから、もしかしたら、ほんとにお通夜をしていた最中かもしれない。
このまま道なりに進めば山越えをするようなところで、峠にかかる手前に小さい町が載っていた。
その町名には覚えがあった。
亡くなった患者さんが住んでいた町。入院中、書類に自分で何回か書き込んだから覚えている。
帰る道筋を確認してから、道の先に向かって手を合わせて黙とうした。
昔の田舎の事だから、もしかしたら、ほんとにお通夜をしていた最中かもしれない。
引用元: http://mao.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1501036799/
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飲酒運転ダメ絶対
普通に飲酒運転してることが怖い。馬鹿たれ。